グループ内のファイルやプリンターは
簡単に共有して使える
参加するパソコンの「ネットワークの場所」が「ホームネットワーク」に設定されていれば、LANに接続した際に、自動的にホームグループを検出。設定ウィザードが表示される。ホームグループに参加したパソコンでは、ほかのパソコンが公開したライブラリに保存されているデータやプリンターにネットワーク経由でアクセスできる。
どのライブラリをホームグループで公開するのか、どのプリンターを公開するのかは、公開元のパソコンから簡単に設定できる。また、正しいパスワードを入力しなければ、ホームグループ上に公開されているプリンターやライブラリにはアクセスできない。
今までは、家庭内のパソコンがLANにつながっているのに、フォルダーやプリンターの共有方法がよく分からず、パソコン同士のデータのやりとりはUSBメモリーを使う、というケースもあっただろう。ホームグループはこうした問題を解決するのに役立つ。LAN経由での共有ライブラリを使ったファイルのやり取りや、共有プリンターでの印刷は、格段に簡単にできるようになる。
ちなみに、プリンターを共有する際は、印刷を実行したいパソコン側にプリンタードライバーをインストールする必要がある。プリンターの接続元のパソコンに「追加ドライバー」としてドライバーをインストールしておけば、いちいちプリンターのメーカーサイトからドライバーを拾ってくる手間が省ける。
ただし、x86版(32bit版)とx64版(64bit版)では、ドライバーが異なる。追加ドライバーにx86/x64両方のドライバーをインストールしておけば、どちらのOSにもインストールできる。
★
最後にいくつか注意点を述べよう。もし、家庭内に複数のホームグループが作成されていた場合、Windows 7は自動的にそれらを認識して、“複数あるホームグループをひとつにまとめるように”と指示される。つまり、1家庭には1ホームグループというのが基本になる。無理矢理、複数のホームグループを作成することもできるが、ひとつのパソコンが参加できるホームグループはひとつだけだ。
また、ホームグループを利用するには、「ネットワークの場所」を「ホームネットワーク」にセットしておく必要がある。ホームネットワークに設定されていない(会社や公共の場所)と、ホームグループは利用できない。
例えば、1台のWindows 7ノートを会社と家庭で使う場合、家庭のLANにつないだ際の「ネットワークの場所」をホームネットワークにしておく。その状態でホームグループに参加すれば、ホームグループ上の共有プリンターやライブラリを利用できる。共有フォルダーはユーザーや管理者が指定できるため、ほかのパソコンから共有フォルダー以外にあるデータをのぞき見られることもない。
ホームグループが利用できるのはWindows 7だけだ。VistaやXPでは、ホームグループに参加できない。そのため、もしVistaやXPのパソコンにプリンターが接続されている場合は、ホームグループでは共有できない。従来どおりのネットワーク共有を使うことになる。ホームグループの利便性を味わうには、家庭内のパソコンをWindows 7に統一する必要があると言えよう。
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