サーバには障害がつきものだ。管理者は障害の被害を最小限にとどめ、すみやかに復旧しなければならない。ファイルサーバを中心にオフィスのサーバのトラブルを解決する方法を紹介していこう。
管理者の心得
サーバ管理者にとって、トラブル解決は重要な仕事であるとともに、もっとも頭の痛いものである。しかし会社にとってトラブルは、解決すること以前に起きないことのほうがより重要だ。
さて、具体的な行動の前に、まずはサーバ管理者の心得を考えてみよう。といっても、何も特別なことはない。会社の中でそれぞれの与えられた役割や責任を果たすために、社会人や職業人としての常識を身に付けていればよい。とはいえ、会社という組織の一員なのだから、相応の行動や倫理が求められる。「おたく」と呼ばれてもよいが、少なくとも「KY」とは呼ばれないようにしよう。
組織をうまく利用する
サーバ管理者があなた1人しかいないのか、それとも部署として数人でチームを組める体制なのかにもよるが、いずれにせよ1人で抱え込まないで、上手に周りを巻き込もう。仮に管理者があなた1人だとしても、上司がいるだろうから、「ほうれんそう」(報告・相談・連絡)を励行することである。判断に迷ったら上司へ振ってしまえばよいし、日頃からそういう関係を築いておくことも大切だ。もし前任者がいれば、よき相談相手になってくれるかもしれない。人間関係が大切なのはいうまでもないだろう。
日頃の勉強
専門知識や情報は必要なので、本誌のような雑誌を年間購読して勉強しよう。また、有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンターJPCERT/CCのメーリングリストを購読するなど、日頃から情報収集にも努める。マイクロソフト関連であれば、TechNet PlusサブスクリプションやMSDNサブスクリプションなどの契約も検討する。
管理者の7つ道具
サーバ管理者として作業する際、離れた拠点へ出向くこともあるだろうから、いつでも持ち運べるよう7つ道具を常備しておくとよい(表1)。もちろん、この中から7品目に限定する理由はないので、専用バッグに詰め込める範囲で、便利グッズを常備する。
携帯用のノートPCには、たとえばWiresharkのようなトラブルシュートに役立つツール類をあらかじめインストールしておこう。最近はマニュアル類がPDF形式になっていることが多いので、これらもいっしょに入れておくとよい。
(次ページ、「現状を把握する」に続く)
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