2月18日、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)での公開NTPサービスを開始した。
NTPはNetwork Time Protocolの略で、インターネットを介して時刻の同期を行なうプロトコル。NICTではこれまで、東京都小金井市の施設にインターネットに接続したNTPサーバーを構築し、誰でも利用できる公開NTPサービスを行なっていた。しかし、インターネットの経路によっては利用者とNTPサーバーとのネットワーク的な距離が長くなり、伝送遅延の変動によって接続しにくくなったり、精度が低下する場合があったという。
そこでNICTが始めたのが、ISPが相互接続を行なう施設「IX(Internet Exchange point)」の1つであるJPIXの内部にNTPサーバーを設置するサービスだ。これにより、すべてのユーザーにとって近くにNTPサーバーが位置することになり、インターネットの状況による配信時間の変動が減少し、安定したNTPサービスが可能になるという。
日本標準時の生成を行なっている小金井市の施設とJPIX内のNTPサーバーとは、NICTが運用する高速なテストネットワーク「JGN2plus」で接続を行なう。光ファイバ中の同じ波長の光に時刻データを載せ、双方向通信することで伝達遅延時間を推定する仕組みを搭載しており、両者間では1ナノ秒(10億分の1秒)の精度で時刻を合わせているという。
公開NTPサーバーのアドレスは「ntp.nict.jp」で、一般のNTPクライアントソフトウェアから利用できる。
お詫びと訂正:掲載当初、本文中に表記の誤りがありました。該当部分を訂正するとともにお詫び申し上げます。(2010年2月19日)
