Palmに興味があるけど、4万円も出すのはちょっと……というプレPalmユーザー向けに開発されたのが「Palm m100」だ。これまで最も安価なPalmデバイスだったVisor Deluxeよりも1万円安い1万9800円となっており、手軽に買える価格になった。この製品によってPalmユーザーの裾野が拡大したのは確かだ。
Palmシリーズの末っ娘的なコンパクト入門機
Palm m100は、PalmIIIcやPalmVxとは異なる全体的に曲線を活かしたデザインと、交換可能なフェースプレート(トップカバー)によってカラーカスタマイズ可能なPalmデバイスになっている。フェースプレートはシルバーミスト、ブルーミスト、パシフィックブルー、ルビーパール、グリーンミストという5色が用意されており、1枚1980円なので、手軽にカスタマイズすることが可能だ。
滑らかな曲線で構成されたフォルムは手になじみ、コンパクトな本体も入門者向けだ。 |
フェースプレートには透明の窓が空けられており、下部のボタンを押すことで「クロック」というアプリケーションが起動し(電源オフの状態からでもOK)、即座に時刻や日付が確認できるようになっている。ちょっとしたアイデアだが、常時携帯するPDAだけに、気の効いた機能だ。
トップカバーの下側のボタン(カーソルの上)を押せば数秒間透明窓に時間と日付が表示される。 |
ボディサイズは他のPalmデバイスよりもひとまわり小さく携帯性もよい。安価なモデルにもかかわらず、液晶のクオリティは高く、昼夜/室内/屋外を問わず、どこで使っても違和感はない。
価格を下げるためにメモリが2MBと少なくなったのが気になるかもしれないが、標準のアプリケーションと数本のユーティリティ程度で使う限りは問題ない。Palmの使いやすさを高めてくれる優秀な周辺機器であるクレードルが標準では付属せず、「HotSyncケーブル」というHotSyncボタンの付いたケーブルが添付される。別売で用意されたクレードルも大幅にデザインが変更されており、本体の曲線とピッタリあった、ちょっと未来的なデザインだ。
付属のケーブルにはコネクタ部にHotSyncボタンがあり、クレードル同様に接続してボタン押せばHotSyncする。 |
従来の機種とはデザインが異なるために、共通で使える周辺機器、特にモデムなどの通信機器がないのが厳しいところだが、赤外線ポートを搭載したiモード携帯電話(NM502i)などと組み合わせて使うと便利だろう。
利用できる周辺機器の数は多くはないが、そのなかでは注目の的である折りたたみ式の「Portable Keyboard」が用意されているのはウレシイ。m100に搭載されるOSはPalm OS 3.5.1という最新のもの。最後の.1は、m100で新規に搭載された「手書きメモ」や「クロック」の存在だ。これはグラフィティが苦手というユーザーはもちろん、Palmを使ってメモを取るにはグラフィティでは追いつかないユーザーが大半ということを考えれば、非常にありがたいソフトである。これまでは4000~5000円もするサードパーティ製ソフトやシェアウェアを別途購入しなければ実現できなかったのだから、さらに割安感がある。
「手書きメモ」は従来からのPalmユーザーにはシェアウェアなどでおなじみのアプリケーションで、あればなにかと重宝する。 |
ケース類もポップな色使いのものが用意されており、女性にもオススメできるし、学生にも受けそうだ。
製品名 | Palm Computing m100 |
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OS | Palm OS 3.5.1 |
CPU | DragonBall EZ-16MHz |
メモリ | 2MB |
表示 | 160×160ドット/16階調 バックライト付きグレースケール液晶 |
インターフェイス | 赤外線、シリアル |
本体サイズ | 79(W)×18(D)×118(H)mm |
重量 | 137g |
バッテリ | 単4乾電池×2 |
バッテリ駆動時間 | 約14日 |