NTPで時刻を合わせる
自分のPC上で作成したデータと、ファイルサーバ上で作成したデータのタイムスタンプがずれることがある。このような場合、たいていはそれぞれの時計が合っていないからだ。したがって、時計を正しい時刻に修正すればよい。ただし、時計を合わせた直後は問題なくても、時間が経つと徐々に時刻がずれてしまう。
このような場合、NTP(Network Time Protocol)を使えば、インターネット上のNTPサーバに時刻を同期して、つねに正しい時間に合わせてくれる。
Windowsの場合、[日付と時刻のプロパティ]の「インターネット時刻」を使えばよい(画面5)。
一方、Linuxの場合はntpdateコマンドを使う(画面6)。しかしLinuxの場合、OSの時刻(システムクロック)を修正しても、BIOSのCMOS時計(ハードウェアクロック)はそのままだ。したがって、両者を同期しないと電源をオン/オフしたときに、また時計がおかしくなってしまう。そのため、hwclockコマンドで両者を同期するのを忘れないようにしてほしい(画面7)。
NTPが時刻を合わせる基準となる時計は、インターネット上のNTPサーバだ。Windowsの場合、デフォルトではtime.windows.comを使うようになっている。しかし、日本国内から利用する場合、物理的な距離や経由するルータの台数などのトラフィック負荷を考慮し、できるだけ国内のNTPサーバを利用したほうがよいだろう。契約するプロバイダによってはNTPサーバを用意してくれる場合もあるので、それが使えるのならベストだ。そうでなければ、情報通信研究機構の日本標準時プロジェクト、もしくはインターネットマルチフィードMFEED時刻情報提供サービス for Publicなどを利用する。
トラフィック負荷を考慮したNTP構成
前述の通り、インターネット上のNTPサーバと直接同期するのは、トラフィックに負荷がかかる。そのため、社内専用のNTPサーバを1台用意し、残りのPCはこのNTPサーバに時刻が同期するように設定しよう(図1)。
ここでは、Linuxで社内用NTPサーバを構成する場合を解説する。FedoraやCentOSであれば、すでにインストール済みかもしれない。未インストールであれば、rpmコマンド、またはyumコマンドでntpをインストールする。インストールしたら、/etc/ntp.confファイルを編集する(画面8)。
障害対策として、複数のNTPサーバを記述するとよい。精度も安定する。デフォルトの設定ファイルにはいろいろと記述があるが、社内用NTPサーバとして構成するだけであれば単にNTPサーバを追記するだけで十分だ。なお、基準となるNTPサーバに障害が起きた際に備え、複数のNTPサーバを記述するとよい。
(次ページ、「タイムゾーンの設定」に続く)
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