初の32bit“RIMM4200”対応マザー「P4T533」発売！ただしメモリは同梱せず

2002年07月10日 22時21分更新

文● 小磯

　1枚でFSB 133MHz(Quad Pumped 533MHz)版Pentium 4と同じ4.2GB/秒というメモリ帯域幅を実現する“RIMM4200”こと、232ピンの32bit RIMM版PC1066 RDRAM。それをサポートする製品として注目を集めるASUSTeK製“i850E”チップセット搭載マザーボード「P4T533」(型番：P4T533/R)がついに店頭へ並んだ。32bit RIMMスロットを持つマザーボードが販売されるのは今回がはじめてとなる。実売価格は2万6800円～2万7800円。ただし、当初代理店から発表されていたものと異なり、32bit RIMMを同梱しないままの販売開始。現在のところ32bit RIMMは“RIMM3200”PC800 RDRAMしか流通しておらず、システムバス533MHz版Pentium 4では正常に動作せられないままでの“見切り発車”となった。

バンドル版は来週登場予定
気になる32bit RIMM版PC1066 RDRAMも意外と早めに登場か？


パッケージ。(当たり前だが)メモリ同梱うんぬんについてはいっさい記載されていない

　つまり現在のところ、パフォーマンスを引き出せるとは到底言えない状態になるわけだが、ASUSTeK代理店によれば、256MBの32bit RIMM版PC1066 RDRAMをバンドルするモデルは早ければ来週にも登場予定とのこと。またASUSTeKに近い情報筋によると、ASUSTeKがP4T533のために押さえたPC1066 RDRAM 256MBモジュールのほとんどは日本市場に流れてくる予定になっているようで、バンドル版とは別に、単品販売が行われる可能性が高いという。現在、RDRAMモジュールの価格が全体的に上昇しているため、果たして店頭売価がどの程度になるのかはまったくわからないが、早ければ7月中にも店頭へ並ぶことになりそうだ。

　ここでアキバ初登場となった32bit RIMM版PC1066 RDRAM対応マザーボードを見てみると、まず目を引く2本の32bit RIMMスロットのうち1本にはまとまった数の抵抗やコンデンサが積まれたCRIMMを搭載。ほとんど板だけと言ってよく、非常にシンプルな仕様だった16bit RIMMスロット用CRIMMとは一線を画すレイアウトが印象的だ。
　拡張スロットはAGP Pro×1、PCI×6。オンボードではCMedia製のサウンドチップとPromise製のUltra ATA/133対応IDE RAIDコントローラ、そしてNEC製のUSB2.0コントローラを搭載している。USB2.0コントローラを搭載するのは、P4T533のICHが“ICH2”となっているため。バックパネル部に用意する4つのUSB端子は2つがUSB1.1、残る2つがUSB2.0対応になっている。


RIMMスロットとCRIMM。片側に抵抗とコンデンサが積まれ、16bit RIMMスロット用のそれとは違った印象だ。もう片側は16bitスロット用と同じくすっきりしている


ICH2とUSB2.0コントローラ、4つのUSB端子を持つ外部インターフェイス。同梱のブラケットは同軸デジタル入出力のみで、USBは標準だとこの4つがすべて

　FSBは100～200MHzの範囲を1MHz刻みで設定可能。VCoreはNorthwoodコア版Pentium 4の場合に1.500V～1.800Vの範囲を0.025V刻みで設定できる。またAGPクロックは67(66.66)～105MHzの範囲を15段階、メモリ設定はFSBに対して3／4倍から選択可能だ。


電源端子はATX12VのほかEZ-Plugも用意する

　その仕様と将来性からするとニッチに止まるのは間違いなく、また10日の段階ではシステムバス533MHz版Pentium 4で動作させようがないなど、マイナス面を抱える製品であるのも疑いようがない。だが、システムバス533MHz版Pentium 4のパフォーマンスを最大限引き出せる選択肢のひとつであるのも確かだ。とにかく性能重視なのであれば、とりあえず購入して、メモリの単品販売を待ってみるのも悪い選択肢ではないかもしれない。