知ったかは恥ずいゼ 2009
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【メモリ&HDD編】
2009年05月02日 22時00分更新
CPUも決まった。マザーボードも買った。ビデオカードも選んだ。とくれば、残るはメモリとHDD(ハードディスク)。ビデオカードやマザーボードに比べて“新製品”は少ないものの、やはり規格の移行やトレンドが存在するため、安易に選んだりすると「差せない」「認識しない」と言ったトラブルに遭遇することもある。
ここでは予備知識を基本に、今どきのメモリ&HDD事情を解説しよう。
メモリの主力は「DDR3」へ移行中
まずはメモリ。どんどん大容量化が進み、今やメーカー製PCですら4GB搭載していることも珍しくない昨今、“増設”する人は昔に比べてかなり減っている。それでも新規にPCを作る場合には、絶対に必要なパーツであることに変わりない。
現在主流となっているのは「DDR2 SDRAM」と「DDR3 SDRAM」の2つで、Athlon 64時代あるいは、Pentium 4時代の「DDR SDRAM」を使用できるマザーボードはかなり減っている。というか、そもそも最新マザーボードでは全くサポートされていない。
昨年の春の時点では、DDR3 SDRAMは高価だったため、普及はまだまだ先と思われていたが、2008年末にかけて一気に値下がりし、DDR2 SDRAMとの価格差はかなり縮まっている。
また、IntelのCore i7、AMDはSocket AM3と、マザーボードのトレンドも緩やかではあるが、DDR3 SDRAMへと移行を始めているため、今年あたりはDDR2 SDRAMとDDR3 SDRAMの販売量が逆転するかもしれない。
さて、メモリと言えば2つの表記方法がある。例えば「DDR3 1333」と「PC3-10600」は同じものを指しているのだが、実は微妙にニュアンスが異なる。「DDR3 1333」はメモリチップ自体の規格を、そして「PC3-10600」はメモリモジュールとしての規格を表している。その相関を表したのが下記の表だ。
チップの規格 | 動作クロック | ベースクロック | モジュールの規格 | 転送レート | 動作電圧 |
---|---|---|---|---|---|
DDR266 | 266MHz | 133MHz | PC2100 | 2.1GB/sec | 2.5/2.6V |
DDR333 | 333MHz | 166MHz | PC2700 | 2.7GB/sec | |
DDR400 | 400MHz | 200MHz | PC3200 | 3.2GB/sec | |
DDR2-533 | 533MHz | 133MHz | PC2-4200 | 4.2GB/sec | 1.8V |
DDR2-667 | 667MHz | 166MHz | PC2-5300 | 5.3GB/sec | |
DDR2-800 | 800MHz | 200MHz | PC2-6400 | 6.4GB/sec | |
DDR2-1066 | 1066MHz | 266MHz | PC2-8500 | 8.5GB/sec | |
DDR3-800 | 800MHz | 100MHz | PC3-6400 | 6.4GB/sec | 1.5V |
DDR3-1066 | 1066MHz | 133MHz | PC3-8500 | 8.5GB/sec | |
DDR3-1333 | 1333MHz | 166MHz | PC3-10600 | 10.6GB/sec | |
DDR3-1600 | 1600MHz | 200MHz | PC3-12800 | 12.8GB/sec | |
DDR3-1800 | 1800MHz | 225MHz | PC3-14400 | 14.4GB/sec | |
DDR3-2000 | 2000MHz | 250MHz | PC3-16000 | 16GB/sec | |
DDR3-2133 | 2133MHz | 266MHz | PC3-17066 | 17.06GB/sec |
表を見て分かるとおり、チップの横につく数字は動作クロックを表し、モジュールの規格につく数字はモジュール1枚あたりの転送レートを表している。ちなみにチップの動作クロックに8を掛けるとモジュールの規格になる、ということを覚えておくとPCパーツショップ店頭のメモリ価格表を見る際に役に立つはずだ。
ベースクロックというのは、基準にしているクロックで、DDR SDRAMの頃はベースクロックの2倍が動作クロックとなっていた。そしてDDR2 SDRAMでは4倍、DDR3 SDRAMは8倍になっている。そして多くの場合メモリのベースクロックは、CPU側のシステムバス(FSBなど)のクロックと連動するため、オーバークロックなどでFSBを上げるとメモリが追従できないといった状況が生まれるわけだ。ただし、大抵のマザーボードでは、メモリのベースクロックをシステムバスの1/nとすることで、任意にクロック倍率を調整することができる。
例えば、Core 2 Duo E8500のFSBは1333MHzだが、元となるベースクロックは333MHzとしている(なので、BIOSなどのFSBクロックの項目に“333MHz”と表示される)。このシステムでDDR3-1066を使うとすれば、333MHz÷2.5=133MHzとし、133MHz×DDR3(8倍)で約1066MHzとなるのである。
なお上に挙げた表は、今後規格化される予定のものを含めているが、現時点でモジュールとして正式に認証されているのは、DDR3-1333/PC3-10600までだ。これを超えるメモリは、メモリメーカーやマザーボードメーカー(またはチップセットメーカー)が独自に策定した、オーバークロックメモリとなっている。
(次ページへ続く)

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