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先行者利益よりも独自性、ベビー用品店の型破りな開業法 (2/3)

2009年05月28日 13時00分更新

文●三浦たまみ

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スピード勝負を捨ててでも、商品力に注力!

 検索エンジンの上位表示対策、検索連動型広告といったWebマーケティングの手法を駆使して集客をする。高い訴求力と使い勝手の良いWebページで一人でも多くに買ってもらう。そして満足してもらった上で施策をし、再度買ってもらう――。それがネットショップの基本的な一連の流れです。

 そうした流れをより効果的に行なって、最大限の成果を上げるための要――それは突き詰めるとやはり「商品力」ということになるでしょう。「商品力」と一言で言っても、実際にはどんなことなのか? 資金力のない小さなネットショップでも、それを高めることはできるのか?

 『Happy!hughug』の例は、そのことを分かりやすく物語っています。同店は全4種類の商品を販売していますが、そのすべてがオリジナル商品なのです。


既製品への不満がオリジナル開発に結び付く

 ネットショップに興味を抱き、何を売るべきか考えていた『Happy!hughug』の店主・藤原真希枝さんと、妹の宮下良子さん。宮下さんとスリングの出会いは、子育ての際、自身が使うために、オークションを利用して海外製品を入手したことに始まります。

 「抱っこしたまま両手を自由に使えるグッズがあることに感動しました。実は開業当時、スリングを日本で販売するお店はごくわずか。勝機はあると思いましたし、何より初めて売ってみたい! と強く思えたものでした」

 しかし、この後すぐにスリングの販売には手をつけませんでした。使い続けるうちに、細かな不満が出てきたからです。

 「リング式というスリングだったので、赤ちゃんを抱っこするたびにテールという個所を閉め直す必要がある、脱ぐときに髪の毛が絡まるなど、実際に使って初めて見えた不満がありました。ネットショップをやるからには100%自信を持っておすすめできるものを売りたい。それが、オリジナル商品開発につながりました」

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