SEMの観点からのサイト構築
サイトでの売上・利益を拡大させるためには、いくつもの手法があります。その中でもコストパフォーマンスが高く、サイト立ち上げ段階で行うものとして最も効果的な手法は、SEOによって検索エンジンからユーザーを獲得することです。
本コラムでは、サイトでの利益を最大化させるための流れとして、検索エンジンで対策すべきキーワードの選定方法から、実際に上位表示させるためのテクニック、そして上位表示達成後のアクセスログによる効果検証方法をご紹介させていただきました。今回は今までの内容を基盤とした、SEMの観点からのサイト構築についてご紹介させていただこうと思います。
SEMの内容とは?
SEMの意味自体をご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、これは簡単に説明すると、『SEOなどの手法により、検索エンジンを通じて集客を行いサイトでの利益向上を目指す、マーケティング全体のこと』を指します。マーケティング活動全体を指しているのですから、その範囲は広く、サイト構築や制作段階もSEMの範疇だと言えます。SEMの観点からサイトを構築することは、上位表示対策の実施のしやすさにも影響しますし、購買率にも変化が表れます。
SEMの観点からのサイト構築
SEMの観点からのサイト構築には、サイトデザインやユーザビリティ、ユーザーが訪問したページから目的のページへ誘導するための導線の最適化など様々な要素が考えられますが、これらの要素はアクセス対策という趣旨からは少々外れてしまうので、ここでは説明を割愛いたします。
今回は、検索エンジンからサイト内へ、より効果的に訪問者を誘導するという点に絞って、サイト構築の考え方についてご紹介します。同じキーワードで対策するにしても、対策ページの選び方次第で、上位表示の難易度も変わってきますし、誘導後の購買率にも差が出てきます。大まかに分けて、対策ページの選定方法は、下記の3種類があります。それでは順を追って、説明していきましょう。
①既存サイトの既存ページで対策 (低コスト:低効果)
②既存サイトの新規ページで対策 (中コスト:中効果)
③新規サイトのTopページで対策 (高コスト:高効果)
①既存サイトの既存ページで対策 (低コスト:低効果)
すでにサイトをお持ちの運営者の方は、既存サイトにSEOを施して、検索エンジンでの上位表示を目指すかと思います。対策キーワードが複数あれば、Topページだけでなく下層ページでの対策も必要になります。しかし、キーワード有効度調査を行い効果的なキーワードが明らかにしてみると、既存サイトのページ内容とは一致しないことが多々あります。
そのような場合、多くの方は【例1】のように、できるだけ対策キーワードの内容と関連性のあるページで対策を行おうとします。作業コストを抑えることはできるのですが、ページ内容が対策キーワードと一致していないと、どうしてもキーワードとページとの関連性がぼやけてしまい、対策が実施しにくくなってしまいます。またせっかく訪問者を獲得できたとしても、ページ内容とキーワードにズレがあれば、ユーザーに関心を持ってもらえず購買につなげることはできません。既存ページだけで対策を行おうとすると、どうしても限界が生じてしまいます。
②既存サイトの新規ページで対策
対策キーワードと対策ページの内容が一致しているほど、対策も行いやすくなりますし、訪問者にも強い関心を持ってもらえます。そのため【例2】のように、すでに存在している既存ページに対策キーワードを割り当てるよりも、対策キーワードに沿って、新規でページを制作したほうが、効果の高い対策をより効率的に行うことが出来ます。対策キーワードについて記載された用語説明ページなどは、容易に制作でき、高い効果を発揮できます。
③新規サイトのTopページで対策
対策キーワードの競合度によっては、下層ページでの上位表示は難しいが、Yahoo!登録されたTopページでなら、十分上位に表示される見込みのあるキーワードも存在します。既存サイトに下層ページを新規制作して対策しても上位表示の望みがないのならば、【例3】のように新規で対策キーワード専門のサイトを作り、Yahoo!登録されたTopページで対策を行う手法もあります。
サイト内容全体が、1つの対策キーワードに特化したのもであれば、訪問者の購買率も高くなりますし、またYahoo!登録されたサイトを複数保有することになりますので、相互にリンクを張ることで、SEOの強化にもつながります。もちろんその分、管理費用や更新作業の負担が増えることになりますが、それに見合うだけの価値のあるキーワードであれば、独立した新規サイトでの対策をお勧めします。
SEMの視点を持ってサイトでの利益向上を目指すのであれば、既存のサイトで対策をするのではなく、対策キーワードに沿ってサイトを構築し直す発想も必要になってきます。すでにサイトをお持ちの場合、サイトを構築し直すにはコストもかかるため、簡単には決断できないことです。確実に成果を発揮できるキーワードでなければ、実行できないでしょう。そのためにも既存サイトで『仮説・実施・検証』のサイクルを繰り返し、対策キーワードがもたらす成果を明らかにする必要があるのです。皆様のサイト運営の一助になれば幸いです。
著者プロフィール
名前 | 権 成俊(ごん なるとし、左) | info[アットマーク]gonweb.co.jp |
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