フォトレタッチ&デジタルイメージ管理ソフト「Microsoft Digital Image Pro 9」のメイン画面。 |
マイクロソフトの「Microsoft Digital Image Pro」は、デジタルフォトをはじめとするデジタルイメージの加工・編集を得意とするフォトレタッチソフトだ。機能・性能的には同社の家庭向けグラフィックソフトの中で最上位に位置するソフトながら、趣味でデジタルカメラを扱う層を特に強く意識し、カンタンな操作でさまざまな処理が実行できるのが特徴だ。以前は「Microsoft PictureIt!」という名称で呼ばれていたため、その名でご存じの方も少なくはないだろう。
そのMicrosoft Digital Image Proに新バージョンが登場した。名称は「Microsoft Digital Image Pro 9」(以下DIP9)。従来バージョンであるMicrosoft Digital Image Pro 2003からの機能強化ポイントは多岐に及ぶが、特に注目したいポイントは「デジタルイメージ管理(フォトアルバム)ツールの搭載」「編集・フォトレタッチ機能の強化」「CD/DVD出力機能の追加」のズバリ3点。その3点を中心に見ていこう。
デジタルイメージをラクラク管理
画面1 デジタルイメージ管理ソフト「Digital Image Library 9」。エクスプローラライクで直感的に操作できる。 |
DIP9最大の目玉は、なんといっても新たに搭載されたデジタルイメージ管理(フォトアルバム)ソフト「Digital Image Library 9」(以下DIL9)だ(画面1)。DIL9はエクスプローラに似たユーザーインターフェイスのデジタルイメージ管理ソフトである。デジタルイメージに対して「タイトル」「キーワード」、ユーザーが適宜付けられる「お気に入り度」(画面2)という星印による5段階評価など、各種情報を付加した状態で管理できる。登録したデジタルイメージは、「フォルダ」「撮影日」「デジタルイメージのフレームサイズ」「キーワード」「お気に入り度」などを基準にグループ分けしての表示が可能だ。グループ分けの方法は、ワンクリックして表示されたリストから選ぶだけ。ユーザーインターフェイスがエクスプローラライクということもあり、使い勝手がいい。 DIL9ではこうしたキホンを押さえたうえで、「類似写真の検索」「一括変換」「CD/DVD出力」などの便利な機能を備えている。
画面2 デジタルイメージに対して星印による等級付けができる「お気に入り度」。この情報はグループ分けの基準としても使用可能だ。 |
最初に挙げた類似写真の検索は、DIP9に登録されているデジタルイメージの中から選択したデジタルイメージと似ているものを自動的に抽出する機能だ(画面3)。検索結果は「とても似ている」「少し似ている」といった具合にグループ分けした状態で表示できる。色の分布や輝度の濃淡などにより検索しているため、ある人物が写っている写真をすべて抽出といった使い方はできない。必ずしも期待どおりの結果を得られるワケではないが、撮影したフォトが以前撮影したフォトとかぶっていないか確認したり、保存しているデジタルイメージの重複を確認したりといったことには大変役立つ。
画面3 類似写真の検索。検索したいデジタルイメージを選択すると、類似したデジタルイメージを登録したファイルの中からピックアップする。 |
続く一括変換については、ファイル名を「共通のファイル名+連番」などに一括変更できるほか、ファイルフォーマットやフレームサイズの一括変換もサポートしている。撮影したデジタルフォトをWebページに公開するような状況で便利だ。
最後のCD/DVD出力は冒頭で触れた注目機能のひとつで、DIP9に登録されているデジタルイメージをDVDやCDなどの各種記録メディアに出力できるというもの。登録されたイメージをすべて一度に出力することはもちろん、保存履歴により、未保存のものを書き出す、保存スタンプの日付が変わったもののみを書き出す、新しい画像が指定容量を超えたら書き出す、といった設定も可能である。
デジタルイメージ管理ソフトというとオマケ的印象を持たれる方もいるかもしれないが、デジタルカメラとの連携を考えれば無視できない。Digital Image Library 9を新たに搭載した意味は大きい。