知ったかは恥ずいゼ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【CPU編】
2009年04月29日 20時00分更新
Intel帝国に挑む、AMD CPU編
AMDは大きく分けて3つのラインナップとなっているが、Intelと違って、デスクトップ向けのハイエンド製品ラインナップが少ない点が異なっている。
(1)Phenom II X4/Phenom II X3(パフォーマンスデスクトップ)
(2)Phenom X4/Phenom X3(パフォーマンスデスクトップ)
(3)Athlon X2(エントリー)
Phenom IIは、Phenomのマイナーチェンジモデルとなるが、その性能はかなり向上しており、これから買うのであれば、Phenom IIを選ぶべきだろう。
またCPUごとの互換性だが、Phenom II以外はすべてSocket AM2+に対応している。そして、Phenom IIにはSocket AM2+専用となる940ピンのモデルと、Socket AM2+/AM3の両方に対応する938ピンのモデルが存在する。そのため購入時には、注意が必要だ。簡単に言ってしまえば、938ピンのモデルを購入すれば、マザーボードの互換性の問題を気にしなくても済む。ただし、新しいCPUを少し古いマザーボードで使う場合、BIOSのアップデートが必要になるほか、TDP130Wに対応しているかどうかを見定める必要もあるので注意したい。
というわけで、原稿執筆時点で一般的に現在入手可能なCPUをまとめると次のようになる。
Phenom II | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | X4 955 BlackEdition | X4 940 BlackEdition | X4 920 | X4 810 | X3 720 BlackEdtion |
CPUコア数 | 4 | 3 | |||
CPU パッケージ |
AM3 | AM2+ | AM3 | ||
Socket AM3対応 | ○ | × | × | ○ | ○ |
Socket AM2+対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
製造 プロセス |
45nm SOI | ||||
動作クロック | 3.2GHz | 3GHz | 2.8GHz | 2.6GHz | 2.8GHz |
HTクロック | 2000MHz | 1800MHz | 2000MHz | ||
L2キャッシュ | 512KB×4 | 512KB×3 | |||
L3キャッシュ | 6MB | 4MB | 6MB | ||
TDP | 125W | 95W | |||
価格 | 2万8000円 前後 |
2万3000円 前後 |
1万9000円 前後 |
1万8000円 前後 |
1万5000円 前後 |
Phenom | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | X4 9950 BlackEditon |
X4 9350e | X3 8450e | ||
CPUコア数 | 4 | 3 | |||
CPU パッケージ |
AM2+ | ||||
Socket AM3対応 | × | ||||
Socket AM2+対応 | ○ | ||||
製造プロセス | 65nm SOI | ||||
動作クロック | 2.6GHz | 2GHz | 2.1GHz | ||
HTクロック | 2000MHz | 1800MHz | |||
L2キャッシュ | 512KB×4 | 512KB×3 | |||
L3キャッシュ | 2MB | ||||
TDP | 125W | 65W | |||
価格 | 1万5000円前後 | 1万3000円前後 | 8000円前後 |
Athlon | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品名 | X2 7850 Black Edtion | X2 7750 Black Edtion | X2 6000+ | X2 5600+ | X2 5400+ Black Edition | X2 5050e | X2 4850e |
CPUコア数 | 2 | ||||||
CPU パッケージ |
AM2+ | AM2 | |||||
Socket AM3対応 | × | ||||||
Socket AM2+対応 | ○ | ||||||
製造 プロセス |
65nm SOI | ||||||
動作 クロック |
2.8GHz | 2.7GHz | 3.1GHz | 2.9GHz | 2.8GHz | 2.6GHz | 2.5GHz |
HTクロック | 1800MHz | 1000MHz | |||||
L2キャッシュ | 512KB×2 | 1MB×2 | 512KB×2 | ||||
L3キャッシュ | 2MB | - | |||||
TDP | 95W | 89W | 45W | ||||
価格 | 8000円 前後 |
7000円 前後 |
7500円 前後 |
7000円 前後 |
6300円 前後 |
6600円 前後 |
6300円 前後 |
Phenomは、すでに選択する理由を失っているため、選択するとなれば、Phenom IIか、Athlon X2シリーズから選ぶことになる。
何気に、Athlon X2と書いているが、これはAthlon 64 X2がリネームしたもの。つまり中身はAthlon 64シリーズなのだ。ただし、Athlon X2 7850 Black Edition(関連記事)と、Athlon X2 7750 Black Edition(関連記事)のコアはPhenomと同じアーキテクチャとなっているため、これだけは別格だ。またAMDのCPUで「Black Edition」と名前につくものは、倍率ロックが外されているため、オーバークロックが可能なモデルということを覚えておこう。
パフォーマンスで選ぶのであれば、発表されたばかりのPhenom II X4 955 Black Edition(関連記事)だろう。2万円以内で選ぶなら、Phenom II X4 920、そして1万円以下で選ぶならAthlon X2 7750 Black Editionがオススメだ。
さて、いまどきのCPU事情を追ってきたわけだが、自分に合うCPUが見つかっただろうか? PCを組む上で、CPUと密接な関係にあるのがマザーボードだ。次回はそのマザーボードについてレクチャーしよう。
※訂正とお詫び:記事初出時、Socket AM2+のピン数は939本とありましたが、正しくは940本になります。また、Core i7のソケットはLGA 1366となります。訂正してお詫びいたします。
この連載の記事
-
第5回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【電源&PCケース編】 -
第4回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【メモリ&HDD編】 -
第3回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【ビデオカード編】 -
第2回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【マザーボード編】 -
第-1回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009 - この連載の一覧へ