最も薄く、最も軽いPalmデバイスが「PalmVx」である。携帯性に優れたボディは、シャツの胸ポケットに入れてもまったくに気にらないほどだ。Palmデバイスの中で外装全面に金属を使った唯一のモデルであり、遊び心たっぷりのソニーの「CLIE」や「Visor」とは違った、大人っぽいPalmデバイスだと言える。もちろんオトナの女性にもピッタリだ。
スリム&スタイリッシュなPalm標準機
革製カバーとグレーメタリックの金属製ボディはPalm内最薄/最軽量という仕様だけでなく、落ち着いた大人の雰囲気を演出する。 |
2000年冬限定「ミレニアムブルー」というモデルも12月より発売されている。ベースとなっているPalmVxのアルミボディもカッコいいが、限定モデルのミレニアムブルーも深い味わいのブルーで、持つ喜びを感じさせてくれる。ただし、あくまでも限定バージョンであり、すでに出荷された分だけで再生産の予定はない。店頭在庫分ですべて終了ということだ。見つけたら即ゲットしないと、あとで後悔することになるぞ(12月22日現在でも秋葉原などモバイル関連ショップにはまだ在庫はあるようだ)。価格も標準モデルの3万9800円に対して4万1800円と、2000円しか違わない。これは非常にお買い得だと言える。
スタイラスは本体左右のレールに沿って収納される。トップカバーもスタイラス用レールを使ってセットし、カバーは裏表のないデザインなので、好みや利き手に応じてカバーの開く方向を変えることができる。 |
PalmVxの特徴は前述のようにすべてのPalmデバイス中、最も薄く、最も軽いことだが、DragonBall EZの20MHzという高速なCPUを搭載しているために処理速度も速く、メモリも標準で8MB搭載しているので、まず不足を感じることはない。本体には拡張スロットは用意されていないが、「スライサー」と呼ばれる本体背面に装着するアダプタとして、米Palmが発売するモデムなどの周辺機器がある。
液晶はグレースケールだが、非常に品質の高い液晶パネル(エプソン製らしい)が採用されており、どのような状態でも、鮮明な画面を表示できる。
電源はリチウムイオンバッテリを内蔵しており、連続使用では約6時間前後駆動する(正式なスペックとしての数値はない)。ただし、クレードルに載せておくだけで自動的に充電されるため、HotSyncのためにクレードルを使う習慣さえあればバッテリの残りを意識することはまったくない。なお、充電しない状態で使う場合、「通常の使い方で2週間程度」利用できるというのが公式のバッテリ駆動時間だが、頻繁に使っても1週間程度は十分に利用できる。
クレードルにセットした状態。クレードル右下にはスタイラスのホルダが用意され、充電時は黄緑色にライトアップされる演出。 |
搭載されるOSはPalm OS 3.5で、搭載アプリケーションもPalmの標準的なものばかりだが、機能的に不足はない。同期ソフトである「Palm Desktop」はWindows版とともにMac OS版も標準添付されているので、Macユーザーも安心して購入できる。ただし、標準ではUSB接続には未対応なので、Macユーザーは接続のために別途オプションを購入する必要がある。
スタイリッシュなボディを際立たせるケース類も充実しており、「GUCCI」や「COACH」といったなどの有名ブランドのケースも発売されている。さらに交換用のサードパーティ製スタイラスも豊富にあるなど、好みや気分に応じて使い分けるという楽しみがあるPalmだ。
製品名 | Palm Computing Vx |
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OS | Palm OS 3.5 |
CPU | DragonBall EZ-20MHz |
メモリ | 8MB |
表示 | 160×160ドット/16階調バックライト付きグレースケール液晶 |
インターフェイス | 赤外線、シリアル |
バッテリ | リチウムイオン |
バッテリ駆動時間 | 約2週間 |
本体サイズ | 78(W)×10(D)×114(H)mm |
重量 | 113g |