写真1 防水性能は霧吹きで水をかけたくらいではまったく支障ない。試しに水で洗ってみたがその後も問題なく動作している。ただし、濡れた状態でスロットなどを開けると中に水が浸入してしまい故障の原因となる。必ず、乾いてからメディアや電池の取り出しを行おう。 |
【絵で分かるキーワード】「xDピクチャーカード(えっくすでぃーぴくちゃーかーど)」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
夏だ! 水辺だ!「デジタルカメラ用純正水中ハウジング一挙レビュー」レビュー。 |
オリンパスのベストセラー銀塩カメラ「μ(ミュー)」シリーズに待望のデジタル版が登場した。μ-10 DIGITALの特徴は、JIS保護等級4級相当の「生活防水機能」に対応したこと。一般的なデジタルカメラでは故障してしまうような雨や雪の降っている状況、水辺やスキー場などでも安心して撮影が行える。水中撮影など本体を水没させて使うのは無理だが、砂などをかぶった際に軽く水で流す程度なら十分耐えられるだけの防水性能を持っているという。金属製ボディを採用したデジタルカメラとしては世界初の防水ボディだ。製品写真では伝わりにくいが、本体のサイズも意外に小さく、ポケットやカバンの隙間など収納するスペースに困らない。
カメラの動作は機敏。カタログには約2秒で起動できるとあるが、評価機の起動時間は約3秒。レンズバリアを開けてから最初のシャッターが押せるまでには約4秒ほどかかった。オリンパスのカメラは起動にややモタつく印象があったが、これで沈胴式3倍ズーム機の標準的なスピードに追いついた。シャッターのレスポンスもよく、半押しの状態から実際に写るまでの時間は約0.4秒と、タイムラグも非常に短い。ただし、AFの合焦が必要なので実際にシャッターを切るにはもう少し時間が必要になる。
写真2 背面には「十字キー」と「ズームレバー」「メニュー呼び出し」以外には「プレビュー」ボタンしかない。ボタンは小さくても適度なクリック感と隙間があり、操作はしやすい。レンズカバーが閉まっている状態で「QuickView」ボタンを押すと再生モードに入り、撮影時に「QuickView」ボタンを2回押すと「Preview」モードに切り替わる。オリンパスのデジカメ共通の使いやすい設計だ。 |
撮影機能は基本的にフルオートのみ。利用頻度の高いマクロ/ストロボ/セルフタイマーは十字キーに割り当てられ、素早くアクセスできるようになっている。ポートレート/夜景/記念撮影/風景/セルフポートレートの5つのシーン選択は十字キーの上のボタンを押し、液晶上に表示される“バーチャルダイアル”を回して設定する。マクロ/ストロボ/セルフタイマーの設定を変更するのに2回ボタンを押さなければならないのは不便に感じるが、これには誤動作を防ぐ意味もあるのだろう。
防水機能を持つデジタルカメラはこれまでゴムの外装をまとったゴツイ印象の機種が大半だったが、本機は防水機能を意識させないスタイリッシュな外観を持ち、しかも十分に小型だ。市場での実売価格は4万円弱になる見込みで、価格的にはカシオ計算機の「EXILIM」など流行の超小型200万画素機と競合する。本機はサイズこそさすがに負けるが機能的には完全に上回っており、画質を気にしつつ、小型で外見もいいデジカメが欲しいならばお勧めの1台だ。
写真3 記録メディアは「xD-ピクチャーカード」を採用。本体には16MBのカードが付属する。ACコネクタや、電池ケース、メディアスロットの蓋にはゴムのパッキンが内蔵され、水の浸入を防いでいる。 |
μ-10 DIGITALの主なスペック | |
製品名 | μ-10 DIGITAL |
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撮像素子 | 1/2.5インチ原色CCD(有効約320万画素) |
開放F値 | F3.1~F5.2 |
焦点距離 | 5.8~17.4mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm) |
ズーム | 光学3倍、デジタル最大4倍 |
出力サイズ | 最大2048×1536ドット |
ファイル形式 | JPEG(Exif2.2、PIM II対応) |
記録メディア | xD-ピクチャーカード |
液晶モニタ | 1.5型TFT(約13.4万画素) |
バッテリ | 標準150枚(リチウムイオン) |
サイズ(W×D×H) | 99×56×33.5mm |
重量 | 165g(本体のみ) |