バイト単価のコストを3分の1に削減!
データ増大にARXを用いたアーカイブで対応したセガ
2009年12月17日 10時00分更新
さまざまなクライアントで徹底検証
ARX の導入を検討するにあたって、同社は1カ月近くかけていくつかのテストを実施し、自社の要件を満たすかどうか念入りにチェックした。
セガが導入したファイル仮想化アプライアンス「ARX500」 |
もっとも重要だったのが、社内のクライアントがすべてきちんとアクセスできるかという問題だ。「弊社では、同じWindowsでも2000、XP、Vistaなど異なるOSが動いています。また、MacやLinuxなども動作していますし、複合機から直接ファイルサーバーを参照することもあります。さらに、Active Directoryに参加しているホストもあるし、ワークグループの運用もあります。全社ファイルサーバーを名乗るには、このように異なるプラットフォームのクライアントでも、ホスト名やFQDN、IPアドレスなどアクセス手段が違っても、きちんと利用できなければなりません」(目崎氏)とのこと。そのため、認証方式やアクセス方式の異なる環境でアクセスを試した。その結果、日本語ファイルの問題で多少課題はあったものの、既存の環境の変更なしに対応できたという。
また、ARXの一次代理店のテクマトリックスの協力の下、導入前のファイルサーバーの状態もきちんと分析し、ティアリングのポリシーを決定。重責を担う全社ファイルサーバーを対象とするだけに、障害時の対応に関しても気を遣った。「まずARXはクラスター構成にして二重化しました。ファイルの位置や属性を示すメタデータに関しては、損失の可能性があったので、バックアップサーバーへ保存するようにしました。テクマトリックスさんに詳細な運用手順書やリカバリープランも作ってもらったので、安心して導入できました」(目崎氏)と万全を期した。
製品の選定後、ARXを含むアーカイブシステムは2008年11月から導入を進め、2009年1月に本格稼働に至った。
ARX導入後のファイルサーバーの構成 |
ARX導入後のネットワーク構成は上図のとおりだ。従来から使っていた4TBを用意したメインサーバー(ティア1)のほかに、ティア2として10TBのアーカイブサーバーを用意。ARX500をクラスター構成で2台導入し、ティアリング機能を用いてメインサーバーからアーカイブサーバーにファイルを移している。さらに、ARXのレプリケーション機能を用いて、アーカイブサーバーから随時データをバックアップサーバーに保存していく。導入時は「ファイルサーバーの上位にARXを配置して、アクセスのためのグローバルネームスペースをアナウンスしただけです。ユーザーはどのサーバーにファイルがあるかを意識せず、いままでと同じようにファイルにアクセスできます」(目崎氏)ということで、手間もかからなかったようだ。
(次ページ、コスト削減やサーバー統合まで大きなメリット)
この連載の記事
-
第3回
デジタル
ARXを最大限に使いこなすノウハウってどういうもの? -
第2回
デジタル
マルチベンダーでNASを束ねるってどういうこと? -
第1回
デジタル
容量が増えると管理の手間が増えるってどういうこと? - この連載の一覧へ