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ニコニコ動画講座の神職人を取材してみた 第6回

プロの犯行現場|Pixiaで秋のミニスカ娘を描く【彩色篇】

2009年09月19日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部 イラスト・監修●ひいろ

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基本の影付け ストール~髪の毛編

 それではつづいて影付けを再開。まずはシャツに濃い影を入れていく。脇から腰をつなげるように、関節から外に広がっていくように描いていく。濃い影は胸のラインなど、強調したい部分に引くのもイラストに説得力を持たせるポイント。本来はもっとたくさん影を入れてもいい部分という。

脇から腰につながるラインを意識して影を書き込む。本来であればもっとたくさんの影を描き込んでもいい部分という

 つづいてはストールにつける影。影の色味は、ストールそのものの色からやや黄色めに変更してから明度を下げる。金髪などの場合は緑色の影を付けることが多いという。ここは臨機応変に考えていく。基本的にはシャツやスカートの影と同じだが、ベースとなる影を描くときは下のレイヤーを非表示にしておくこと。柄と影が混じって分からなくなってしまう。ざっくりとした影を付けたら、再度レイヤーを表示して影を付け加えていく。

レイヤーを非表示にして影を描き込み、表示にして具合を見るという繰り返し

 今度はキャラクターの命となる髪だ。今回は採用していないが、髪レイヤー全体にグラデーションツールで効果を付けてから、乗算レイヤーで影を付ける方法もあった。Pixiaのグラデーションツールはグラデーションをかける範囲を選択してから、右上にある四角の四隅を塗りつぶす形で直観的に調整出来るのでとても便利だ。

髪にグラデーションをかけて効果を出す方法もある。今回は背景に紅葉が入るので採用は見送りに

 今回はそのまま栗色の髪を生かし、薄い影、濃い影を交互に入れていくことに。ここでは前髪は「ギャルゲーっぽいもの」を意識した影付けにする。ポイントは「ちょっと多めかな」と思うくらいに影を付けておくこと。高いところから低いところに向かってつけていくイメージだ。髪の房同士が交差しているところは、遠慮せずに線を勢いよく描いてからはみ出たところを消すのが◎だ。

多少はみ出しても勢いよく塗り、あとから消しゴムで微修正をすればオーケー

 髪を塗り終えたら、顔に入った影や口元の微妙なニュアンスを修正。つづいて、肌レイヤーをコピーして「乗算」に指定する。これは選択範囲のとりなおしの手間を省くために行なっている。続いては頬紅。85×85pt程度の大きめのブラシで塗り、同じ大きさのブラシで白を選択、目立たない程度に色を薄めればチークの出来上がり。

チーク(頬紅)は大きめのブラシで派手に染めたあと、それを白のブラシで削ったほうがきれいに仕上がる

 それが終わったら細部の影付けだ。小物の影はあまりていねいに塗りすぎず、シンプルにまとめていくこと。画板の四隅やネクタイピンなど、金属の部分を描くときは、ニコニコ動画の動画「お絵かき影付け講座」を参考に描いている。ちなみに、ニコニコ動画ではその他にも「ひらひらのスカートが描きたい動画」「【SAIで】10分で描く背景:水中【描いてみた】」などを参考にしているという。チェックしてみてはいかが。

金属の描写はニコニコ動画講座を参考にどうぞ

 さて、細部が終わったら、顔に戻る。瞳のまわりにわずかに色を入れてやり、印象をやわらかくする。さらに線画レイヤーを選択して「領域の保護」にチェックを入れ、線画の色そのものを変更する。肌にそった輪郭部分は明るめにする、スカートの部分はちょっと濃いめにするなど、手動で地色を変えていく。

目尻に色を加えたことで、左右で微妙に印象が異なることに気付くだろうか

 つづいては髪に入れるハイライト。ハイライトの種類は大きく3つ。まずは束になっているところ、光が当たっているところラインを入れていくのが1つ。もう1つは濃い影に沿って入れるもの、実際にはありえない「ウソハイライト」のようなもの。そして最後がいわゆる稲妻状になっているものだ。その3つを入れて完成となる。

髪のハイライトは3種類。難しく感じるかもしれないが、とにかく描き込みまくって慣れるしかない

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