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これが基幹系とシームレスなCRMの威力だ!! ――SAP、“SAPPHIRE”で『mySAP CRM』をライブデモ

2001年07月09日 17時29分更新

文● 編集部 中西祥智

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SAPジャパン(株)は5日、Eビジネスカンファレンス“SAPPHIRE”において、同社のCRM『mySAP CRM』のライブデモンストレーションを行なった。

『mySAP CRM』ライブデモンストレーション
『mySAP CRM』ライブデモンストレーション。3人の社員がそれぞれの役割を演じた。SAPのことを「ドイツの片田舎の会社らしいがよく知らない」と説明したときには、周囲のSAP社員から笑い声が漏れた

『mySAP CRM』について、SAPは「フロントからバックオフィスまで、あらかじめ統合されたコラボレーティブなCRM」だとしている。つまり、ERPなどの同社のほかのソリューションとの親和性が高く、営業・販売からマーケティング、在庫管理、製品開発まで、すべてを統合的に扱えることが、大きな利点だという。

『mySAP CRM』のシナリオ
『mySAP CRM』のシナリオ。ライブデモはこのシナリオに沿って行なわれた

ライブデモは、『mySAP CRM』を導入した架空のパソコン販売会社を設定し、その会社のキャンペーンの様子を3人のSAP社員が演劇形式で行なった。

『mySAP CRM』による販促キャンペーン

舞台は、架空の企業である青梅PC販売(株)が新製品を開発してその販売促進キャンペーンを展開するところから始まる。

新製品紹介キャンペーン
新製品紹介キャンペーン

青梅PC販売のマーケティング担当が、新製品紹介キャンペーンのプレゼンテーションを始めた。新製品は、ハイパフォーマンスノートパソコン。過去3年間に同社の同系機種を、一定の台数以上購入した企業を対象にキャンペーンを展開する。顧客企業をそれぞれ営業収入と経常利益率を基に3ランクに分別し、ランクの高い順に営業担当の訪問、電話での紹介、Eメールでの紹介の3種類の働きかけを行なうことになった。そして、担当者は『mySAP CRM』上でデータベースから該当企業を選別し、メールの書式などを設定して送信するなど、実際の販促活動を行なった。



訪問依頼
営業担当者の訪問を依頼

顧客企業のうち、ITC(株)(これも架空の企業)は、ちょうど新しいノートパソコンの購入を社内で検討していた。そこへ青梅PC販売からの新製品を紹介するメールが届く。ITCの担当者はそのノートパソコンを30台購入しようと考えた。そして、青梅PC販売のITC向けのウェブサイトで詳細情報を検討し、説明のために営業担当者の訪問を依頼した。



顧客企業情報
企業情報や過去の取引実績などをチェック

青梅PC販売の営業担当は、訪問以来を受けて、『mySAP CRM』上でITCの企業情報や担当者、過去の取引実績などをチェック。また、マーケティング担当が作成した資料にアクセスして、ITCに対して30%までの値引きが許可されていることや、ITCが購入を希望している製品がITCの要望に適合しているかどうかなどを確認するなど、十分な訪問準備を行なった。



変更可能なオプションの設定
『mySAP CRM』上で、変更可能なオプションの設定

そして、実際に訪問した営業担当者は、持参したノートパソコンからアクセスした『mySAP CRM』上で、価格の決定や、メモリーやハードディスクなどの変更可能なオプションの設定を行なった。同時に、納期・在庫状況の確認なども行ない、来月までに30台納入してほしいというITCの要望に応じられることも確認した。このように、その場で設定を変更したり、納期や在庫状況を確認できることが、ERPなどの基幹システムと連携した『mySAP CRM』の強みだという。



サポートセンターへの要請
コールセンターからサポートセンターへの要請

ところが、製品の納入後、ITCから青梅PC販売のコールセンターに電話がかかってきた。ノートパソコンのディスプレーが暗いというのだ。オペレーターは『mySAP CRM』上からITCに関する情報を呼び出し、納入した製品の型番などを確認、その症状に対応した解決策を提案する。しかし、これはどうも液晶ディスプレーの初期不良らしいことが分かり、オペレーターはサポート要員を派遣して液晶ディスプレーを交換することを決定した。そして、その旨をサポートセンターに通知した。



サポート体制管理
サポート体制の管理画面

サポートセンター側では、『mySAP CRM』上でサポート体制が管理されている。要員のスケジュールが一目で分かるようになっており、休暇などの申請も可能。コールセンターなどから要請があると、時間の空いている要員が自動的に仮アサインされ、その要員に通知する。デモでは、サポート要員のiモード対応携帯電話へメールで通知がなされた。



iモードでの通知
iモードでのサポート要請

iモードでの通知を受けたサポート要員は、自分のスケジュールをチェックして要請を受けるかどうかを判断する。可能な場合は、その旨を返信し、顧客を訪問して修理などを行なう。そして、作業終了後は、終了したことをサポートセンターに伝えれば、サポートセンター側の管理画面に、作業終了が表示される。



集計結果
キャンペーンの結果

以上すべての結果は集計され、マーケティング担当が今回のキャンペーンについての分析を行なった。このデモの場合は、予想に反してEメールでのキャンペーンの結果が訪問や電話でのそれを上回り、費用対収益でも3倍近い数字になっていることが分かった。それらを基に、次回のキャンペーンの計画を練ることになる。また、サポートや修理にかかったコストも集計され、このデモの場合では新製品であるノートパソコンの液晶ディスプレーの不良率が高く、それらの結果は製品開発担当者が参照することができる。開発担当者は、その液晶ディスプレーの製造メーカーに対して改善を要求するなど、結果を次回の新製品の開発に生かすことができる。



『mySAP CRM』イメージ図
『mySAP CRM』のイメージ図。複数のチャンネル、基幹系システム、製品のライフサイクルなど、すべてがシームレスに統合されたCRMだとしている。ただし、その“シームレス”というメリットを享受するためには、CRM以外にもERPなど、さまざまなシステムを、それもSAP製のものを導入する必要がある

以上、今回の『mySAP CRM』のライブデモでは、すべてのサイクルが顧客を中心にして行なわれることや、販売員によるフィールド営業、コールセンター、インターネットなどのチャンネルが統合して扱えること、CRM単独でなくERPなどの基幹システムと直結することのメリットが強調された。

ただし、その“シームレス”というメリットを享受するためには、CRM以外のさまざまなシステムを、それもSAP製のものを導入する必要がある。SAPでは、システムを一括して導入する“ビッグバン導入”ではなく段階的な導入も可能だとしているが、実際にはすでにERP製品の『SAP R/3』などを導入済みの企業に対して提供していくものと思われる。

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