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F5がファイルストレージ仮想化製品を紹介

BIG-IPではなくARXが採用になった理由とは?

2009年09月18日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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F5ネットワークスジャパン(以下、F5)は、NASの統合・仮想化を実現する「ARX」の特徴と国内事例を紹介するプレスブリーフィングを開催した。ここではユーザー事例や技術的な特徴が紹介された。

ファイルストレージ管理を
劇的に楽にするARX

ARXの製品概要にフォーカスしたF5ネットワークスジャパン シニアプロダクトマーケティングマネージャ 武堂貴宏氏

 ARXはF5が2007年に買収したアコピアネットワークスの製品をベースにしており、異なる複数のベンダーのNASを統合するアプライアンス。こうしたアプライアンス登場の背景には、NASやファイルサーバなどのファイルストレージの増大に伴い、管理の負荷が大きくなっているという状況があるという。

 F5のシニアプロダクトマーケティングマネージャ 武堂貴宏氏は「1年半、ARXのビジネスを続けてきた中、いろいろなお客さんのお話を聞いてきましたが、ファイルストレージの管理に苦労していないところはありません。たとえば隣の部署には空き容量があるのに、自分の部署は足りなくなってディスクを増設しなければならないことも多い。また、データをバックアップしたり、移動させなければならないのに、停止調整に苦労したり、サービスプロバイダなどでは、そもそも止められない」と、ユーザーのストレージ管理の現状について語る。

ファイルストレージに関わるいくつかの課題

 これに対してARXは、グローバルネームスペースという仮想化レイヤを導入し、ユーザーとファイルサーバとの物理的なマッピングを解消する。これにより、複数のNASを束ね、無停止でのファイルの移動(マイグレーション)、ファイルの階層化管理、接続のロードバランシング、自動レプリケーションなどが可能になる。

ARXのグローバルネームスペース導入で実現する4つの効果

 こうしたARXの導入事例として、武堂氏は東武鉄道や電算などを含めた数社のユーザー事例のコメントを引用したが、「ARXの機能で一番受けているのは、なんといってもノンストップでデータのマイグレーションやバックアップが可能なこと。また、異なるベンダーのNASを束ねられることも大きい」(武堂氏)という。ロードバランサのBIG-IPのついでにARXを紹介したら、こうしたマイグレーションやマルチベンダー環境でのNAS統合化のメリットがすぐに理解され、ARXの方が採用になったという例もあったという。

WebGUIからストレージ管理の自動化を試す

ARXのデモを行なったF5ネットワークスジャパン エンジニアリングマネージャのジョー・ペルス氏

 また、エンジニアリングマネージャのジョー・ペルス氏がARXのデモを実施した。たとえば、ARX側であるファイルサーバにあるWordとExcelのファイルをノンストップで別のファイルサーバにマイグレーションするというポリシーをARXのWebGUI上から作成。登録されているファイルサーバにスキャンをかけ、自動的にマイグレーションを行なう。開いているファイルはロックがかけられるので、移動先との不整合は起こらない。その他、ファイルの作成や更新のタイミングを条件に、ファイルを異なるストレージに移動させる階層管理のデモも行なった。

 ペルス氏は「グローバルネームスペースの導入により、物理的にどの位置にファイルが保存されても、ユーザーからは透過的に扱える」とユーザー側の視点からARXのメリットを語った。

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