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ATX電源が青く光った!

2002年05月28日 20時44分更新

文● 小磯

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光る電源

 このところ立て続けに登場し、話題を集めている“光る”製品群。その最新作として、今度は青色LEDを3つ内蔵し、電源オン時に光り続けるATX電源がアキバに登場した。先にPCケース内部用蛍光灯を投入したグロウアップ・ジャパン扱いの製品で、CUSTOMが入荷したもの。同店は水曜日が定休日のため、30日(木曜)から販売を開始するとしている。



パッケージ
パッケージはどことなくヨーロピアンテイスト。パッケージには“TrueBlue”というシールが貼られているが、これだけでLED搭載を判断するのは難しい

 「AT-480WB」(型番:TRUE480)と名付けられた最大出力480W電源は、米Antecという耳慣れない企業の製品。“Made in China”であり、純然たるアメリカ製品ではないのだが、電源ユニットイコール台湾ブランド製というのが半ば常識化しているなかで、新鮮だとは言えるだろう。3つ内蔵する高輝度の青色LEDは排気ファンと吸気ファン、空気孔のそれぞれを照らすように配されており、PCの側板などを完全に閉めた状態でも、PC使用中にケース背面部が青く光るのを確認できるようになっている。


半透明のフィンを採用した吸気ファンと排気ファンを照らすLED、そして空気孔を照らすLEDの3つが搭載されている。空気孔を照らすLEDについては左と中央の写真参照
吸気ファン部 排気ファン部 空気孔
TRUE480
青く光らなくても注目すべき機能は少なくない
Antec Low Noise Technology
“Antec Low Noise Technology”ロゴ
FAN ONLY
ファン専用電源コネクタ

 と、ここまでならただの“光る電源”なのだが、AT-480WBはそれだけに止まらない。最大の特徴はAntecが“Antec Low Noise Technology”と呼ぶ機能で、これは電源ユニット内蔵のファンだけでなく、ケースファンも電源の負荷(=温度)と連動させて回転数を制御しようというもの。本体には“FAN ONLY”と記された電源コネクタがふたつ用意され、ここに取り付けられたファンはシステムの低負荷時には低速で回転し、高負荷になると回転数が上がるようになっている。これにより電源ユニットだけでなく、システム全体の静音化が可能になるというわけ。

 実際にどの程度低速になるのかなど詳細はいっさいが不明だが、Antecのウェブサイトにある資料を見る限りでは、一部静音電源の“一定の負荷を超えるとフル回転”というものとは違い、負荷に応じてリニアに回転数が変わる仕様であるもよう。負荷ゼロの状態で試してみると、ふつうに縦置きした場合その風量で“自走”してしまう6800rpmモデルの6cm角ファンは自走しなくなり、騒音も劇的に低下。1000rpmのファンは風量が限りなくゼロに近くなり、フィンの動きを肉眼で追えるほどになったほか、一部の低回転ファンの中にはまったく回転しないものも確認できた。半分かそれ以下くらいまで回転数が落とされているような印象も受ける。回転数の落とされるファン側にかかる負荷と、それに伴う製品寿命の変化も気になるところではあるが、ケースファンの回転数まで電源ユニット側で管理してくれるというのは、PCの静音化を突き詰めたい人なら見逃せないだろう。



接続イメージ 超低回転 回転しないファン
接続イメージ。接続さえすれば、あとは電源側のセンサによって制御される1000rpm台の静音ファンを取り付けると、肉眼でもフィンを確認できるようになった電流量の極端に少ないファンの中には負荷ゼロで回転しないものも。おおよそ0.1A以下だと回転しないようだ
出力一覧

 このほか出力の+3.3Vと+5Vが完全に分けられているのもユニークなところ。サーバ/ワークステーション電源では別段珍しくもないが、+3.3Vと+5Vの出力をセパレートして、それぞれに負荷がかかったときの安定性を確保しているコンシューマ用途の電源ユニットというのはかなりレアだ。なお最大出力は+3.3Vが30A(99W)、+5Vが38A(190W)。+12Vは22Aと比較的高出力。カタログ上+3.3V、+5V、+12Vの合計出力は最大460Wとなっている。



インターフェイス
インターフェイス。ATX12V/AUXも用意される。なおCUSTOMでは木曜日から動作デモ展示も行う予定とのこと

 もはや光ることがオマケ程度に見えるほどのスペックで、Antecも“TruePower”シリーズとして、青色LEDよりも電源としての機能を前面に出してきているほど。実際にスペックどおりのパフォーマンスを発揮するのであれば、数多くのブランドが群雄割拠する静音電源ユニットの勢力争いに十分加わってきそうだ。価格は1万7800円と、480W電源としては安価なこともあり、静音電源を求める人や、安定感重視で電源を探している人、さらにはコストパフォーマンスに優れた大容量電源が欲しい人、どれからも注目を集めるのは間違いない。初回からそれなりの数が用意できているとのことで、“人柱”たちの評価次第では一気にブレイクする可能性もあるだろう。



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