“組み立て式”というコンセプトがユニークなアクリルケースの展示がOVERTOPで始まった。同店では予価1万9800円としており、7月上旬から中旬入荷予定として週末から予約を開始予定だ。
このミドルタワーATXに付けられた製品名は「OAKS」。すべてユーザー自身の手で組み立てる仕様となっているのが最大の特徴だ。ケースを構成するアクリルはすべて“板”。フロントパネルとドライブ固定用部には8mm、そのほかは5mmであるという厚みや、用いる部位によってサイズが異なるだけで、ミドルタワーATXケースとは思えないほどパッケージが小さくなっているのも目を引く。指紋が付くのを防ぐ付属の手袋をはめ、同じく付属のスクリューを用いて220(W)×470(D)×430(H)というサイズに組み上げれば、バリやズレもない“ちゃんとした”アクリルPCケースになってくれるのも見逃せない。
ちなみに色はクリア/ブルー/ブラウン。ブルーとブラウンのモデルではフロントパネルのドライブ部と天板、マザーボードを取り付ける側(向かって右側)が染められており、内部にネオン管などを取り付けた際に映えるよう配慮されている。本来なら赤もあるとのことだが、これは日本国内での販売予定がいまのところなく、やや残念だ。
スクリューで固定するだけという仕様を感じさせない完成度をもたらしているのは、鋭角な削りと丸みを帯びた磨きのバランスの良さだ |
側面と背面。バックパネルはマザーボード付属のものに換装可能だ。右はパッケージで、とてもATXケースのそれとは思えない小ささ |
大きな穴となっているファン取り付けスペースと、穴の空いていない拡張カード取り付けスペース |
ドライブは5インチ×4、3.5インチ×2、5インチシャドウ×5。付属の特殊なスペーサを用いることで5インチシャドウベイはすべて3.5インチシャドウベイとしても利用可能。一方で気になる点がないわけではなく、ケースファン用には前面に1つ、側面に2つ、背面に1つ、そして天板に1つ8cm角の穴が開けられており、利用しない場合にはなんらかの手段で穴を塞ぐ必要があるだろう。利用していないドライブを塞ぐ蓋は両サイドに取り付けられたゴムナットで留められているだけで、指で押すと簡単に外れてしまうのため、なんらかの対処が必要となる可能性がある。またアクリルケースの宿命ではあるのだが、電磁波対策は皆無で「電磁波の規制レベルが高いアメリカでは発売中止になった」(OVERTOP)ほどである点も心しておいた方がいいのは間違いない。
ゴムを巻いたナットで留められているドライブベイの蓋 |
できあがりをイメージする必要があることを考えると、どうしても中級者以上用の製品となりそう。だが、そのできあがりの完成度が従来のアクリルケースと比べて遜色ないどころか、折り曲げた部分がないためより透明感が高まっているのは大きな魅力と言えるだろう。もちろん、PCケースとして購入後の持ち帰りが極めて楽なのも付け加える必要がありそうだ。
一方で、1枚板を組み合わせたスチールケースやアルミケースというのもアリだろう。特にアルミケースならかなり軽くできるハズで、第2弾第3弾の登場にも期待したい。ひょっとしたら、光りモノブームの次は“組み立て”が熱くなるかも?!