富士通(株)は19日、本日発表された『デュアルコア インテル Itanium 2』を搭載した基幹IAサーバー『PRIMEQUEST(プライムクエスト) 500』シリーズを8月31日から販売すると発表した。自社開発のチップセットを搭載し、CPUをシングルコアからデュアルコアに強化したが、従来モデルからの値上がりはなく、価格は据え置きとなる。
会場内に展示されていた『PRIMEQUEST 580』 |
発表したモデルは次のとおり。なお、価格は最小構成時のハードウェア価格となる。
- PRIMEQUEST 520
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搭載可能CPU数:最大8個
システムボード枚数:最大2枚(1枚につきCPU4個)
対応OSと提供開始時期:Red Hat Enterprise Linux AS v.4とSUSE Linux Enterprise Server 9、Windows Server 2003が8月31日、SUSE Linux Enterprise Server 10が9月30日
本体サイズ:12U
販売価格:520万円(税別) - PRIMEQUEST 540
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搭載可能CPU数:最大16個
システムボード枚数:最大4枚(1枚につきCPU4個)
対応OSと提供開始時期:Red Hat Enterprise Linux AS v.4とSUSE Linux Enterprise Server 9、Windows Server 2003が8月31日、SUSE Linux Enterprise Server 10が9月30日
本体サイズ:ペディスタル
販売価格:2180万円(税別) - PRIMEQUEST 580
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搭載可能CPU数:最大32個
システムボード枚数:最大8枚(1枚につきCPU4個)
対応OSと提供開始時期:Red Hat Enterprise Linux AS v.4とSUSE Linux Enterprise Server 9、Windows Server 2003が8月31日、SUSE Linux Enterprise Server 10が9月30日
本体サイズ:ペディスタル
販売価格:4180万円(税別)
CPUがシングルコアからデュアルコアに変更されただけでなく、CPU-メモリー間のバス帯域を400MHzから533MHzに拡張し、チップ間のシステムバス帯域も800MHzから1066MHzに拡張するなど、システム面の性能も強化が行なわれている。そのほか、“拡張パーティショニング機能”によりパーティショニング粒度が細分化。従来モデルでは、1パーティションは1システムボード、4CPU単位だったが、『PRIMEQUEST 500』シリーズでは、1パーティションに2CPUを配置でき、複数のシステムボードにまたがったパーティション作成も可能になった。
『PRIMEQUEST』に搭載されるデュアルコア Itanium 2プロセッサー(下) | 『PRIMEQUEST』のシステムボード |
そのほか、ミドルウェアやマイグレーションサービスへの対応も拡大。現在、基幹ミドルウェア(Linux)、運用管理ミドルウェア(Windows)、ミッションクリティカル・ミドルウェア(Linux)を提供しているが、8月にはデータの移行や変換を行なうマイグレーションスイート、第3四半期には、Windows対応の基幹ミドルウェア、メインフレームやオープンサーバーなどの既存資産と連携するSOA対応ミドルウェア(Linux)の提供開始を予定している。
発表会では、経営執行役 サーバシステム事情本部長の山中明(やまなかあきら)氏、サーバシステム事業本部 本部長代理の河部本章(かべもとあきら)氏が出席し、今後の事業展開、製品に関する説明を行なった。
経営執行役 サーバシステム事情本部長の山中明氏 | サーバシステム事業本部 本部長代理の河部本章氏 |
山中氏は『PRIMEQUEST』について、4月に“Linux TPC-C”ベンチマークテストにおいて最高性能を登録し、LinuxやWindowsで動作するサーバーマシンとしてベストクラスの性能を持つマシンとして説明。価格性能比では他社比最大2~3倍にもなる、と説明した。また、従来モデルでの導入実績を紹介し、全世界12ヵ国で、100台以上導入されていると説明。今回発表した新シリーズを含めて、「非常にチャレンジャブルな目標」としながらも、今後は3年間で2000台の導入を目標としている。
さらに「インテル社との企画・設計からマネージメント部分までの全面的な協業によりこのサーバーが実現できた」とコメントし、これからも協力していきたい、とインテル社との関係を強調した。その上で「自社で社会システムのインフラをささえるサーバーを作っているということを自負し、自分で物づくりすることを忘れずに追及していきたい」と語った。