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IA-64もデュアルコアの時代に!――インテル、“デュアルコアItanium2”を発表

2006年07月19日 17時08分更新

文● 編集部 小西利明

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2002年のコード名公開いらい、実に4年を経て登場した“デュアルコアItanium2”(下)
2002年のコード名公開いらい、実に4年を経て登場した“デュアルコアItanium2”(下)

インテル(株)は19日、サーバー製品向けCPU“デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー”(以下デュアルコアItanium2)を発表、同日量産出荷を開始した。コード名“Montecito”(モンテシト)で呼ばれていたIA-64アーキテクチャーベースのCPUで、IA-64では初のデュアルコアCPUである。搭載製品はすでに日本電気(株)から発表されているほか、大手サーバー製品メーカー各社から登場する予定。

デュアルコアItanium2は2002年にコード名と発表されて以来、Itanium2シリーズのパフォーマンスを大幅に向上させるデュアルコアCPUとして期待されていたCPUである。名前が公表された当初は2004年に登場する予定であったが、開発の遅延やCPUパフォーマンス向上の方向性の変化(単純な性能向上から消費電力当たりの性能向上へ)を受けて登場が出遅れ、ようやく登場したものである。

デュアルコアItanium2 9050のダイ写真。上下対称にコアとキャッシュが配置されている デュアルコアItanium2の製造に用いる300mmウエハー。製造プロセスは90nm
デュアルコアItanium2 9050のダイ写真。上下対称にコアとキャッシュが配置されているデュアルコアItanium2の製造に用いる300mmウエハー。製造プロセスは90nm

ベースとなっているアーキテクチャーは、既存のItanium2シリーズと同じVLIW命令による64bit RISC CPU“IA-64”であるが、デュアルコアItanium2はCPUコアのデュアルコア化に加えて、エンタープライズサーバーでは必須と言ってもよいハードウェア仮想化機能“インテル バーチャライゼーション・テクノロジー”や、1物理CPUコアで2つのスレッドを同時実行させるハイパースレッディングテクノロジーなどの技術を取り入れている。そのため2CPUコアで最大4スレッドを並列実行可能となる。を従来のItanium2(3次キャッシュ9MB)と比較した場合、消費電力は最大20%低減しながら、最大で2倍の性能向上、消費電力当たりの性能では最大2.5倍の性能向上を実現しているという。

デュアルコア化やハイパースレッディング対応などにより並列性が高まり、TDPはPentium 4/Dの最上級より低いにも関わらず、20%の性能向上を実現したという 競合との性能比較では、特にエンタープライズサーバーで直接競合するSun UltraSPARCやIBM POWER 5リーズを搭載するサーバー製品との性能を比較。性能面での優位が強調された
デュアルコア化やハイパースレッディング対応などにより並列性が高まり、TDPはPentium 4/Dの最上級より低いにも関わらず、20%の性能向上を実現したという競合との性能比較では、特にエンタープライズサーバーで直接競合するSun UltraSPARCやIBM POWER 5シリーズを搭載するサーバー製品との性能を比較。性能面での優位が強調された

公表された主な仕様は以下のとおり。製造プロセスは90nm。ダイサイズは公開されていないが、トランジスター数は最大で約17億2000万個となっている。ちなみに先日発表されたIntel Core 2 Duoプロセッサーのトランジスター数は約2億9100万個であるから、実に6倍近い。キャッシュメモリーはCPUコアごとに搭載されており、最大容量の9050では、1CPUコアにつき12MBの3次キャッシュを搭載している。下記の容量は合計の容量である。

発表されたItanium2のプロセッサー仕様
名称 最大クロック 3次キャッシュ システムバス TDP
デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9050 1.60GHz 24MB 533MHz/400MHz 104W
デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9040 1.60GHz 18MB 533MHz/400MHz 104W
デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9030 1.60GHz 8MB 533MHz/400MHz 104W
デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9020 1.42GHz 12MB 533MHz/400MHz 104W
デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9015 1.40GHz 12MB 400MHz 104W
インテル Itanium 2 プロセッサー 9010(シングルコア) 1.60GHz 6MB 533MHz/400MHz 75W

そのほかの共通仕様

     
  • 2次キャッシュ容量 2.5MB(各コアごとにデータ1MB、命令256KB)
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  • ハードウェア仮想化技術“インテル バーチャライゼーション・テクノロジー”対応
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  • “ハイパースレッディング テクノロジー”対応(9030と9010は除く)
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  • “インテル キャッシュ・セーフ・テクノロジー”対応

ミッションクリティカル分野にも適応可能な信頼性を強調

デュアルコアItanium2のチップを手にする米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ氏
デュアルコアItanium2のチップを手にする米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ氏

同日に東京都内にて開かれた発表会では、米インテル社 デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ(Thomas M. Kilroy)氏により、デュアルコアItanium2の特徴と利点についての説明が行なわれた。

キルロイ氏のプレゼンテーション中で再三強調されたのは、デュアルコアItanium2がミッションクリティカル・コンピューティングに対して高い適性を有する点であった。搭載された技術面では、性能だけでなくミッションクリティカル分野に求められる高い信頼性に対する要求を満たす機能として、キャッシュメモリーの損傷を防ぎ、ハードウェアにエラーが生じた場合は自律的にキャッシュを無効化する“インテル キャッシュ・セーフ・テクノロジー”を挙げた。またハードウェア仮想化技術については活用例として、仮想マシン上で新旧2つのOSを実行することにより、古い環境からのスムーズな移行を実現するといった事例を取り上げた。

パフォーマンス比較も、ミッションクリティカル・エンタープライズシステムでの採用が多いSun UltraSPARCシリーズやIBM POWER 5シリーズ搭載機を比較対象としており、同分野での採用事例拡大を重視している点がうかがえる。

また2005年9月に発足した、Itanium2ソリューションの普及促進団体“Itanium Solutions Alliance”(ISA)の取り組みが拡大している点も強調された。15社からスタートしたISAは現在ではワールドワイドで70社以上が加盟。ソフトウェアベンダーの強力なサポートにより、8200以上の対応アプリケーションを世に送り出したという。特にキルロイ氏はマイクロソフト(株)の“SQL Server 2005”やオラクル(株)の“E-Business Suite”、SAPジャパン(株)のmySAPシリーズなど、導入企業の多い重要なアプリケーションが対応するなど、Itanium2ソリューションが確固たる基盤を構築していることを強調した。

Itanium2対応アプリケーションの増加を示すグラフ。キルロイ氏は数だけでなく、重要性の高いアプリケーションの対応が進んだことを重視した
Itanium2対応アプリケーションの増加を示すグラフ。キルロイ氏は数だけでなく、重要性の高いアプリケーションの対応が進んだことを重視した

キルロイ氏は、ISA加盟各社がItanium2ソリューションに対して、2010年までに合計100億ドル(約1兆1700億円)の投資を行なうと述べ、Itanium2の拡大に向けた努力は今後も大規模に継続されるとしている。

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