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サーバトラブル解決のセオリー第6回

障害が発生した場合に迅速に対応できる体制作りが大切

RAIDのエラー対策をしていますか?

2009年07月31日 09時00分更新

文● のりぞう

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万物はいつか壊れる定めだが、ハードディスクには機械的な可動部品があるため、電子部品だけでできているほかのパーツより寿命が短いとされる。こうしたことから複数のハードディスクを用いて冗長性を増し、耐障害性を向上させるのがRAIDの目的だ。

そもそもRAIDとは

 RAIDは提唱された当時、データの配置や冗長化の方式の違いによって1~5までのレベルに分類されていた。しかし現在では、RAID 5を拡張してさらに耐障害性を向上させたRAID 6も定義されている。また、データを複数のディスクに分散して記録する“ストライピング”をRAID 0と呼ぶことが一般的になっている。以下、それぞれの特徴を見ていこう。

ストライピング(RAID 0)

 RAID 0とも呼ばれるストライピングは、データの読み書き速度を向上させる技術だが冗長性はなく、1台のディスクドライブに障害が発生するとすべてのデータが失われる。そのため、耐障害性はディスクドライブ単体の場合より低下する。

 現在、サーバで一般的に利用されているのはRAID 1、RAID 5およびRAID 6の3つだ。また、これらとストライピング(RAID 0)を合わせて耐障害性と処理速度の両方を向上させることもある。

RAID 1(ミラーリング)

 RAID 1は複数のディスクドライブに同じデータを書き込む方式で、“ミラーリング”とも呼ばれる。構成するディスクドライブすべてに同じデータを記録するので、全体でのディスク容量はもっとも容量が小さいドライブと同じとなり、容量の利用効率は低い。その代わり、障害発生時には正常なディスクドライブが1台残っていればデータは失われない。RAID 1は最少2台のディスクドライブがあれば構成でき、仕組みも単純なので安価に導入できるのが利点だ。

 写真1、写真2はPCの5インチベイに組み込むタイプのRAID 1ユニット製品で、価格の安さから数年前によく使われていた。このタイプの製品はネットワークを介してディスクドライブの障害を報告する機能を持たないため、PCの近くに人がいないと障害発生に気づかないという欠点がある。

写真1 2台のHDDでRAID 1を構成。5インチベイに取り付け、ディスクはそれぞれホットスワップ可能なカートリッジに収納されている写真2 これは写真1の製品と同等のもの。これらの製品はLED/LCDによる表示とブザーでディスクドライブの障害発生を知らせる

RAID 5

 ストライピング(RAID 0)と同じように、複数のディスクドライブにデータを分散して書き込むとともに、データを復元するためのパリティデータを生成し複数のディスクに分散記録する。RAID 1に比べてディスクの利用効率がよいのが特徴だ。総ディスク容量は最小のHDDの容量×(HDDの台数-1)となる。最少3台のハードディスクで構成できる。

 RAID 5は、ディスクドライブの台数が増えるほど読み出し速度と全体の容量が向上する。ただし、データを書き込む際にパリティ生成のための演算が必要なので、読み出しほど速度は向上しない。特に、データの更新時にはデータとパリティデータ両方を読み出して更新したのちに書き込まなければならないため、ディスクアクセスが増加する。

 RAID 5を実現するためには高価なディスクアレイや専用のコントローラカードが必要だったため、企業のサーバなどに利用が限られていた。しかし、近年はコントローラカードやRAID 5を利用可能なNAS(写真3、画面1)の低価格化が進み、普及が加速している。

写真3 RAID 5に対応するアイ・オー・データ機器のHDL-GT。4台のHDDがホットスワップ可能なカートリッジに収められ、RAID 0、5、1+0に対応する
画面1 NASのシステムログ

 RAID 5では、構成するディスクドライブのうち1台に障害が発生してもデータは失われない。しかし、障害が発生した状態(デグレード)でさらにほかのディスクドライブに障害が発生したり、2台同時に障害が発生するとすべてのデータが失われる。これは障害が発生したディスクを交換してリビルド作業を行なっている最中にも当てはまる。この問題に対処するために考案されたのが次に挙げるRAID 6だ。

RAID 6

 RAID 6は同時に2台のディスクドライブに障害が発生してもデータが失われないようにRAID 5を拡張したものといえる。RAID 6では2種類のパリティデータを生成してそれぞれを異なるディスクドライブに分散記録することでRAID 5よりも耐障害性を高めている。

 RAID 5に比べてパリティ用のドライブがもう1つ必要となるため、容量は最小のHDDの容量×(HDDの台数-2)となる。

(次ページ、「RAIDの実現方法」に続く)


 

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