間違えてないか? 私は平沢進だぞ(26日)
ミュージシャン・平沢進氏(@hirasawa)がTwitterをはじめたのは9月末のこと。
利用開始当初から「このスキに二杯目のジンジャー・ティーを入れる。なんでこんなこと赤の他人に教えなきゃなんないんだ?」「いまなにしてる? よけいなお世話だ」といった挑発的なツイート(発言)が人気を集め、着実にファンを獲得していた。そんな彼が、このツイートをきっかけに爆発的にフォロアーを増やすことになってしまった。
「たいしたこと書いてないのに3280人とはどういうことだ? おい」
「間違えてないか? 私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない」
平沢進氏といえばバンド「P-MODEL」で活躍し、かつてのテクノポップブームの中心人物となった一人。長州力さんの入場曲を作曲していたり、ボーカロイドソフトを楽曲に使用するなど、とかく話題に事欠かない。一方の平沢唯は、大ヒットアニメ「けいおん!」の主人公キャラクターのこと。けいおん! の主要キャラクターの苗字は「P-MODEL」のメンバーから取られていることから、平沢唯は平沢進氏が元ネタとなっている。
この事実を平沢氏本人が口にしたことで「知っていたのか!」「面白すぎる」「まさか平沢進さんの口から平沢唯の名前を聞けるなんて」「これはフォローせざるをえない」とユーザーの心を一瞬で掴み、たった2時間で1000人ものフォロアーを獲得した。
当の本人はその後、「違うんだーーーー!!!私はそんなんじゃない!!!」「増えるなーー!!」「平沢進というのは『な~に~?この音楽、きもちわるい』とか、そういう類だから。かわいくないから。友達減るから」とフォロアーが増えていくことに抵抗。だが、ツンデレにしか見えないその発言に「可愛すぎる」「萌えた」「もはや諦めるべき」「火に油を注いでいるようにしか思えない」という声が集まった。
このブームで彼のことを知ったユーザーは「平沢進さんのポスト、普通に面白い」「名前程度しかご存知なかったけれど、呟きがあまりに可愛いからフォローした」とコメント。
既存のファンからは「平沢進のポテンシャルここに極まれり」「ファンキーな人だったとは」「平沢進さんはかっこいい人らしいという想像から面白い人として理解しました」、さらにアニメファンからは「平沢進、このままだとうんたんする勢い」と平沢唯の名台詞を期待する声まで挙がった。
1日現在、フォロアーは1万3180人。今後もフォロワーを増やしていくのは間違いない。
「誤解」で広まった訃報にTwitterが騒然(28日)
28日、市民運動に関心の高いメンバーが集うメーリングリストに、ハンドルネームが「とほほ」の平志朗氏が亡くなったことが伝えられた。とほほさんは広島を中心に積極的に活動をされていた方であったため、そのメーリングリストに伝えられることとなった。
しかし、この訃報がTwitterに投稿されるやいなや「とほほさんって、ひょっとしてWWW入門の……」と同じハンドルネームで別のとほほさんと勘違いされ、「とほほのWWW入門」の杜甫々氏が亡くなったものだという誤報が広まってしまった。
「とほほのWWW入門はホームページ自作の草創期のバイブル」「あのサイトがなければうちのサイトも存在しなかったかも」「昔は、とほほの WWW 入門開きっぱなしで仕事してた」「短大時代一番最初にHTML勉強したときはとほほ見ていたな」と多くのユーザーが振り返っていた。
「とほほ氏がいなければ、htmlをあのタイミングで理解出来ず、会社のサイト担当もやっていなかった」と人生を変えるまで影響を受けたユーザーや、「自分が中坊でまだググり方も知らない頃、画像のアップロード方法が分からなくて、凸メールしたのはいい思い出。親切に対応してくれたのがとても嬉しかった」と個人的にお世話になったユーザーまで出てくるあたり、とほほ氏の偉大さが伺えるところである。
ハンドルネームや居住地が同じであることから同一人物であると思われていたが、平志朗氏のサイト「とほほのとほほ空間」がホームページビルダーで作られていることなどから疑問が投げかけられた。後に別人であることが判明し、今度はその事実がTwitter上を駆け巡ることとなった。
数時間後、この誤報騒動を聞きつけた杜甫々氏は「とほほのWWW入門」に平志朗氏の訃報を悼むコメントを掲載した。
「広島にお住まいのとほほさん(平志朗さん)の訃報がありました。たまたま私と同じハンドルで、同じ広島に在住で、Perl 使いということから、混乱もあった模様ですが、ご心配をおかけした皆様にお詫びすると共に、平志朗さんのご冥福をお祈り申し上げます」
「Lists」機能を一般公開(29日)
9月末に一部ユーザーでテスト運用されていた「リスト機能」が、ベータ版として一般公開された。
リスト機能は、Twitterアカウントをグループにまとめ、そのグループのツイートを一覧できるようにする機能。自分で作ったリストは公開・非公開を選択することができ、公開されたリストは他のユーザーも使用することができる。多く作られているリストを見ると、友達や音楽、ニュース、BOT、有名人、会ってみたい人などでカテゴリ分けしている例が多い。
さっそく使ってみたユーザーからは、自分が登録されたリストを見て「自分が周りからどういう要素があると見られているのかがわかる」という声が上がる一方、「Listに登録してもらっているのはありがたいが、私はbotではないぞ」など、違うカテゴリに分類されたことで戸惑いを見せるユーザーもいた。
また「Listを作るということは、投稿ができないサブアカウントを作ったと考えると良い」「@は同じListに入っているユーザーに対するものしか表示されないから、自分だけを入れたリストを作っておくと、自分の@をつけてない発言だけを見られる」「『MyLove』というリストを作って1人だけ登録すればそれは愛の告白」といった感じにリスト機能にさまざまな使い道を見出すユーザーもいた。
その一方、「リスト機能がきたので作ろうとしたけど、既設のリストを探した方が早いかも」「一括で設定できる手段に乏しい」「Twitterが多機能になっていくのはウェルカムだけど、これはサービスの難易度を増すことで、結果的に新規ユーザが定着しにくい原因になりかねない」といった声も出ている。

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