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エッジからコアへゆるやかに進出

星星之火可以燎原!H3Cが積み重ねてきた5年間

2009年07月06日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ボックス型スイッチだけじゃない!
シャーシ型スイッチを今後はアピール

 こうした成長を遂げる同社だが、日本でも順調に事業を拡大している。日本では幅広いラインナップを誇るH3Cの製品の中から、IPv6対応やグリーン性能の優れたルータとスイッチを中心に展開。特に複数の筐体を汎用のEthernetインターフェイスでクラスタ化する仮想シャーシ技術「IRF(Intelligent Resilient Framework)」を搭載したボックス型スイッチの「S3600」や「S5600」は、安価なコストで信頼性やパフォーマンスを向上できる機種として幅広く受けいられた。

 その他、冗長電源の内蔵化や固定IPアドレスの接続禁止など、日本向けの製品開発やカスタマイズも行なった。こうして企業はもちろん官公庁や医療機関などの導入事例を重ねていった結果、2008年には出荷台数が5万台を突破したという。

冗長電源が内蔵されたS5500-28F-EIの日本市場向け製品

 そして、2009年1月からは製品を使っている限り保証する永年保証(リミテッド・ライフタイム保証)をスタートさせた。「これができるのは、やはり徹底した品質管理と低故障率があるからです。実際、4500台導入した大手キャリアのグループ会社や1万台導入したある官公庁で、障害があったのは1桁台。2006年度の保守契約300件でも出勤は1度もなく、高い評価を得ております」と品質への自信が裏付けになっているという。IRFもv2にバージョンアップされ、10GbEや長距離接続に対応した。

 まさに順風満帆に見える同社だが、ブランディング面で課題を抱えているのも事実だ。久保田氏は「H3Cというと、安価なボックス型のスイッチというイメージが非常に強い。また、最近はコアも任せてもらえるようになりつつあるが、やはりエッジで利用されるというケースがやはり多いので、シャーシ型スイッチもきちんとアピールしていきたい」と語る。また、10GbE製品も数多くリリースしていることから、データセンター市場の開拓も重要になってきそうだ。こうした現状に対応すべく、2009年はデータセンター向けの集約型スイッチや通信事業者向けのシャーシ型スイッチを投入する予定だ。

 たとえば2009年の第3四半期に投入されるデータセンター向けの「S5800」では、10GbEに対応し、IRFv2による仮想シャーシ技術も搭載する。また、拡張向けのサービスモジュールによりファイアウォールやアンチウイルスなどの機能を追加できるのも大きな特徴。IPv6にも対応し、PoEのモデルも用意される。

S5800シリーズは10GbEに対応するほか、サービスモジュールを搭載できる

 「はじめは小さな火だが、だんだん大きくなり野を焼き尽くす炎となる」という意味で「星星之火可以燎原(星星(せいせい)の火を以て野を焼くべし)」ということわざが中国では用いられる。最初は安価なエッジスイッチから訴求していった同社だが、その信頼を土台によりハイエンドな製品を載せていくことで、より大きな火にしようとしている。今後信頼性やコストパフォーマンスの高さ、グリーン性能など同社製品の真価が伝われば、中国市場のH3Cのような大きな野火が日本でも起こるかもしれない。

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