東6ホールにブースを構えるプロジーグループ(株)は16日、“WPC EXPO 2002”の同社ブースにおいて、同社が(株)オン・ザ・エッジの完全子会社になったいきさつと、今冬発売予定の新製品についての記者発表会を行なった。
プロジーグループの代表取締役社長(CEO)榎本 大輔氏 |
最初に壇上に立った、プロジーグループの代表取締役社長(CEO)榎本 大輔氏は、プロジーグループが販売するCDライティングソフト“neroシリーズ”の販売好調ぶりを伝えるとともに、2003年第1四半期にノンリニアビデオ編集ソフト『Movie X』、2003年第2四半期に「Shade対抗」と自ら評する3DCGソフト名称未定、さらに「現在中国において、『インターネットサムライ2(仮称)』を開発中」などを明らかにした。
オン・ザ・エッジとの提携(完全子会社化)については、同社のインターネットサービス、ウェブサービスとサポート体制、ベンチャーキャピタルの成功例などを挙げて、「自分たちが面白いと思えるソフト、すなわち売れるソフトをより多く手がけるため」と、その理由を語った。
制作本部部長 尾形 友秀氏 | 独AIST社のヤン・ワーグナー(Jan Weigner)氏 |
続いて、制作本部部長 尾形 友秀氏、ならびにオリジナル版の開発元の独AIST社のヤン・ワーグナー(Jan Weigner)氏によって、『Movie X』が詳しく紹介された。
それによると、Movie Xはノートパソコンでも軽快に使えることを目指して作られ、3Dトランジションや各種エフェクトをリアルタイムでプレビューできる高速なプリレンダリング機能をソフトウェアで実現していることが第1の特徴として挙げられる。なお、3Dアクセラレーター(ビデオ)カードを搭載したデスクトップパソコンの場合、3Dトランジションや立体的なタイトルの作成にOpenGL/Direct3Dも利用可能。また、先に録画開始/終了点を指定して、自動的にテープ上の指定範囲を取り込む“バッチキャプチャー”や、表示したい順番に素材を並べていく“ストーリーボード”(ストリーボードの前後入れ替えに応じて、タイムライン上の動画も自動的に並べ替えられる)を採用するなど、初心者にも直感的に、かつ使い勝手の向上も図っている。エフェクトは標準で200種類以上用意されるほか、既存の『Adobe Premiere』『After Effects』用のプラグインなども利用可能になるという。
『Movie X』の解説パネルより | エフェクトはあらかじめ200種類以上用意されるとのこと |
実際に会場で行なわれたデモ(ただし英語版)はノートパソコン(詳細スペックは不明)で行なわれたが、マウスでドラッグして子画面表示(“ピクチャーインピクチャー”)の移動や回転、エフェクトの追加を行なっても、ほとんどもたつくことなしにプレビュー表示に反映されていた。
Movie Xのデモの1シーン。炎が揺らめく動画の上に、唇のアップがピクチャーインピクチャーで表示され、さらに3Dテキストでタイトルが加えられている。右下がプレビューウィンドウだが、操作の反映にはほとんどもたつきがなかった |
Movie Xの価格は現時点で未定だが、冊子のマニュアルが付いた“フルパッケージ”と、オンラインヘルプのみの“簡易パッケージ”の2種類が用意される予定。動作環境は、Pentium III-500MHz以上(1GHz以上を推奨)、メモリー256MB以上(512MB以上を推奨)、対応OSはWindows Me/2000/XP、HDDはインストール時に400MB以上(別途キャプチャーや編集用に空き容量が必要)、などとなっている。