こんにちは。竹内亮介です。
前回は、商品の「売れる」理由を探すために、『検索エンジンの活用』『サイト内の訪問者の行動を活用』について説明しました。
今回は、もう1つ残っている『サイト内検索の活用』について説明します。
このコラムを見ているオーナーさんはサイト内検索と聞いて、何をイメージするでしょうか。
- 検索エンジンのサイト内版か?
- サイトマップやナビゲーションの代わりに利用される?
私が実際にセミナー等を行った際に質問してみると、上で挙げたような回答が返ってきます。
確かに、どれも正解です。
ただ、サイト内検索は検索エンジンやサイトマップとは違う特徴を持っています。
その点を掴み、検証していくことで、訪問者が何を求めているかを把握して、ショップの売上に繋げることが可能です。
では、サイト内検索の特徴とは何でしょうか。
サイト内検索の特徴
(1)サイト内検索の利用者は「商品を求めている」ユーザとなる
検索エンジンとサイト内検索の違いは、サイト内検索を利用する訪問者は、既に自社ショップに訪れているという事です。
どういう事かというと、サイト内検索は「自分のネットショップ内に設置している検索」です。それを利用しているということはすなわち、既に行っている検索エンジン対策や懸賞、メルマガといった施策の結果としてやってきた訪問者だという事です。
例えば、私のアドバイスしている化粧品を取り扱うネットショップがあります。集客などもリスティング広告などを積極的に利用しており、検索キーワードなども「○○効果」「○○成分」など様々です。
ただ、サイト内検索を見てみると傾向が異なっていました。特に、商品名やブランド名など具体的なワードが多く、曖昧なワードは少なくなっています。
つまり、自社ショップに訪れている時点で、「購入しようかな?」という意思や商品に関する知識を多少なりとも持っており、具体的な商品を探すことを目的とした訪問者がサイト内検索を利用しているということです。
逆に、Web上の検索エンジンの場合、単なる調査や検討段階である事もありますので、様々なパターンの検索が発生します。
(2)サイト内検索はネットショップに「ない」ワードも含まれる
サイト内検索は自社ショップ内を検索した結果を表示しますので、キーワードの設定や検索の方法が適当でなければ、検索結果が0件ということもありえます。
過去にあったケースでは、お客様のショップで扱っている商品の人気商品が覚えにくい名称だったため、サイト内検索で「間違って」検索されたワードが多いケースがありました。
このように、サイト内検索とWeb検索とでは、同じ“検索”であっても異なる特徴を持っています。では、サイト内検索をネットショップでどう活用していけば良いかを説明しましょう。
サイト内検索の活用
(1) ネットショップの使いやすさ(購入しやすさ)が分かる
サイト内検索の結果を分析することで、自社ショップが訪問者のニーズに的確に応えているかが分かります。
例えば、過去にあったケースですが、あるアパレルショップのサイト内検索を見ると、検索結果の上位にナビゲーションリンク(サイト内のメニュー項目)にあるブランド名と同様のフレーズが多数見られました。
このブランドは、ナビゲーションリンク以外にもショップ内でも目立つ所に置かれていました。
そこで、そのショップを関係者に見てもらったところ、ショップの雰囲気を保つため、ブランド名を英語で記載しているのですが、文字が読みにくく気づかない人がいることが分かりました。
そのため、ナビゲーションリンクにも分かりやすく、読みやすい形に修正した結果、訪問者はナビゲーションリンクをクリックするようになり、結果として購入数も高まった例があります。
つまり、これまでは訪問者が目的の商品を見つけられず、サイト内検索を使う以外に離脱してしまっていたという事です。
このように、サイト内検索はショップの「使いやすさ」を判断する指標となり得ます。
(2)ショップ訪問者の「ニーズ」に応える
サイト内検索の結果は、訪問者の「ニーズ」でもあります。
別の例ですが、食品を販売するショップでカテゴリを「牛ひき肉」「豚バラ肉」といったように商品を種類別に表示していたショップがありました。
そのショップでサイト内検索を検証したところ、「ステーキ 肉」などというように料理名などと共に検索される方が多いという結果が見られました。
そこで、カテゴリに「ステーキ」「しゃぶしゃぶ」といったように料理別を加えたところ、数ヵ月後には売上が30%近く上昇しました。
このように、ユーザのニーズを捉えて、コンテンツに反映していくことで、効果を高めていく事が可能です。
このように、サイト内検索は検索という名前が付いていますが、検索エンジンでの検索とは異なります。
各々の特徴を理解して、アクセス解析を活用する事でネットショップのより一層の効果を期待する事が可能です。
自社ショップにサイト内検索を入れているのであれば、まず、結果をアクセス解析で確認してみましょう。
今まで見ていた検索エンジンからの検索キーワードや検索フレーズの分析とは、違った結果が見えてくるかもしれません。
検索キーワード
検索エンジンから訪問した際に、ユーザーが利用したキーワードとなります。「どこから」といった点に加えて、「どんなキーワードで」来たのかが分かります。
検索キーワードは、訪問者の興味や関心を表していますので、ショップにとってユーザーが何を求めているかが分かります。
一般的には、Yahoo!やGoogleなど検索エンジンでの検索結果となるキーワードを指します。サイト内検索ではありません。
著者プロフィール
名前 | 竹内 亮介 | |
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会社 | 株式会社環 | |
サイト | http://www.kan-net.com/ |