10月15日、日本ヒューレット・パッカードはブレードサーバー「HP BladeSystem」用のブレードスイッチ(スイッチブレード)「HP ProCurve ブレードスイッチ」2製品とXeon 5500番台搭載の「「HP ProLiant WS460c G6 ワークステーションブレード」を発表した。
10GbE対応のHP ProCurveスイッチもブレードに入った
HP ProCurveは、同社のネットワーク製品のブランドであり、シャーシ型L3スイッチ「Switch 8200zl シリーズ」やボックス型L3スイッチ「Switch 6600シリーズ」、無線LAN機器「Radio Portシリーズ」など幅広い機器をラインナップしている。外部のネットワークとサーバーブレードを結ぶブレードサーバ用通信モジュールであるブレードスイッチの提供は今回が初めて。
同社では、「HP ProCurveがBladeSystemに対応することで、特にコストに厳しい中堅・中小規模企業でも次世代データセンターをコスト効率よく構築できるようになる」としている。また、HP ProCurveの特徴の1つに製品を使い続けている限り故障時の無償交換を行なう「ライフタイム保証」があるが、HP ProCurveブレードスイッチにもこれが適用されるという。
「HP ProCurve 6120G/XG ブレードスイッチ」はエントリー向けモデルで、サーバーブレード接続用のダウンリンクにギガビットEthernetインターフェイスを16ポート、外部ネットワークと接続するアップリンク用に10GbEインターフェイスを3ポートとギガビットEthernetインターフェイスを6ポート搭載する。
もう1機種の「HP ProCurve 6120XG ブレードスイッチ」は全ポートが10GbEに対応した上位モデル。ダウンリンクに16ポート、アップリンクに8ポートの10GbEインターフェイスを搭載する。
価格(税別)は、HP ProCurve 6120G/XG ブレードスイッチが55万円から、HP ProCurve 6120XG ブレードスイッチは130万円からとなる。出荷開始は、両モデルとも11月中旬。
ワークステーションもブレード化
ビデオ関連に一工夫
そして、今回の発表された変わり種がHP ProLiant WS460c G6 ワークステーションブレードだ。これはブレードサーバ内にクライアントPCを用意し、ネットワーク経由でデスクトップにアクセスして利用する「ブレードPC」のワークステーション版となる。
ブレードPCとの違いは、ハードウェアのスペックだ。CAD/CAEなどの高い演算処理が必要となる用途に応えるため、CPUがXeon 5500番台を最大2基、メモリが最大96GB(8GB×12)の搭載が可能となっている。
また、オフィスアプリケーションと異なり、CAD/CAEでは3Dグラフィックスなどの高精細な画像をディスプレイに表示する必要がある。そのため、リモートデスクトップソフトウェアにはマイクロソフトのではなく、独自開発の「HP Remote Graphic Software(RGS)」を採用する。RGSには、HPの研究所が開発した圧縮技術「HP3テクノロジ」が使われており、転送データは170:1という高い圧縮率でエンコードされる。これにより、少ないネットワーク負荷で大容量データの高速転送が可能になったという。
HP ProLiant WS460c G6 ワークステーションブレードの対応OSは、Windows XP/Vista(どちらも32/64ビット対応)とRedHat Enterprise Linux version 4.8/5.3(64ビットのみ)。価格(税別)は32万5000円からで、出荷開始は11月中旬から。