私もアクセス解析という業務に携わる前は、Webサイトやネットショップ制作に携わっておりました。ただ、どちらかというと数値が苦手で、長続きがする性格でもなく、「アクセス解析を毎日見て、利用していく」という行動が、最初はどうも得意ではありませんでした。
それが今ではアクセス解析をネットショップの支援ツールとしてアドバイスしています。その過程で、アクセス解析を挫折しない(使い続ける)コツがいくつかあることに気づきました。
1.最初は短時間でもよいので定期的に見る
ネットショップの運営者は様々な仕事があり、多忙です。そのため、「アクセス解析を周期的に見ている時間が無い」という考えをもたれる方が多いと思います。
しかし、アクセス解析は継続が重要です。まずは、アクセス数や訪問者数だけでも良いので、見る習慣をつけましょう。
実際に、私がアドバイスしたあるネットショップのオーナーは、言われたとおり毎日10分くらいですが、アクセス数を見ていました。ある日、アクセス数が急に増加している事に気づいてリスティング広告出稿量を増加させ、成功につながった例もあります。
2.「全てのデータを使う」という意識を捨てる
アクセス解析を導入した際には、「せっかく導入したのだから、ある機能は全て使おう」という考えが浮かびます。実際、使わない機能があるともったいない気もします。
ただ、例として携帯電話を考えてみると、使っているのは電話とメール位という方が大半です。
アクセス解析も同様に、「分かるデータから使う」「使えるデータを見る」という程度の意識で取り組んだ方が、結果として長続きします。
特に、アクセス解析を取り組むに当たって最初に以下のデータはおさえておきましょう。
●PV数(ページビュー数)
●ユニークアクセス数(セッション数)
●外部リンク元(参照元)
●検索キーワード
PV数とユニークアクセス数は、ネットショップのアクセスの成否を判断する土台となるデータです。たとえば、メルマガやキャンペーンを行った際に、PV数やユニークアクセス数を必ずチェックして、施策を行った結果、増加しているかどうかを確かめましょう。
外部リンク元(参照元)と検索キーワードは、メルマガやキャンペーンなどでネットショップに人を呼び込む際に「どこから来たか」を測る指標となります。インターネットで商品を探しているユーザーの大半が検索エンジンを利用している現在、「検索キーワード」は必ずおさえなければならないデータです。ネットショップの興味や関心がどんなところにあるかは、「検索キーワード」に必ず現れてきます。
少なくとも、この4つのデータは定期的に見て、変化(増減)しているかどうかを確認しましょう。
3.アクセス解析を「目的」にしない
アクセス解析の相談を受けた後、意識が高いのですが「アクセス解析を頑張って行います」という人がいます。ただ、アクセス解析は手段であって目的ではありません。
アクセス解析を使うことが目的となると、他の作業が後回しになってしまい、最終的には時間が無くなり使わなくなってしまいます。
Webサイトやネットショップが増えてきた現在、アクセス解析が無いと、自ショップの方向性や投資効果が見えにくくなり、無駄な投資となってしまいます。
アクセス解析を「使えるツール」にする事で、他のネットショップよりも一段上のショップ運営を目指していきましょう。
では、次回からはアクセス解析を実際に「どう運営に活用していくか」について説明します。
【アクセス解析 用語解説】
■ PV数(ページビュー数)
ネットショップを訪問した訪問者が閲覧したページの総数となります。1人の訪問者が5ページ閲覧した場合は、5PVとカウントされます。
ユーザーがネットショップで見たページの総数となりますので、ネットショップへのユーザーの関心度などが分かります。また、1訪問者が何ページ見ているかを測る指標ともなります。
■ ユニークアクセス数(その他の名称:セッション数)
ネットショップにアクセスしてある一定期間内に行動した一連のアクションを行った訪問者数を指します。ブラウザを起動してネットショップを訪問してから離脱するまでが、「1セッション」となります。1人の訪問者が何ページ閲覧しても、「1セッション」とカウントされます。
基本的に、ネットショップにどの位の人が訪れたかを測定する場合にはユニークアクセス数が用いられます。
■ 外部リンク元(その他の名称:参照元、リファラ)
訪問者が、アクセス解析を行っているネットショップを訪れる前に見ていたWebサイトのURLとなります。ネットショップを訪問したユーザーが「どこから」来たのかが分かります。
数の多い外部リンク元はネットショップにとってユーザーを誘導する、ショップにとって有力な流入元となります。
■ 検索キーワード
外部リンク元の中で、検索エンジンから訪問した際に、ユーザーが利用したキーワードとなります。「どこから」といった点に加えて、「どんなキーワードで」来たのかが分かります。
検索キーワードは、訪問者の興味や関心を表していますので、ショップにとってユーザーが何を求めているかが分かります。
著者プロフィール

名前 | 竹内 亮介 | |
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会社 | 株式会社環 | |
サイト | http://www.kan-net.com/ |