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「誰に」「何を」伝えたいのか(1)――読者を想定して紙に書き出そう

2007年10月12日 09時00分更新

朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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 みなさん、こんにちは。前回の「自社製品、ネットショップをマスコミにとり上げてもらう方法!―プレスリリースをつくってマスコミに配ろう」というPRを考えるシリーズに続き、今回からは、「売れるWebサイト」を作るための文章術やキャッチコピーの作り方、コンテンツ制作術を中心に、商品撮影のツボ、デザインの視点をも含めて編集の技術を解説する連載講座を開始します。
 PR戦略を考えると同時にWebサイトを検証することで、ネットビジネスの土台をパワーアップしましょう!

Webサイトづくりや、文章を作る際の第一歩は「誰に向かって書くのか」を考える

 当社は編集プロダクションとして出版物・広告物・Webサイト・ニュースリリースの制作などの業務と、関連事業として家庭教師の派遣会を行っていますが、創業20年近く経ってもいまだにいちばん多く耳にする声は、小学生から大人まで世代を問わず、
「文章をつくるのが苦手なんですよ~」「文章だけは上手くなれない」ということばです。
 そう、文章への悩みは切実です。そこで、文章術については、Webサイトのほか、広告物や宣伝、販売促進の印刷物、プレスリリース、企画書、プレゼンテーション資料などあらゆるビジネスシーンで使う文書からラブレターまで、さらには学生の作文や論文作成にも参考になるような講座を展開していこうと考えています。

 さっそく第1回のテーマですが、今、Webサイトをつくろうとして、また何かを書こうとして机の上でパソコンやノート、原稿用紙に向かって「書くことがわからない~」とウンウンうなっているあなた、いったい誰に何を伝えようとしていますか? そもそも、あなたのショップのホームページは誰に向かって発信しているのでしょうか。
 文章を書く際の、またWebサイトをつくる際の初めの第一歩は、「誰に向かって書くのかを考えること」です。それをまず、箇条書きにしてメモなどに書き出してみてください。

 はい、書けましたか? え、いきなり書けない? すぐに書けない人も多いでしょう。ではこれを機に、ゆっくりと考えてみましょう。
 ある特定の人にメールや手紙を書く際には誰しも、無意識に相手の顔を思い浮かべながら、相手に伝えるべきことを伝わりやすいように書こうとしています。その心理をそのまま、商用サイトの文章でも広告文でも、作文でもエッセイでも何にでも応用すればいいのです。

 でも、具体的にどう応用すればいいのかが難しい―というツッコミが聞こえてきそうですね。そう思った時点ではまだ、「誰に向かって書くのか」が見えていないのです。相手がWebサイトや広告物の読者となると、大勢になって顔が思い浮かばない、ぼんやりしてなんだかわからない、と思っていませんか。

あなたのサイトの読者を、具体的に想定しながらしぼりこむ

 先だって、とあるセミナーで講師をした際に、
「あなたのサイトは誰に向かって発信しているのですか」という質問をしたところ、
「買ってくれそうな全世界のみなさんです」と答えた人がいました。会場ではウケていましたが、
「買ってくれそうな全世界のみなさんはどこにいそうですか?」「日本です」
「日本のどこですか? 東京?大阪?それとも地方?」と質問を重ねていくと、
「日本の、地方の、オシャレに敏感で、東京のストリート系ファッションにあこがれて通販でファッション雑貨を購入したい18~25歳前後の女性」ということに行き着きました。
 読者をしぼり込むことができて、これでこの人は「誰に向かって書くのか」ということが明確になり、さらに「読者の顔が頭に浮かんできた!」と喜んでいました。

 読者がわからない時は、「うちのショップでは誰に何を売りたいのか」と自問自答し、具体的に読者の表情が浮かぶまでつきつめていく作業を繰り返してください。文章を書くにあたって、「買ってくれそうなお客さん全員に」などと漠然と考えていると、読者対象があやふやになって何を書いていいのかがわからなくなり、読者にとっては理解不可能な文章になってしまいます。その結果、自分が言いたいことだけを書き連ねてしまうという最悪のパターンに陥ります。

 先の例の人のように、あなたのショップのホームページを閲覧してあなたが書いた文章を読んでくれる読者を具体的に想像し、その特徴をしぼり込んでください。
 サイト全体の読者を想定したあと、商品ごとにも同様に読者の設定を進めていきましょう。

<例1 インテリアブランドの通販ショップ>
Webサイト全体の読者―「アスキーインテリア」を通販で入手したい20歳~50歳の女性
A商品の読者―30歳前後。シングル向き家具を揃えたい独身女性
B商品の読者―20歳代のアウトドア用デスクセットを探している年収800万円前後の夫婦

<例2 讃岐うどんの通販ショップ>
Webサイト全体の読者―讃岐うどんを通販で買おうとしている年代を問わない男女
A商品の読者―讃岐うどんセットを初めて通販して自分と家族で食べる20歳~60歳の男女
B商品の読者―当ショップのリピーターで、親しい人に讃岐うどんをギフトとして届けたい30歳~60歳の男女
C商品の読者―会社や学校、団体などで一度に30個以上を購入したい30歳~60歳の組織人

このように誰に向かって書くのかが見えれば、次に、その「読者を知る」ことへと進みます。――次回につづく。

付録★小学生でもわかる文章力アップ講座

問い 次の表現は、どちらが正しいでしょうか。

  1. 阪神タイガースが連敗を博する
  2. 阪神タイガースが連敗を喫する

解答2

解説

「喫する」は、悪い結果を伝える場合に使う。「惨敗を喫する」など。「博する」は、良いことの事例を述べる場合に使う。「喝采を博する」「この商品は、都会で暮らす20代の女性に好評を博しています」など。

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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