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NV-GS250/GZ-MG70/DCR-DVD403

NV-GS250/GZ-MG70/DCR-DVD403

2005年11月08日 00時00分更新

文● 伊藤 裕也

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3機種の個性(映像品質など)

映像品質

  気になる映像品質だが、GS250のイメージセンサは有効64万画素(映像撮影時)の1/6インチCCDとスペックとしてはそれほど高いものではない。だが、そのCCDを3枚搭載して色別に信号を取得(3CCD)、さらにはCCDを有効に活用できる光学式手ぶれ補正などの効果もあって、映像品質、特に色の鮮やかさには目を見張るものがある。ただ、陰になる(暗い)部分の表現などは潰れがちで苦手であるように思える。キメの細かさでは、DVD403・MG70も健闘している。ただ、MG70は最低被写体照度が22ルクスで、日陰や薄暗いところでの撮影は苦手である。


NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
撮影素子 1/6インチCCD×3 1/3.6インチCCD 1/3インチCCD
有効画素数 64万画素(映像撮影時) 123万画素(映像撮影時) 205万画素(映像撮影時)
開放F値 F1.6 F1.8~2.2 F1.8~2.9
焦点距離(35mm換算) 43.3~433mm 48.7~487mm 42.8~495mm(16:9)/45~450mm(4:3)
最低被写体照度 12ルクス(ナイトビュー時1ルクス) 22ルクス 11ルクス(ナイトショット時0ルクス)
評価 ★★★ ★★

  各モデルで撮影した作例を以下に掲載する。秋の行楽ということで、山梨県・勝沼の栽培農家“Vineyarad1040”にお邪魔させていただいた。作例は初心者がはじめて使用するという点を意識し、カムコーダーにすべておまかせのオート設定で撮影している。また、撮影条件は極力合わせているが、日光の加減などにより完全に同一ではないので、その点は考慮してほしい。

NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
【NV-GS250】【GZ-MG70】【DCR-DVD403】
空は明るく、ぶどうの棚の下は日陰で暗い、カムコーダーやカメラには厳しい映像。NV-GS250では空が完全に白く飛んでしまっているが、画面中央の葉やぶどうはしっかりと表現されている。DCR-DVD403も良好。一方、GZ-MG70は暗くなってしまった。GZ-MG70は薄暗い場所での撮影は不得意であるようだ。
NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
【NV-GS250】【GZ-MG70】【DCR-DVD403】
ぶどうまで約20cmほどのところから撮影。なお、GZ-MG70は20cmの場所からではフォーカスが合わなかったため、30cmほど離れた場所から撮影している。
NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
【NV-GS250】【GZ-MG70】【DCR-DVD403】
これは役得とぶどうを食している編集者。肌色の表現などを見ていただきたい。なお、撮影時には日が傾いており、撮影に厳しい状況であったことをフォローしておく。
NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
【NV-GS250】【GZ-MG70】【DCR-DVD403】
ズームのワイド端とテレ端(望遠端)のサンプルも参考までここに掲載する。ロケ地は東京・御茶ノ水で、こちらはテレ端。GZ-MG70とDCR-DVD403では建物の窓がある部分に紫色のノイズが発生しているのをおわかりいただけるだろうか。これは単版式のカムコーダーに特有のノイズである。
NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
【NV-GS250】【GZ-MG70】【DCR-DVD403】
こちらはワイド端。オートで撮影しているため曇り空に影響されて建物が暗くなっているが、GZ-MG70は健闘している。




