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マイクロソフト、『はがきスタジオ 2004』など家庭向け3製品を発表――年内発売予定の“チルト ホイール”搭載マウスも参考展示

2003年09月09日 23時57分更新

文● 編集部

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マイクロソフト(株)は9日、家庭向けソフトの新製品として、はがき/住所録&印刷ソフトの最新版『Micorosoft はがきスタジオ Version 2004』、写真加工&印刷ソフト『Microsoft デジカメスタジオ version 9』、マネー管理ソフト『Microsoft Money 2004』の3製品を発表した。併せて、同日付けで開催した記者発表会において、米国で8月に発表し、国内では年内に発売を予定している新メカニズム“チルト ホイール”を搭載したワイヤレスマウスとユーザー設定ホットキーを搭載したキーボードの概要を説明した。

五十嵐章氏
マイクロソフト(株)執行役員パーソナルシステム事業部事業部長の五十嵐章氏

記者発表会の冒頭、マイクロソフト執行役員パーソナルシステム事業部事業部長の五十嵐章氏は、今回発表した『はがきスタジオ Version 2004』に関して、意見を聞くために販売店を回った際に“気持ち悪いくらい”評判が良く、8月29日に発表した上位製品『Microsoft Digital Image Pro version 9』の先行販売においても従来の3倍から4倍の本数を仕入れた販売店もあることなどから、デジタルイメージング系ソフトに自信を深めているとしたほか、有限責任中間法人のカメラ映像機器工業会による平成15年度(2003年度)の国内デジタルカメラ出荷予測が、これまでの768万台から、前年比26.4%増の828万台に上方修正されたことに触れ、『Microsoft デジカメスタジオ version 9』と『Microsoft Digital Image Pro version 9』により、2桁成長が見込まれるデジタルイメージング系ソフトに力を入れることなどを説明した。

写真入りはがき作成機能を強化した『Micorosoft はがきスタジオ Version 2004』

『Micorosoft はがきスタジオ Version 2004』
『Micorosoft はがきスタジオ Version 2004』

『Micorosoft はがきスタジオ Version 2004』は、はがき作成と住所録管理、印刷を行なうソフト。同社では、パソコンのある世帯のうち“難しそう”“面倒だから”などの理由で、パソコンで年賀状を作らない世帯が全体の4分の1の360万世帯もあることや、作成される年賀状には写真入りが最も多いことなどから、“写真入り”“すばやく”“キレイに”をコンセプトに開発したという。プロのデザイナーか作成した“写真入りはがき専用のテンプレート”を300点収録したほか、書家の中本白洲氏が監修した“宛名バランス調整”機能が強化され、法人の宛て先や3名以上の連名、4文字以上の名前などをバランス良く配置できるようになった。複数の宛て先に対する文面/送付先/差出人情報の一括指定や、付属する『フォトレタッチソフト『Microsoft Picture It! Express version 9』を利用した複数画像の一括自動補正も行なえるようになっている。

操作性も従来版(はがきスタジオ 2003)から向上しており、はがき作成のガイド“はがきスタジオナビ”では各操作ステップの流れを常時表示するようにするとともに、機能一覧のアイコンを拡大したり、住所録をタブで切り替えたりできるようにしたほか、マウスのポインターをアイコンに重ねれば関連した機能を表示するようになった。また、住所録フォーマット“Contact XML”に対応したことで、他社ソフトからの乗り換えなども従来のCSVフォーマットを利用する場合より容易になっている。

“はがきスタジオナビ”の画面
“はがきスタジオナビ”の画面

対応OSは、Windows 98/Me/2000 Professional(SP3以上)/XPで、Internet Explorer 6(SP1以上が必要(IEのSP1は同梱される)。対応機種はクロック周波数が500MHz以上のPentium系CPUと128MB以上のメモリーを搭載したPC/AT互換機。

