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ムーバSO505i/PEG-NX80V/DSC-U30

ムーバSO505i/PEG-NX80V/DSC-U30

2003年07月15日 12時56分更新

文● 行正 和義

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常に持ち歩いて撮影したい製品はこれだ!

 3機種をしばらく持ち歩いていろいろと使ってみた感触では、“画素数ではデジタルカメラと同等”と言ってもそれぞれジャンルが異なる製品だけあって、使い方そのものは大きく違ってくる。

デジタルカメラとしてはベストなDSC-U30
DSC-U30は純粋にデジタルカメラとして作られているだけあって画質/撮影時の操作性ともにベスト

 DSC-U30は純粋にデジタルカメラとして作られているだけあって画質/撮影時の操作性ともにベストといえる。ほかの機種がパンフォーカスなのに対して、唯一オートフォーカスを装備することにより細部の描写も良好なほか、取り出してから撮影するまでワンアクションという手軽さ、起動時間が約1秒というクイック感も非常によい。

 従来、片手でメールを打つのと同様の“やや無理のある撮影ポジション”が一般的だったカメラ付き携帯電話であるが、SO505iはデジタルカメラ的な操作性を基本デザインに取り入れることで、安定したホールド感や撮影操作が可能になり、カメラ付き携帯電話のターニングポイントとなりうる製品になっている。一方、本来PDAであるクリエPEG-NX80Vは、SO505iのようなカメラ的撮影スタイルを取れず、撮影するためレンズ部を回すといった“操作が煩雑”なきらいがあるのが残念なところではある。もちろん携帯電話やPDAを普段から持ち歩く人にとっては、撮影デバイスをもうひとつ余分に持つよりもそれぞれに内蔵された撮影機能を使いたいという気持ちもあるが、ポケットから取り出して気軽にスナップ撮影という点ではやはりDSC-U30にはかなわない。



PEG-NX80Vの大型液晶
SO505iやPEG-NX80V(写真)の大型液晶は非常に見応えがあり、撮影するだけがデジタルカメラの機能でないことを実感させてくれる。

 また、写真を撮るということは、撮ること自体の楽しみもあるが、撮った画像を何に使うかという点が重要になる。デジタルカメラの場合、撮影後すぐに画像を見ることができるのが銀塩カメラと比べた場合の大きなメリットだ。DSC-U30の1.0インチ液晶は、視認性が向上したといってもやはり画像の閲覧、とくに人に画像を見せるような使い方で物足りないのは確か。その点、SO505iやPEG-NX80Vの2.2インチという大型液晶は非常に見応えがあり、友人たちと一緒に閲覧したり携帯の待ち受け画面、あるいはクリエのようにフォトスタンドとして使うなど、撮影することだけがデジタルカメラの機能(楽しみ)ではないことを実感させてくれる。



SO505iで送信
1280×960ドットで撮影した写真も、“iショットSサイズ”にリサイズして送信可能

 さらに、画像を閲覧する際に撮った端末だけではなく通信を経由して送信/配布できるのもSO505iやPEG-NX80Vの魅力だ。SO505iでもPEG-NX80Vでも、撮った画像の一覧表示から送信するまでの操作が少なく、簡単に実行できるのはありがたい(PEG-NX80Vの場合は別途通信カードが必要だが)。この点ではSO505iが通信機能を一体化しているだけあって便利だ。ただし、SO505iで最も多用する画像送信方式が“iショット”(iモードの画像送信方式、解像度は288×352ドットもしくは120×120ドット)であろうことを考えると、メガピクセルCCDの実力が発揮しきれないのは残念。それに対して、メールに添付する形でPC相手に高解像度データを手早く送信できるPEG-NX80Vのほうが、“モバイル通信カメラ”としての有効性は高いと言える。

 モバイルユースの撮影機器という共通点はあるものの、デジタルカメラ/携帯電話/PDAと、それぞれの製品ごとに得手不得手がある。撮影するだけでなく、画像をどう閲覧するのか、はたまた送信するのか、送信相手は携帯電話なのかPCなのか、など用途はさまざま考えられる。撮影品質が最優先ならばデジタルカメラであるDSC-U30となるわけだが、通信手段や単体での閲覧性を考えればSO505iの手軽さ、PEG-NX80Vの自由度の高さも大きな魅力だろう。単にデジタルカメラ入門機/普及機としてこれらの端末を見るのではなく、それぞれの特徴を活かした使い方を想像しながら選んでほしい。



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