このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

エッジからコアへゆるやかに進出

星星之火可以燎原!H3Cが積み重ねてきた5年間

2009年07月06日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

スリーコム傘下のネットワーク機器ベンダーであるH3Cテクノロジー(以下、H3C)が日本進出を果たして、2009年で5年目を迎えている。4月には久保田則夫氏が日本法人の新社長に就任。幅広い製品ポートフォリオと低廉な価格を武器に、エッジからコアへの進出を進めていくという。

ファーウェイスリーコムからH3Cへ
5年間を振り返る

H3CテクノロジージャパンのSE本部 製品管理部 プロダクトマネージャー 福山英一氏(左)、代表取締役社長 久保田則夫氏(右)

 同社の沿革から振り返ってみよう。H3Cは2003年にファーウェイスリーコムの社名で設立。名前の通り、中国最大手の通信機器ベンダーである華為技術(ファーウェイ テクノロジーズ)と老舗のネットワーク機器ベンダーであるスリーコムの合弁会社として設立された。こうしてファーウェイスリーコムは、中国の杭州に本社および工場を設立し、SOHOから通信事業者向けまで幅広いジャンルの製品をリリースした。そして、2004年には、日本法人であるファーウェイスリーコムジャパンが設立されている。

 ちなみに筆者も設立当初に杭州にある工場や検証センターを見学したことがあるが、最新鋭の機器によってシステム化されており、当時からそのレベルの高さが伺えた。従業員の方々も非常に若く、活力に溢れていたのをよく覚えている。

ファーウェイスリーコム設立当初の杭州オフィス

杭州オフィスには幅広い製品を展示するスペースもあった

 その後、2006年にスリーコムが華為技術の株式を買い取る形で、完全子会社化。これに伴い、2007年に社名をブランドとして使っていた「H3C」を冠したH3Cテクノロジーが変更し、日本法人もそれに合わせてH3Cテクノロジージャパンになった。H3Cテクノロジーはスリーコムに対して製品をOEMの形で提供しており、ワールドワイド50カ国、3100以上のチャネルパートナから製品を購入できる体制も実現した。

 では、設立してから5年でなにが起こったか。4月にH3Cテクノロジージャパンの社長となった久保田則夫氏は「設立以来、H3Cは毎年70%に近い驚異的な成長率を実現しており、特に中国市場においてはシスコシステムズと拮抗するほど高いシェアを実現しています。700億ドルの売上げ規模はシスコに次ぐくらいの大きなものだと思います」というその成長ぶりに驚いているという。

 この背景には、4800名の従業員中55%がR&Dに従事するという開発体制や故障率0.1%未満という製品品質の高さ、スイッチだけで14シリーズ約200種類という幅広い製品ポートフォリオ、そしてなにより経済危機の昨今大きな製品選定要因になる価格競争力などがある。もちろん現在のH3Cはスリーコムの100%子会社となっているが、華為技術という中国のナショナルベンダーが親会社であったスタートダッシュもプラスに働いたと思われる。

(次ページ、ボックス型スイッチだけじゃない!シャーシ型スイッチを今後はアピール)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード