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NEC、デュアルコアItanium2搭載サーバー“NX7700i”シリーズなどを発表

2006年07月18日 18時51分更新

文● 編集部 小西利明

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デュアルコアItanium2をいち早く採用したエンタープライズサーバー“NX7700i”(右)と、Xeon 5100シリーズを搭載するブレードサーバーシステム“SIGMABLADE”(左中段)
デュアルコアItanium2をいち早く採用したエンタープライズサーバー“NX7700i”(右)と、Xeon 5100シリーズを搭載するブレードサーバーシステム“SIGMABLADE”(左中段)

日本電気(株)(NEC)は18日、デュアルコアItanium2プロセッサーを最大32個搭載可能なエンタープライズサーバー“NX7700i”シリーズと、ブレードサーバーシステム“SIGMABLADE”(シグマブレード)を発表した。スケーラブルな拡張性と仮想化技術による運用性の向上、メインフレームレベルの堅牢性などを特徴としている。

同日、東京都内にて開催された製品発表会で同社執行役員社長の矢野薫氏らにより、同社のITプラットフォーム製品についての取り組みについて、説明が行なわれた。矢野氏は同社のビジョンを“REAL IT PLATFORM”にあるとし、“柔軟”“安心”“快適”の3つの要件が、次世代のITシステムに求められる要素であり、それを具現化する製品が、今回発表されたNX7700iとSIGMABLADEであるとした。

NX7700iシリーズ

ハイエンドからミッドレンジ向けのエンタープライズサーバーに位置づけられるNX7700iは、コード名“Montecito”(モンテシト)で呼ばれる“デュアルコアItanium2プロセッサー”を採用したサーバーシステムである。大型の独立筐体タイプと8Uラックタイプの2種類の筐体があり、搭載できる最大CPU数で3モデルに分かれている。

NX7700iのシステムボード。正式発表前のデュアルコアItanium2を2個搭載可能
NX7700iのシステムボード。正式発表前のデュアルコアItanium2を2個搭載可能
5080H-64
最大32CPU/64CPUコア搭載、最大メモリー容量 512GB、最大内蔵ディスク容量 9600GB(300GB×32)、独立筐体タイプ
5040H-32
最大16CPU/32CPUコア搭載、最大メモリー容量 256GB、最大内蔵ディスク容量 4800GB(300GB×16)、独立筐体タイプ
5020M-16
最大8CPU/16CPUコア搭載、最大メモリー容量 64GB、最大内蔵ディスク容量 2400GB(300GB×8)、8Uラックマウントタイプ

搭載CPUは、5080H-64/-32がデュアルコアItanium2-1.6GHz(3次キャッシュ総容量24MBまたは18MB)を2個。5020M-16はこれに加えて、デュアルコアItanium2-1.4GHz(3次キャッシュ総容量12MB)2個を選択できる。これらのCPUを、同社独自のチップセット“A3”(エーキューブ)チップセットで接続している。A3チップセットはCPUコアごとに用意されたキャッシュメモリーをクロスバー方式で相互に接続し、キャッシュ間の同期性能を改善する特徴を備えるほか、メモリーアクセスバンド幅が25.6GB/秒、I/Oシステムに接続するクロスバーバンド幅も25.6GB/秒など、パフォーマンスの増大したCPUに合わせて強化を行なっている。デュアルコアItanium2とA3チップセットにより、業務実行性能は同社従来機種と比べて最大2.2倍に向上しているという。対応OSはHP-UX 11i v2、Red Hat Enterprise Linux、Windows Server 2003など。

NX7700iシリーズのラインナップ。新しい5080H/Mシリーズは最上位に位置する NX7700iのチップセットであるA3チップセットの特徴。3次キャッシュの高速共有とバンド幅の広いメモリー・I/Oが特徴
NX7700iシリーズのラインナップ。新しい5080H/Mシリーズは最上位に位置するNX7700iのチップセットであるA3チップセットの特徴。3次キャッシュの高速共有とバンド幅の広いメモリー・I/Oが特徴