はがきスタジオ 2004 CD-ROM版 はがきスタジオ 2004 DVD-ROM版
はがきスタジオ 2004 CD-ROM版はがきスタジオ 2004 DVD-ROM版
はがきスタジオ 2004 乗り換えアップグレード版 はがきスタジオ 2004 デラックス版
はがきスタジオ 2004 乗り換えアップグレード版 はがきスタジオ 2004 デラックス版
製品パッケージ

製品ラインアップは、収録メディアがCD-ROM(4枚)の『はがきスタジオ 2004 CD-ROM版』、DVD-ROM(1枚)の『はがきスタジオ 2004 DVD-ROM版』、従来版や他社製品からのアップグレードパッケージ『はがきスタジオ 2004 乗り換えアップグレード版』、フォトレタッチ&印刷ソフト『Microsoft デジカメスタジオ version 9』を同梱した『はがきスタジオ 2004 デラックス版』の4種類を用意する。価格はCD-ROM版とDVD-ROM版が4800円で、乗り換えアップグレード版が3500円、デラックス版が6800円。乗り換えアップグレード版の対象製品は、同社製品が、はがきスタジオ 1.0~2003(デラックス版、ファミリーパッケージ版を含む)、Microsoft Family Package 97~2001、Microsoft ファミリーパッケージ 2002、Microsoft Works Suite 2000、Microsoft Works 2000/2001/7.0で、他社製品は、筆まめ、筆王、筆ぐるめ、宛名職人の製品版とプレインストール版(体験版などは除く)。アップグレードユーザー向けにはキャッシュバックも行なう。対象製品はアップグレードの対象となる同社製品とMicrosoft Picture It! 1.0~2001/Express/デジカメスタジオ 2002/2003など。発売は26日。

フォトレタッチ機能を強化した『Microsoft デジカメスタジオ version 9』

『Microsoft デジカメスタジオ version 9』は、デジタルカメラで撮影した画像の補正や加工、印刷を行なえるソフトで、従来製品(デジカメスタジオ 2003)と同様に初心者でも分かりやすいインターフェースを採用したのが特徴。同社では、デジタルカメラの国内出荷の伸びを受けて、デジタルイメージングソフトの市場も2桁成長すると見込んでいる。特に低価格帯製品の市場では、1万円前後の価格帯のフォトレタッチソフトと、5000円から6000円程度の価格帯の画像整理/編集/印刷などが行なえるデジタルカメラ活用ソフトに2分されるとしており、今回発表したデジカメスタジオ version 9は、後者に分類される製品。

メイン画面
『Microsoft デジカメスタジオ version 9』のメイン画面

デジカメスタジオ version 9では、フォトレタッチの機能が強化され、写真の構図を整える機能やツールが新しく搭載されている。構図を整える機能では、写真を縦横に3分割するガイドラインを利用してバランス良くトリミングできる“トリミング”と、水平/垂直にしたい基準線を指定すれば角度修正が行なえる“傾きの修正”が追加され、ツールでは、画像の一部分だけを任意の形状で範囲選択できる“選択ツール”(図形選択ツール/自由選択ツール/輪郭トレース/自動選択の4種類を用意)、画像のエッジを強調してシャープにする“アンシャープマスク”(3段階の自動補正に対応)、自然なぼかし効果をかける“ぼかし(ガウス)”が追加された。複数の写真のファイル形式やファイル名の一括変更、明るさ/コントラスト/色合いの補正などを一括して行なえるホームラボ機能も搭載する。従来製品と同じく、デザインテンプレートは600種類以上、クリップアートは11種類以上を収録している。

『Microsoft デジカメスタジオ version 9』の製品パッケージ『Microsoft デジカメスタジオ version 9』の製品パッケージ

対応OSはWindows 98/Me/2000 Professional(SP3以降)/XPで、Internet Explorer 6(SP1以上が必要(IEのSP1は同梱)。価格は5800円。19日に発売する。

