このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

マザーボードのスペックを読む

マザーボードのスペックを読む

2003年03月09日 00時00分更新

文● 沢渡 円

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

高速な外付け周辺機器の接続に必須
USB 2.0/IEEE1394

【SiS963】 USB 2.0機能を内蔵したSiS製South Bridge「SiS963」。チップセットへの内蔵で、安価にUSB 2.0が搭載可能になった。。【VT6307】 IEEE1394はまだ別チップを必要とするケースがほとんど(写真はVIAの「VT6307」)。それでもIEEE1394ならではのメリットも確実にある。
●USB 2.0はチップセット内蔵化が進んでいる

 周辺機器の接続に便利なUSB 2.0やIEEE1394。普及が遅れていたUSB 2.0も主要チップセットに内蔵され、OS側もXP+SP1で標準サポートされことで、一気に普及が進んでいる。一方、自作向けマザーではいまひとつ人気が低かったIEEE1394。IEEE1394は主要チップセットに機能が内蔵されておらず、別途チップ追加が必要でコストアップに繋がることがその原因だが、最近急に搭載例が増えている。

 どうして今でもIEEE1394の人気があるかといえば、IEEE1394にはUSB 2.0にはないメリットがあるためだ。それは、

  1. デジタル機器との接続
  2. 対応OSの幅広さ
  3. CPU負荷率の小ささ

だろう。(1)はDVカメラとの接続などでおなじみの部分、(2)はIEEE1394は98SE以降でOS標準のドライバが利用可能だ。

 (3)は案外知られていない部分かもしれない。チップセット内蔵タイプのUSB 2.0機能では、高速な外付けHDDを接続した場合で30MB/秒以上の高速転送が可能になるなど、後れを取っていた速度面でもIEEE1394に追いついてきた。しかし、この時のCPU負荷率は30%以上。一方、IEEE1394では数%程度。データのバックアップ時には問題がないが、ビデオ編集や動画圧縮をしながら、アクセスする場合は差は大きい。

 以上から、手軽さで勝るUSB 2.0の普及が進んでも、IEEE1394を完全に取って代わるとは考えにくく、確実にIEEE1394は存在し続けるだろう。

●USB 2.0のCPU負荷はかなり大きい!

IEEE1394 vs. USB 2.0
ベンチ環境
使用HDD:アイ・オー・データ機器 HDA-iU80(+1394-iCN2)

次世代HDD用インターフェイス
UltraATA/133/シリアルATA――未来はともかく今は必要ない!?

シリアルATAケーブル
【コンパクトになるケーブル&コネクタ】 ケーブルは細く、コネクタ部は小さくなった。なお、コネクタ1つにあたり機器1つの接続となる。

 HDDは大容量化とともに、高速化も常に進んでいる。インターフェイス側もUltraATAがUltraATA/66、UltraATA/100と進化し、133MB/秒の「UltraATA/133」まで達した。しかし、実際には各社ともUltraATA/133にあまり積極的ではない。対応HDDはMaxtorのみで、チップセット側は肝心のIntelが対応しないという状況。現在最速クラスのIDE HDDにおける最大内部転送速度が約700Mbps(約88MB/秒)程度とUltraATA/100に収まるので、あまり必要がないのである。

 また、シリアルATAが今後のHDD用インターフェイスとして本命視されているのも大きい。シリアルATAはその名のとおり、USBなどと同じシリアル伝送を行っているのが特徴。信号線の本数が大幅に少なくなり(80芯→7芯)、ケーブル長の制限も緩くなった(457mm→1000mm)。

 最近では、将来性を見込んで、シリアルATAのコネクタを用意するマザーボードも増えてきたが、対応ドライブはというと、まだ市場には登場していない。本格普及はIntel製チップセットが対応する2003年半ばくらいと予想され、すぐ今のHDDが買えなくなるとも思えない。将来性重視のユーザー以外、シリアルATA機能の有無にこだわる必要はない。



今やPCに必須の存在
LAN/Gigabit LAN――これから普及が進むか? Gigabit Ethernet

GbEチップ
【GbEチップも一般的に】 1000BASE-T対応のEthernetコントローラ(写真はBraodcom製)。もちろん、10BASE-T/100BASE-TX機器との接続も可能。

 家庭内LANでPC同士接続する場合はもちろん、ブロードバンド回線へのアクセスにも必要なEthernet機能。今やあらゆるPCに不可欠の存在とも言っていい。

 このEthernetのうち、もっとも普及している規格が100BASE-TX。この100BASE-TXのEthernetは十分枯れた技術と言えるが、非常に雑多なメーカーがEthernetカードやハブなどをリリースしていることもあり、相性問題が生じて、十分な速度が出ないケースも皆無ではない。そんなこともから、Ethernet機能を提供するチップそのものにこだわる製品も出てきた。中でも、Intel製チップはEthernet製品においても、評判が高い。

 最近では100BASE-Tのさらに10倍の速度を持つ、1000BASE-T対応のEthernet機能を装備するマザーが増えてきた。しかし、1000BASE-T対応ハブが高価(8ポートで3万円程度)なほか、1000BASE-Tの理論値はHDDの性能を大きく上回るもので、HDD同士のコピーでは実測で100BASE-Tの2倍程度しか向上しない。1000BASE-T対応のEthernet機能は一般に10BASE-T/100BASE-TXとの下位互換性があるのであって困るものでもないが、その性能を活用するのは現状では難しいだろう。



前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中