NX7700iシリーズは、“フローティングI/O”と称するI/O仮想化技術による、柔軟なリソース管理を特徴としている。これにより、障害が発生したセルボード(CPUやメモリーを搭載したシステムボード)を自動で切り離して予備セルボードに切り替えたり、高負荷状態のセルボードに予備セルボードを組み合わせてパフォーマンスを改善するといった処理を、自律的に行なわせることが可能となる。これらの処理は運用管理ソフト“SigmaSystemCenter”によって設定される。

価格は5080H-64が2920万円から(1プロセッサー/2GBメモリー/73GB HDD 以下最小構成は同じ)、5040H-32が1710万円から、5020M-16は620万円から。出荷開始時期はWindows Server 2003対応版が9月20日、HP-UX版は10月下旬、Red Hat Linux版は今年第3四半期の予定。

SIGMABLADE

SIGMABLADEシリーズのブレード収納ユニット『SIGMABLADE-M』(左上)『SIGMABLADE-H』(右上)と、CPUブレード『Express5800/120Bb-6』 フロントカバーを取り外したSIGMABLADE-H。最大で16台のCPUブレードを搭載可能
SIGMABLADEシリーズのブレード収納ユニット『SIGMABLADE-M』(左上)『SIGMABLADE-H』(右上)と、CPUブレード『Express5800/120Bb-6』フロントカバーを取り外したSIGMABLADE-H。最大で16台のCPUブレードを搭載可能

SIGMABLADEはブレードサーバーやネットワークだけでなく、ストレージも統合できる次世代ブレードシステムに位置づけられた製品である。2種類のブレード収納ユニットとデュアルコアXeon 5100シリーズをCPUに搭載するCPUブレードが発表されている。収納ユニットは高さが6Uサイズ(264.2mm)で8枚のブレードを収納可能な『SIGMABLADE-M』と、10Uサイズ(445mm)で16台のブレードを収納可能な『SIGMABLADE-H』がラインナップされている。

CPUブレードである『Express5800/120Bb-6』は、Xeonプロセッサーシリーズ最新のデュアルコアXeon 5160-3GHz、またはデュアルコアXeon 5110-1.60GHzを2個搭載する。メモリーは最大8GB(DDR2-533)、HDDは2.5インチタイプのSAS(シリアルアタッチドSCSI)HDD(容量146GB)を2台まで内蔵可能。

『Express5800/120Bb-6』の内部。中央のヒートシンク下にXeon 5100番台を2つ搭載。HDDは前面から取り外し可能
『Express5800/120Bb-6』の内部。中央のヒートシンク下にXeon 5100番台を2つ搭載。HDDは前面から取り外し可能

独自の“I/O仮想化機構”が特徴で、CPUブレードにI/O仮想化スイッチとI/O仮想化ブレードを接続。実際のI/OカードはI/O仮想化ブレードに接続される構成を取る。これらによるハードウェアの仮想化によって、用途に応じてCPUブレードとI/O装置の構成を変更可能なほか、1CPUブレードに6枚のI/Oカードを装着可能となっている。さらに複数の筐体同士でリソースを共有することも可能である。またCPUブレードに障害が発生した場合は、予備ブレードに切り替えて自動復旧(OSやアプリケーションの再インストールなど)を行なう自律復旧も実現している。対応するOSはWindows Server 2003とRed Hat Enterprise Linux。

SIGMABLADE用のCPUブレードロードマップ。今年後半にはインテル製クアッドコアCPU搭載のブレードや、デュアルコアItanium2搭載ブレードもリリースされる予定
SIGMABLADE用のCPUブレードロードマップ。今年後半にはインテル製クアッドコアCPU搭載のブレードや、デュアルコアItanium2搭載ブレードもリリースされる予定

価格はSIGMABLADE-Mが26万円(31日発売)、SIGMABLADE-Hが59万円、SIGMABLADE-Hに管理ミドルウェア“SigmaSystemCenter/Lite”を添付したモデルが87万円(9月15日発売)。CPUブレードはXeon 5110搭載モデルが30万円から、Xeon 5160搭載モデルが53万円から(いずれも1CPUの場合、発売は31日)。ブレード収納筐体とCPUブレード、I/O仮想化スイッチ・ブレードなどをセットにした“I/O仮想化機構”は380万円(発売は10月下旬)。

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