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意外に知らない「業務システムの裏側」 第1回

あなたが「自社の財務会計システム」を知らない意味

2009年09月28日 09時00分更新

文● 三浦優子

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財務会計システムの会社は、なぜ仕事がなくならないか

 このように会計に代表される「基幹システム」に対しては、コンサバティブな姿勢でのぞむ企業が多い。それでは、市場そのものにも大きな変化がないのかというと必ずしもそうではない。

 例えば、財務会計システムの場合、古いバージョンをずっと使い続けるケースは案外少ないのだ。カスタムで作られたソフトはともかく、「パッケージシステム」と呼ばれる市販のソフトを利用している会社であれば、結構頻繁にバージョンアップしていることが多く、そのための需要が生じている。

 その理由は明確で、財務会計システムは企業が恒常的に実施する決算処理に利用するので、法改正や最新税務情報に対応しておいた方が都合がよいからである。

OBCの法人税地方税申告書作成ソフト・申告奉行21 Ver.5[法人税・地方税編]で出力した帳票の例

 税務署に提出する書類は、効率化を考えてOCRで読み込めるスタイルになっている。財務会計システムの中には最新の法人税申告書に則った印刷ができるものがある。これを利用すれば、わざわざ手書きで数字を書き直す必要がなくなり、誤って数字を写し間違えることがなくなる上、面倒も大幅に減る。中小企業の中には、「税務申告のため(だけ)に財務会計システムを使っている」と話すところもあるくらいである。


財務会計システムの市場は国内企業の独壇場なのか?

 大企業、特に株式を公開している企業の会計処理はもっと面倒だ。

 ディスクローズ(情報開示)の観点から、四半期ごとに決算結果を開示することが義務づけられ、最近では「IFRS」(イファース)と呼ばれる国際財務報告基準書に対応することが必要になると大騒ぎしている。

 こうした報告基準書作成に大きな威力を発揮するのが財務会計システムであり、会計を巡る最新トレンドに対応した製品でなければ使い物にならないのだ。

 つまり財務会計システムとは、利用する人は限られ、コンサバティブに選ばれがちではあるが、法改正、税務改正には敏感なシステムだといえる。そのため一時は、細やかなバージョンアップが必要な財務会計システムは「日本メーカーの独壇場」と言われていた時期もある。

 しかしながら、最近の外資系メーカーは日本で腰を据えてバージョンアップ対策に取り組んでいるので、その傾向も変わりつつある。むしろ、大企業においては、会計は世界標準とする傾向が進んでいるため、海外製システムが好まれる傾向すらあるのだ。

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