みなさん、こんにちは、朝日奈です。1年7ヶ月に渡って続いたこのシリーズも今回で終わりです。総まとめと行きましょう!
わたしの元に寄せられるWebサイトの作りかたに関するお悩みごとのベスト1は、「おカネがない」ということです。「予算がないので、制作の一部だけを外部のプロに依頼し、あとは自分で制作したい」――この声はかなり多くあります。
一部だけをプロにまかせることでよいWebサイトができるかどうか、今の不満だらけのサイトを打開できるかどうかは、ECショップ運営にあたっての大切なポイントです。
でも、ちょっと待ってください。本当に、問題は「おカネがない」ことなのでしょうか。
予算がふんだんにあれば、みなさんの編集に関する悩みは解決するでしょうか。
「おカネがあればまとめて外部の制作会社にまかせたいと思いますか?」と聞くと、案外そうではないという答えが返ってきます。
みなさん、「自分の手でいいものを作りたい」というのが本当のキモチなのです。でも、技術的にも、時間的にもなかなかそうはいきません。だから、プロのデザイナーや制作会社に依頼せざるを得なくなります。
制作会社にまかせて解決するのは、1番は時間です。2番目に技術面。3番目にWebサイトそのもののクオリティ。自営業、零細家業、小規模のECショップをがんばって運営しているオーナーたちのなかには、自社のWebサイトを自作したという人は多いでしょう。パワーにあふれて徹夜も平気、人任せにはできない、すたこらさっさと自分でする、アイデアもどんどん湧いてくる、という人ではないでしょうか。
そういうみなさんにお伝えしたいのは、これから、写真やデザインという一部だけ、あるいは一式を制作会社に委託するにしても、自分で舵をとる、編集は自分でするべきだということです。
ECショップにとって、Webサイトは店構えそのものです。実店舗でいう、外装、内装、キャッシャーなどのすべてを含む、店舗そのものです。実店舗なら、それらをオーナーが放っておくわけがありませんね。
Webサイトの質をアップさせるには、おカネよりも、これまで述べてきたような「編集の視点」「編集の技術」があるかどうかにかかっています。ベストセラー作家、著名な文学者の作品の影にも名編集者あり、なのです。
作り上げては検証する「編集の目」が成功のカギ
予算があって制作会社にポンとまかせたところで、自分がイメージを伝えきれていないと、結果的にいいものは出来上がりません。逆に、デザインだけをプロに依頼し、自分がずっとデザイナーに寄り添ってリーダーシップをとって編集した場合、納得のいくものに仕上がることは多いものです。
そのショップのことをいちばん知っていて、かつ不足な点も心得ていて、「こうありたい」「こう売って行きたい」という想いが強いのはオーナーです。小規模ショップの想いをカタチにするためには、オーナー自らが「編集する」ことがWebサイト制作にとって成功への近道なのです。
第38回から5回にわたってイラストレーター、カメラマン、Webデザイナーへの依頼のコツを順番にお伝えしました。どの場合も共通するのは、「相手がプロだからといって制作をまかせっきりにしたり依存したりせず、自分が描くイメージをきちんと紙に書いて渡すこと」です。
そして、制作過程にはしっかり立ち合います。制作の現場に伴走し、できあがったものを見直す。修正についてはできるだけ具体的に伝え、スタッフのモチベーションが下がらないよう、逆に上がるようにもっていくのがポイントです。
Webサイトの更新にあたっては、更新が楽しくなるような方法を考えておくことが重要です。更新作業を義務感で担当するのではなく、「お客さんに見ていただくことを喜びとする」パワーあるスタッフがいると、のちのちそのWebサイトは発展していくでしょう。適任者がいなければ、オーナーが自ら行うと覚悟を決めましょう。
スタッフの意欲が向上するようにリーダーシップをとる。制作過程でトラブルや問題があっても、乗り越えるチカラを持てるように舵をとる。これは経営と同じことです。
編集とはWebサイトを作る上でのマネージングであり、また、検証を繰り返すことです。時々刻々と作り上げては検証するしっかりした編集の目があることが、売れるWebサイトの成功のカギです。
ご愛読本当にありがとうございました! みなさんのショップのご繁栄を心よりお祈りしています。
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
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