スピーカーに近づけるだけで、ものの1、2秒でケータイにURLを含む文字情報が送信される――。そんな技術“音響OFDM”を(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモが開発した。
スピーカーからの音でURLをキャッチ! | 技術概要。信号部分の音は、静かな環境であればかすかなノイズとして聞こえるという |
音響OFDMは、音によってURLやテキストなど、短いデータを送信する技術だ。テレビやラジオ、AV機器に搭載されているスピーカーから流れてくる音楽に、1秒あたり100文字程度の情報を埋め込む。ユーザーは、スピーカーの前に1~2秒ほど携帯電話端末をかざすことで情報を取得する。
テキスト情報は、音成分の高温域の音信号の波形をほぼそのまま置き換える形でOFDM変調してデータとして送る。BGMなどであれば違和感なく音楽が聞こえるが、静かな場所で聞けば、人間の耳には信号部分はかすかなノイズとして聞こえる。
コストが安く、操作が手軽であることから実用化は容易だが、肝心の端末の録音機能が追いつかない。現在、携帯電話の音声のサンプリング周波数は8kHzが主流。音響OFDMの開発に携わったNTTドコモ マルチメディア研究所 松岡保静氏は「技術的には、16kHz程度がほしい」と話す。