ローカルメールサーバがすぐにエラーを返してくる
今度はクライアントがメール配送を依頼したメールサーバ(ここではローカルメールサーバと呼ぶことにする)から即座にエラーメールが返される場合だ。
このトラブルは、ローカルメールサーバが送信先のメールアドレスから配送先を特定できない場合などに起きる。配送先のメールサーバが特定できているが配送が完了しない場合は、先ほどの例のようにメールはメールキューに滞留し、即座にエラーメールが返されることはない。
たとえば、存在しないドメイン名を含むメールはローカルメールサーバが配送先を特定できないので画面4のようにエラーとなる。確かに存在するメールアドレスへのメール配送なのに、同様のエラーメールが返されるならDNSサーバの不調かもしれない。nslookupやdigなどのコマンドでDNSサーバの動作を調べてみよう。
エラーメールの内容を確認する
メールサーバはメールの配送に失敗すると“MAILER-DAEMON”という名前でエラーメールを返す。エラーメールには配送が失敗した理由と元のメールの内容が記録されているので、これを調べることでトラブルの原因がわかることも多い。
エラーメールの送信元
エラーメールを送信した“MAILER-DAEMON”がどのメールサーバのものかはメールヘッダのFromフィールドで確認できる。配送不能エラーはそのメールサーバで発生している。
ステータスコード
配送できない理由は、SMTPのリプライコードや、のちに作られた「拡張されたメールシステムステータスコード」で示される。
SMTPのリプライコードは連続した3桁の数字で表わされ、4xxは一時的なエラーを、5xxは恒久的なエラーを意味する。ステータスコードは“.”(ドット)で区切られた3つの数字で示され、リプライコードと同じように、4.x.xは一時的な失敗を、5.x.xは恒久的な失敗を意味する。リプライコードの詳細はRFC2821で、ステータスコードはRFC1893でそれぞれ規定されているが、多くの場合エラーメールにコードとともに短い英文の説明が併記されている。
先ほど示した画面4の例では、リプライコード550(Host unkown)、ステータスコード5.1.2(正しくない宛先アドレス。“@”の右側が不正)が記されていることがわかる。
(次ページ、「スパムブロックの影響」に続く)
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