『Microsoft Money 2004』

『Microsoft Money 2004』は、複数口座の管理や、日々の収支管理、ライフプランニングなどが行なえるマネー管理ソフト。記録したデータを、グラフ/集計表/ポートフォリオなどで分析したり、確定申告の集計に利用したりできる。従来製品(Money 2003)と比べて、同社が運営するインターネット金融情報サイト“MSN マネー”に掲載される金融ニュースのヘッドラインを表示できるようになったほか、航空会社のマイレージやクレジットカードのポイントを入力して管理できるようになったのが特徴。“Money 電子明細ダウンロードサービス”の対応金融機関も9日の時点で86に増えているという。

『Microsoft Money 2004』のホーム画面
『Microsoft Money 2004』のホーム画面

対応OSはWindows 98/Me/2000 Professional(SP2以降)/XPで、Internet Explorer 6(SP1以上が必要(IEのSP1は同梱)。金融機関が提供するオンラインサービスについては、金融機関と別途契約が必要となる。

製品は、パッケージ版の『Microsoft Money 2004 パッケージ版』、ダウンロード販売を行なう『Microsoft Money 2004 ダウンロード版』、従来製品からアップグレードするための『Microsoft Money 2004 ダウンロード版(バージョンアップグレード)』の3つの形態で販売する。ダウンロード版(バージョンアップグレード)は、新たに追加された販売形態で、対象ユーザー認証機能に対応したオンライン販売サイトだけで取り扱う。価格はオープン。推定小売り価格は、パッケージ版が1万1800円、ダウンロード版が1万800円、ダウンロード版(バージョンアップグレード)が6800円。バージョンアップグレードは、発売から12月31日まで実施するキャッシュバック(対象製品のユーザーに4000円をキャッシュバックする)に相当するぶんだけ価格が下げられている。10月10日に発売する。

『Microsoft Money 2004』の製品パッケージ『Microsoft Money 2004』の製品パッケージ

“チルト ホイール”搭載ワイヤレスマウスを紹介

家庭向けソフトに加え、米国で8月に発表され、国内では年内に発売する予定のマウスやキーボードの概要も紹介され、参考展示が行なわれた。米マイクロソフトでは、マウスやキーボードなどのハードウェア製品において、従来のベージュなど単色のラインアップでは40%のユーザーしか満足していないため、ワールドワイドでカラーモデルの展開を図ることにしたという。マウスでは、カラー展開に加え、皮革素材を採用したモデルを投入するほか、新機構の“チルト ホイール”を採用した製品を投入する。

本体上面 本体底面
本体上面本体底面
カラー展開モデルの1つ
“チルト ホイール”搭載ワイヤレスマウスマウス

“チルト ホイール”は、これまでのボタン機能を持つスクロールホイールに、左右に傾ける(チルトする)ことで左右スクロールが行なえる機能を追加したもので、帳票などサイズの大きい表計算ソフト(Excel)の表の左右スクロールがホイールで行なえるようになった。これに合わせて、ホイールボタンの機能もアプリケーション切り替えに変更されている。マウスによる表計算ソフトでのスクロールも、3行スクロールから1行スクロールに変わっている。また、ワイヤレスマウスでは、“ドーマントモード”など3段階のパワーマネージメントモードを切り替え、LEDの輝度をダイナミックに変更するなどして、消費電力の低減が図られており、1日に動かしている時間が3時間の場合、6ヵ月間の利用が可能になったという。電池寿命が延びたことから充電池ではなく乾電池を採用したとしており、乾電池2本で動作する(乾電池1本での動作も可能)。そのほか、電波状況が悪くなったような場合に、マウスを近づけるようにといったメッセージをWindowsの画面に表示するスマートレシーバ機能にも対応している。

『Wireless Optical Desktop Pro』
『Wireless Optical Desktop Pro』

キーボードでは、ユーザーが機能を設定できる“ユーザー設定ホットキー”が搭載された。キーの割り当ての設定には、ホットキーの1.5秒以上の長押しで表示されるメニューを利用でき、コントロールパネルを開くといった面倒な作業が不要になっている。マウスとキーボードの価格や発売時期などは未定で、後日発表するとしている。

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