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【オーバークロック研究室】PowerLeap製PL-iP3/Tを使ってTualatinコア版CPUを動作させてみる(前編)

2002年01月15日 22時57分更新

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Abit「BH6」+「PL-iP3/T」でPentiumIII-S-1.13GHzをドライブするとPentiumIII-1100MHzと認識した。だがセカンドキャッシュは確かに512KBと表示されている

 ハードの準備が整ったところで電源を投入。BIOS SETUPにてFSB設定クロックを133MHzにセットして再起動すると、BIOS Configuration画面ではPentiumIII-1100MHzと表示されセカンドキャッシュは512KBを認識している。OSのインストール作業においてもスムーズでこれと言ったトラブルもなく順調に完了した(試しにWindows XPをもインストールしてみたがこちらも難なく導入できた)。次にドライバーやモニタツールそしてベンチマークテストのインストールも整えてWCPUIDを動作させてみると、PentiumIII-Sが1.13GHzで動作している旨の情報が得られた。もしかすると異なるタイプのCPUが表示されるのではないか?と言うような心配は無用ですこぶる順調だ。



WCPUID(H.Oda!氏作)では確実にPentiumIII-S 1.13GHzを捉えている

 気になるベンチマークテストだがパソコンの計算速度の指標とも言うべきテストとして代表的なSuperπ(104万桁を計算させた)とグラフィックの描画速度としては3D Mark 2001をそれぞれ実行させてみた。結果的にSuperπでは107秒で計算を完了し3D Mark 2001のスコアーは4429ポイントを叩き出した。これを過去のテスト(Tualatin対応マザーボードを使った同じCPUで同一クロック)で得たベンチマーク結果と比較してみると、驚いたことに明かな速度差を示している。テスト環境が少々異なるものの3D Mark 2001のスコアーは1.33GHz動作(157MHz×8.5)のTualatin対応マザーボードを使ったシステムを凌ぐ勢いだ。



133MHz×8.5 1.13GHzベンチマークテスト比較

Superπ
3D mark 2001

 これだけのパフォーマンスが得られるのであれば、あえてマザーボードを新調しなくても十分使えるのではないだろうか?この調子でPentiumIII-Sをオーバークロックすればさらにパフォーマンスアップが望めるとばかりにFSB設定クロックを142MHzへセットし1.2GHz動作を試みた。ところが世の中そんなに甘くはない。ログイン直後からどうも動作が不安定でSuperπの計算途中でエラーとなってしまう。これまでの実動実績から考えると、このFSB設定クロックについてこられないCPUやメモリではないハズだ。無論、BH6においても久々の登板とは言えこのクロックで腰が砕けるほど鈍っているとも思えないがこの足かせとなっている原因を調査するとやはりPL-iP3/Tにあった。

 説明するまでもなくPL-iP3/TにはTualatinコアに対応した電圧を供給する電源回路が搭載されているのだが、実装したPentiumIII-Sの要求電圧1.450Vに対してその電源回路が出力している電圧は1.312Vとかなり低い。これではオーバークロック動作を望むとなるとさすがに厳しい条件である。ただ、PL-iP3/Tで標準動作をさせるのであれば、前述の通り安定した動きを見せるだけでなくTualatin対応マザーボードと互角いやそれ以上のスピードを誇るシステムが構築できるアイテムであった。加えてコストの面においてもマザーボードを新調する予算より負担が軽いことから、同じ予算ならワンクラス上のCPUを狙える可能性さえでてくるだろう。

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