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マザーボードのスペックを読む

マザーボードのスペックを読む

2003年03月09日 00時00分更新

文● 沢渡 円

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AGP 8xは2003年の標準スペックになる!

「AGP 3.0(AGP 8x)」解説(from 月刊アスキー)。画像をクリックすると当該記事に移動します。

 ビデオカード専用のスロットとして装備しないマザーボードのほうが珍しくなったAGPスロット。このAGPにおける最新かつ最速の動作モードがAGP 8xだ。VIA「Apollo KT400」をはじめ、「SiS648」「nForce2」などサードパーティ製チップセットがまず先に対応を進めている。一方、Intelは主力の「i845PE/GE」ではまだ未対応だが、ワークステーション用の「E7205」(開発コードネーム:Granite Bay)で対応した。AGP 4x対応が今のビデオカード/マザーボードの常識になっているように、2003年にはAGP 8xが当たり前になるだろう。

 では、AGP 8xになると何がすごくなるかというと、単純にデータ最大転送速度が大きくなるのだ。AGPはバス幅が32bitでベースクロックは66MHzで動作しているが、クロック1回あたり1度のデータ転送を行うAGP 1x(266MB/秒)からスタートし、その2倍速のAGP 2x、4倍速のAGP 4xと進化し、8度速のAGP 8xでは2.1GB/秒の帯域を持つにいたった。3Dゲームなどでは大量のテクスチャデータをメインメモリから転送する必要があるが、その際に有利になる。



今の効果は大きくないが
AGP 8xがあって損はない

WinFast A280LETD MyVIVO
新たにAGP 8xに対応したNvidia「GeForce4 Ti4200-8X」を搭載する「WinFast A280LETD MyVIVO」。元々はAGP 4xまで対応のビデオチップなので、AGP 8xの効果はさほど大きくない。

 AGP 8xに対応したビデオチップは、ATIのRADEON 9700などブランニューの製品以外に、Nvidiaの「GeForce4 Ti4200」や「GeForce4 MX440」にAGP 8x対応バージョンが存在する。ただ、現状のビデオチップとベンチマークプログラムでは、AGP 4xとAGP 8xでの差がハッキリ生じていない。AGP 8xの性能を生かすには、Nvidiaの次世代ビデオチップ「GeForce FX」(NV30)をはじめとする、より強力な3D性能を持つビデオチップが必要となりそうだ。その準備として、今からAGP 8x対応のマザーボードを購入しておくことは決して損ではない。



AGP 8x vs. AGP 4x
●わずかながらAGP 8xの効果が出た!

AGPの互換性に注意!

●AGP規格の詳細
サポート倍率動作電圧最大転送速度制定日時
AGP 1.01x、2x3.3V533MB/秒1996年8月
AGP 2.01x、2x、4x1.5V1GB/秒1998年5月
AGP 3.04x、8x0.8V2.1GB/秒2002年9月
 AGPというと4x、8xといった動作モードばかりが注目されるが、それとは別に、制定された順に1.0/2.0/3.0と3つのバージョンが存在する。1.0では1x/2x、2.0では1x~4x、3.0では4x/8xの動作モードをサポートするが、バージョン間での大きな違いが信号電圧。AGP 1.0では動作信号を3.3Vの電位差で伝えていたが、より小さい電位差のほうが高速時に安定して利用できるため、2.0では1.5V、3.0では0.8Vと低くなった。i845/i850といったIntel製チップセットではAGP 4xモードのビデオカードしか利用できないなどと言われるが、正確にはAGP 2.0、1.5V動作のみサポートしているため、AGP 1.0対応のビデオカードは利用できないのである。
【AGP 1.0/2.0対応スロット】 スロットに切れ込みがないのがAGP 1.0/2.0の両カードに対応したスロット。【AGP 2.0対応スロット】 こちらは、AGP 2.0以上にのみ対応したものだ。
●AGPスロットをよく見ると違いあり
 そこで、間違えた組み合わせで差さないよう、AGP 1.0と2.0では違う部分に切り込みが用意されている。ただ、AGP 3.0ではもう切り込みを入れる場所がないためか、AGP 2.0と同じ切り込みが用いられた。現在のAGP 3.0対応のビデオカード/マザーボードはほとんどが、AGP 2.0/3.0の両バージョンをサポートしているので大きな問題となっていないが、今後の動き次第で互換性の問題が出てくる可能性もある。
【AGP 1.0世代のAGPビデオカード】 1.0世代の製品。左に切れ込みがない。【AGP 2.0世代のAGPビデオカード】 こちらはごく最近のビデオカード。両側に切れ込みがあり、ほぼすべてのAGPスロットで差し込み可能。
●ビデオカードは基本的に広く対応

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