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AtermWB45RL

AtermWB45RL

2001年06月28日 20時03分更新

文● 山崎

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アプリケーションプロファイルの設定では、30個まで登録できる静的なIPアドレス変換テーブル(NATエントリ)をアプリケーションごとに任意に組み合わせて10個のプロファイルを保存できる。「RealPlayer8」や「ICQ」、「ウルティマオンライン」などの主な設定はあらかじめ用意されており、最新のプロファイル定義ファイルはAtermStationで配布されるので、初心者ユーザーでも簡単にネットワークアプリケーションを利用することが可能だ。
 AtermWB45RLでは、一般的なブロードバンドルータと同様にLAN内の複数のPCからインターネットにアクセスするためにIPマスカレードによるIPアドレス変換を行っている。ところがIPアドレスと一緒にTCP/UDPポート番号も変換するIPマスカレードでは、LAN内からインターネットへのアクセスには対応するが、インターネット側からLAN内のPCへアクセスする必要のある一部のネットワークゲームやチャットソフト、ストリーミングビデオなどは利用できない。
 そこでAtermWB45RLでは、特定のポートへのアクセスをLAN内のどのPCに対応させるかをユーザーが編集できる「APプロファイル」を用意している。APプロファイルでは

  1. IPアドレス変換テーブルのエントリを30個
  2. 1のエントリを任意に組み合わせて作成するアプリケーションプロファイルを10個
  3. 2を複数(最大10個)関連付けられる接続先設定を10個

――といった具合にそれぞれ登録可能だ。よってLAN内の「A」というPCからネットワークゲームやストリーミングビデオを利用したい場合や「B」というPCでチャットソフトを利用したい場合は、アクセスマネージャから上記リストの3で設定した接続先を目的に合わせて切り替えるだけで対応できる。普段は利用しないポートを塞いでおき、必要なときに必要なポートのみを簡単に開くことができ、セキュリティに配慮できるのがアクセスマネージャの有利な点だ。

 またAPプロファイルでは外部からのアクセスをすべて特定のPCに中継する「シングルユーザーアクセスモード」も設定できるので、LAN内のPCをHTTPサーバやFTPサーバとしてインターネット上に公開できるほか、静的なIPアドレス変換テーブルの編集では利用できないネットワークアプリケーションなどでもTAで直結しているのと同様の対応が可能だ。AtermWB45RLはアクセスマネージャという特徴的なユーティリティをシステムに常駐させることで、セキュリティとユーザビリティを両立しており、ネットワークに関する知識のあるユーザーだけでなく、常時接続環境を初めて導入するような初心者ユーザーでも安心して利用できるブロードバンドルータとなっている。



導入設定や接続先設定などはすべて付属のユーティリティ「らくらくアシスタント」から行う。AtermWB45RLに接続したAtermシリーズのTAの詳細設定やファームウェアのアップデートなども、すべて一元的に管理できる便利なユーティリティだ。
 さて実際に使用してみてのパフォーマンスだが、WAN側ポートに接続したPC上の容量30MB程度のファイルを、AtermWB45RLのスイッチングハブに接続したPCからFTPで転送してみたところ、2.96Mbps程度のスループットが得られた。フレッツ・ADSLや一般的なCATV/ADSLを利用したインターネットアクセスには十分な速度だろう。

 価格はオープンプライスで、実売価格は1万円台後半となっている。マルチラインアクセスや有線/無線LANへ対応可能な拡張性の高さ、アクセスマネージャによるインターネット接続状況の管理などを考えると、非常に買い得感の高い製品だ。インターネットへの接続方法を、さまざまな状況に合わせて使い分けたいと考えているユーザーなら、ぜひ導入を検討してみることをお勧めする。


AtermWB45RLの主なスペック
WAN側
インターフェイス
10BASE-T、シリアル、USB(Aterm専用)
LAN側
インターフェイス
10BASE-T/100BASE-TX×4(内1ポートはWAN側インターフェイスと排他利用)、USB×1、無線LANカード(AtermWL11C)用スロット×1
対応OS Windows 98/Me/2000、Mac OS 8.6J/9J/9.1J
サイズ 70(W)×157(D)×181(H)mm
重量 約520g

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