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すっきりわかった!仮想化技術 第7回

柔軟なWANやLANを構成するための技術をみてみよう

ネットワーク機器で用いられる仮想化技術

2009年06月12日 09時00分更新

文● 飯岡真志/編集部

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接続を仮想化する技術

 レイヤ3スイッチは、スイッチとルータというネットワーク機器を仮想化したものとみなせるが、同時に機器の「接続」を仮想化したものともいえる。

 またサーバの仮想化と組み合わせて利用する場合、各仮想サーバのNICは仮想的なものなので、実際にどの物理NICを利用するかといった設定もソフトウェアで行なえるようになる。ケーブルの接続ミスや破損などの人為的ミスを防げるという点で、接続の仮想化は管理性を向上するものといえる。

 同様に接続の仮想化を志向した技術として、ヒューレット・パッカードがブレードサーバで展開する「HPバーチャルコネクト」がある。サーバに搭載されているNICやストレージ用ホストバスアダプタ(HBA)の接続を仮想化する仕組みだ(図3)。

図3 通常のスイッチ(左)とHPバーチャルコネクト。HPバーチャルコネクトは、MACアドレスを仮想化できる

 故障したサーバを交換する場合、NICのMACアドレスやHBAの固有な番号が変更になるため、従来のサーバではネットワークスイッチや、ストレージファブリックの設定を変更する必要があった。しかしバーチャルコネクトでは、MACアドレスなどをブレードサーバ本体ではなく、エンクロージャのスロットに紐付けている。そのため、新しいサーバを取り付けたスロットに以前のMACアドレスを割り当て直すだけで、ネットワークやストレージの設定を変更する必要なく稼働を開始できる。

 サーバ、ネットワーク、ストレージそれぞれ管理者が別々にいるような大規模なシステムで特に有用な仕組みだが、より小規模なシステムでも管理性の向上に役立つものだ。

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