日本アイ・ビー・エム(株)は26日、他社比約3.2倍の性能を持つというハイエンドUNIXサーバー『IBM System p5 モデル 595』と、搭載可能CPUコアが32コアまでの『IBM System p5 モデル 590』、1UラックサイズのエントリーモデルUNIXサーバー『IBM System p5 モデル 505Q』の3機種を8月11日に出荷開始すると発表した。価格は『IBM System p5 モデル 595』が1億5905万5420円、『IBM System p5 モデル 590』が9296万280円、『IBM System p5 モデル 505Q』が107万4465円。全て最小構成時。対応するOSはAIX 5L V.5.3。
『IBM System p5 モデル 595』は、同社のUNIXサーバー“IBM System p5”シリーズのハイエンドモデルにあたり、UNIXベースのエンタープライズ向けサーバーとしては業界最速クラスの性能を持つ。CPUにデュアルコアの『IBM POWER 5+-2.3GHz』を採用し、最大32個、64コアまで搭載できる。しかし、クアッドコアの『IBM POWER5+』には対応しない。同社によると従来モデルで採用されていた『IBM POWER5』と比べ、性能が約20%アップしているという。
業界最速のハイエンドUNIXサーバー『IBM System p モデル 595』 | 搭載可能CPU数が32コアまでの『IBM System p モデル 590』 |
『Intel Itanium 2-1.6GHz』を搭載した『HP Integrity Superdome』(64CPU、64コア)とのTPC-C比較ベンチマークでは、『HP Integrity Superdome』の値が123万1433なのに比べ、『IBM System p5 モデル 595』の値は226%増しの401万6222であるとし、他社製UNIXサーバーに対して約3.2倍の性能を持つとしている。また、1処理あたりの価格比でも『HP Integrity Superdome』が4.82ドルなのに対し、『IBM System p モデル 595』では2.98ドルと優れているという。
『HP Integrity Superdome』との比較では、226%増しの約3.2倍の性能をマーク |
同時に発表された『IBM System p5 モデル 505Q』は、デュアルコアの『IBM POWER 5+-1.65GHz』2つと36MBのL3キャッシュ2個を1つに集積した“QCM(Quad Core Module)”を搭載し、1Uラックサイズながら、4つのCPUコアを搭載している。
1Uラックサイズでコア4個搭載のエントリーモデル『IBM System p5 モデル 505Q』 |
また、他社製品からの移行を狙ったビジネス形態についても発表した。主な内容は次のとおり。
- UNIX Migration Center of Competency(UMCoC)
- 他社UNIXサーバーからSystem pへの移行を支援する
- 他社UNIXサーバーからの移行促進割引
- 同社のリースを利用する際に最大1500万円を割り引きする
- Advanced Virtualization Service 無償トライアル
- 仮想化機能の設置や導入、設定サービスを最大40時間まで無償で提供する(9月30日まで)
- UNIX管理者向けAIX管理セミナー
- 他社UNIX管理者を対象とした、無償AIX管理セミナーの定期開催。月2回程度開催予定
発表会にはシステム製品事業 システムp事業部長 理事の武藤和博氏、システムp事業部 事業開発 マーケティング・マネージメントの細野輝人氏らが出席し、製品概要などについて説明を行なった。
システム製品事業 システムp事業部長 理事の武藤和博氏 |
武藤氏は、今回発表した“IBM System p”について「最新CPU『IBM POWER5+』を採用することで他社と比べて圧倒的なパフォーマンスを得ているとし、仮想化技術と併用して各種サーバーを1つに統合することでTCOが削減できる」と説明。その上で「他社製UNIXサーバーやメインフレームを使用している顧客からの移行を狙う」と説明した。