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PCG-SR9G/K

PCG-SR9G/K

2001年02月26日 21時31分更新

文● 山崎

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PCG-SR9G/K

ソニー

オープンプライス
24万5800円(SonyStyleダイレクト価格)

「PCG-SRシリーズ」は、コンパクトなボディに大容量バッテリを標準装備することで、長時間駆動を実現したB5サブノートだ。2001年春モデルとして登場した「PCG-SR9G/K」は、メインメモリを標準で128MBに倍増した以外、前モデル「PCG-SR9C/K」から基本スペックに変更はないが、Bluetoothによる無線通信機能の搭載という大胆な機能強化が行われている。

オリジナルアプリケーションで手軽に利用できるBluetooth機能

Bluetooth機能オン/オフボタン
Bluetoothモジュールは液晶パネル右脇に搭載されており、ボタンを押して機能をオンにすると液晶上部のLEDが青く点灯する。

 PCG-SR9G/KのBluetooth機能は、ハードウェアの仕様とプリインストールのユーティリティソフト類に関しては、同時に発表されたもうひとつのBluetooth搭載機種であるミニノート「PCG-C1VRX/K」と共通となる。Bluetooth機能は無駄に電力を消費しないよう通常はオフになっているが、VAIOオリジナルのユーティリティソフト「BlueSpace」から機能をオンにするか、あるいは液晶パネルの右脇に装備するボタンを押すと利用可能になる。

 Bluetoothでの無線通信を開始するには、まずBlueSpaceで「デバイスの検索」を実行する。電波の届く範囲にBluetooth搭載端末が発見されると、PCやモデム、携帯電話といった端末がアイコンで一覧表示される。接続可能なデバイスが複数検出された場合は、その中から通信したいデバイスを1つ選択し、「サービス検索」を行うと、その端末との間で利用可能なサービスのアイコンがハイライト表示される。その中から利用したいサービスを選ぶだけで、ケーブルを使って端末同士を接続するのと同様の機能が利用できるようになる。



BlueSpace画面
Bluetoothユーティリティ「BlueSpace」では、Bluetooth機能のオン/オフをはじめ、通信可能なデバイスの探索や利用可能なサービスの検索が行える。探索/検索中に聞ける「ピコーン、ピコーン」というアクティブソナーのような効果音が雰囲気を盛り上げてくれる。

 現在利用できるサービスはPCG-SR9G/K同士あるいは、PCG-C1VRX/Kとの間で、接続先のマシンへファイルを強制的に送りつける「ファイル送信」、2台のマシン間で簡易IPネットワークを構築する「IP接続」、Bluetoothを仮想シリアルポートに見立ててPC同士を接続する「仮想COM接続」の3つが用意されている。またPCG-SR9G/Kと同時に発表され、4月中旬に発売開始が予定されているBluetoothモデムステーション「PCGA-BM1」(オープンプライス)が登場すれば、無線でモデムにつないで、PC本体の使用場所を気にせず(見通し約100m以下)インターネットにアクセスするということも可能になる。さらにBlueSpaceには、現在は利用できないが「Headset」「FAX」「LAN Access」「vCard」といったサービス用のアイコンがすでに用意されているので、対応デバイスの登場が予想される。

 Bluetoothを使ってPCG-SR9G/K同士やPCG-C1VRX/Kとの間でIP接続による簡易LANを構築するのは、IEEE802.11b準拠の無線LAN製品を利用するよりはるかに簡単だ。無線LANカードやアクセスポイントといった余分なハードウェアを一切追加する必要はなく、ただBluetoothの通信範囲内に2台のPCを置き、Bluetoothの電源をオンにするだけで準備は完了だ。通信を開始するために設定しなければならないIPアドレスなどのネットワーク設定も自動的に行われる。セキュリティに関しては、2台のBluetooth対応機器が初めて通信を行うときに、共通のパスワードを入力することで通信相手の特定を行い、不特定の端末からのアクセスを防いでいる。Bluetooth対応機器では、EthernetカードのMACアドレスのように、端末ごとに固有のIDを持っており、一度通信可能な端末としてBlueSpaceに登録しておけば、次からはパスワードを入力することなく通信が行える。



VisualShare画面
Bluetoothでの簡易LANを利用してファイルの転送を行うためのソフト「VisualShare」。面倒な設定は一切なく、ドラッグ&ドロップだけでファイルの転送が行える。また、右クリックメニューからファイルを保存することもできる。

 IP接続が確立すると、接続した両方のPCで自動的にファイル交換ソフト「VisualShare」が起動する。ウィンドウ内にファイルをドラッグ&ドロップすれば、お互いのPC上のVisualShareにファイルがアイコン表示され、受け側が好きな場所にアイコンをドラッグ&ドロップするだけでファイルの転送が行える。

 ファイルの転送速度については、スペック上は最大723kbpsとなっているが、PCG-SR9G/KとPCG-C1VRX/Kを利用して実際に試してみたところ、約300kbps程度にとどまった。とはいえ、モデムによるインターネット接続や、デジタルカメラの撮影データなど数MB程度のファイルの交換には充分なスピードだ。しかもOSがWindows 2000であっても共有ファイルのアクセス権などを設定する必要がなく、一般的な無線LANよりも手軽に利用できる簡単さは大きなメリットだろう。



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