記録メディア

  記録メディアは、NV-GS250がmini DVカセット、GZ-MG70は内蔵のHDD、DCR-DVD403は8cmのDVD-R/RW、DVD+RWと、それぞれまったく異なる。mini DVカセットは60分(LPモードで80分)までの映像を記録できるが、シーケンシャルアクセスするメディアなので映像を確認する際にはテープを巻き戻す必要があり、使いやすいメディアとは言えない。また、テープを巻き戻した際に誤って撮影ボタンを押す(記録した映像を消す)危険も高い。一方HDDとDVDはランダムアクセスが可能なメディアなので映像の確認は一瞬で実行でき、不必要なシーンも狙った部分だけをスマートに消去できる。ただ、GZ-MG70はHDDが交換ができないためそれを超える長時間の撮影には使用できず、DCR-DVD403はメディア1枚に記録できる時間が少ないため交換用のメディアを常に確保しておく必要がある。記録メディアは目的によって最適なものが異なるため一概にどれがベストとは言えないが、撮影時の使いやすさでいえばHDDとDVDが、記録できる時間ではHDDとmini DVカセットが秀でている。

GZ-MG70はHDDにデータを記録しているので、撮影した映像の確認・整理はカムコーダーから素早く実行可能だ。
DCR-DVD403における映像の確認・編集は、ポータブルビデオプレーヤーを扱うようなスタイルで行なえる。撮影した映像を再生するプレーヤーとしても使えるので、話のネタにも持ってこいだ。
NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
メディア mini DVカセット HDD(30GBドライブ:交換不可) DVD-R/-RW/+RW(8cmメディア)
記録時間(※1) 60分(SP)/80分(LP) 約7時間10分(ウルトラファイン)/約10時間40分(ファイン)/約14時間10分(ノーマル)/約37時間30分(エコノミー) 約20分(HQ)/約30分(SP)/約60分(LP)
評価(撮影時の扱いやすさ) ★★★ ★★★
評価(メディアに記録できる時間) ★★ ★★
※1 いずれも片面メディアの場合

撮影した映像の活用

  撮影した映像を活用しやすいのはメディアにDVDやHDDを採用するDCR-DVD403GZ-MG70。特にDCR-DVD403はDVDメディアにDVD-Video/DVD-VRで記録するので、撮影したメディアをそのまま家庭用のAV機器で再生できる。厳密にはDVD-Videoで記録した映像をAV機器で再生する場合にはファイナライズという処理が必要だが、これは数分ですむためそれほど気にすることもないだろう。DVD-VRで記録すればシーンの消去など簡単な編集もカムコーダーで実行できるだけに「パソコンでの編集作業は面倒」という方にはこれがベストだ。

  一方GZ-MG70はメディアが内蔵タイプのHDD、NV-GS250はカムコーダを持つ人以外は再生環境を持たないmini DVカセットで、撮影した映像を配布する場合には映像をビデオ信号でほかのAV機器に出力するか、パソコンにデータをコピーする必要がある。GZ-MG70にはUSBポートが付属しておりパソコンと接続するとポータブルHDDとして認識されるため、パソコンと接続するのがおすすめだ。記録した映像はMPEGフォーマットのファイルなので、付属のソフトウェアを用いることでDVD-Videoを素早く作成できるようになっている。

  その点NV-GS250はパソコンにデータをコピーする際に撮影した映像と同じ時間を必要とし、また、映像のフォーマットがDVなのでDVD-Videoを作成する際にはエンコード処理も必要になる。パソコンとの接続はIEEE 1394のほかUSBにも対応し、編集に対応するソフトも付属するが、ほかのモデルと比較して手間と時間がかかる。たとえば60分の映像をDVD化する場合には、まずmivi DVカセットからパソコンへのコピーだけで実に60分も待つことになってしまうのだ。miniDVカセット2本で120分だったらまるまる2時間である。しかもその時間は、DVD-Video作成のための準備でしかない。あらかじめコピーするシーンを選択することでコピー作業を自動化するバッチキャプチャや、DVカセット内のデータをすべて自動的にコピーする支援機能もあるのでパソコンの前に張りついて頑張ることはないが、DVD-Videoの作成にはある程度まとまった時間が必要なのは間違いのないところだ。また、このようにDVD-Videoの作成(データのコピー)にとにかく時間がかかるため、結局面倒になって、最終的には未編集のカセットが溜まって収集がつかなくなることもある。

NV-GS250 GZ-MG70 DCR-DVD403
3段階評価 ★★ ★★★

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