日本IBMの主力Palmデバイスが「WorkPad c3」だ。基本的にはパームコンピューティングのPalm Vと同等の40Jに代わり、Palm Vxと50Jが発売されている。
ThinkPad的ブラックが渋いPalmデバイス
日本IBMは日本で初めてPalmデバイスの日本語版「WorkPad」をリリースし、絶大な人気を誇ってきた。その後もPalmV相当の「WorkPad c3(40J)」、さらに、2000年4月には名称こそWorkPad c3のままだが、中身は一気にグレードアップして、これまでの不満点だったメモリ不足を解消した「WorkPad c3(50J)」にバージョンアップした。従来の40Jとの違いは、ユーザーメモリは4MBから8MBに、OS占有メモリは2MBから4MBに拡張されている点だ。
本体のデザイン自体はPalm Vxと同じで、両側面のスタイラスホルダを使った左右交換可能なカバーも同一だ。 |
WorkPadc3(50J)は、PalmブランドのPalmVxのOEM商品であるためハードウェアのスペックはPalm Vxと同一で、外装が黒でペイントが施されているのが相違点だ。
WorkPad c3はハード面の相違は外観だけだが、ソフトはIBMオリジナルのものが添付されている。Webブラウザの「Palmscape」や電子メールソフトの「MultiMail」、「JotMail」、さらにPCでWebのコンテンツをダウンロードしてそれをWorkPadでオフラインブラウズするための「WebSketch」といったように、モデムやSnapConnectなどの携帯電話/PHSアダプタなどを購入するだけですぐにインターネットに接続して利用できるようになっている。
とくにオススメは、WebSketchだ。PCにインストールしてURLを指定しておくだけで、自動的に巡回してWebのテキストをDOC形式(MeDOC形式も可能)、PalmScape形式で保存し、HotWSync時にWorkPad c3に転送してくれるというもの。ニュースサイトなどを登録しておけば、朝一番にHotSyncするだけで、WorkPad c3に新聞記事がインストールされ、通勤電車の中などでWorkPadで新聞が読めるという仕組みだ。
クレードルは金属製の重厚なものであり、クレードルに載せておくだけで、つまりHotSyncする時に自動的に充電してくれる。Palm Vxとボディが共通なため、純正オプション、サードパーティ製のオプションも豊富に用意されているものがそのまま利用できる。
なお、WorkPad c3以外にも、WorkPad 30JをベースにPHS通信機能を内蔵した「WorkPad 31J」も販売されている。こちらは本体内に専用PHSユニットが内蔵されたもので、単体でPHSデータ通信によりWebブラウジングやメール送受信が可能だ。価格はIBM PCダイレクト価格で3万4900円。
本体色が艶消しのブラックなのは同社のノートパソコン「ThinPadシリーズ」と似たイメージで、Palmデバイスのなかでももっとも渋いデザインだ。 |
製品名 | WorkPad c3 (50J) |
---|---|
OS | Palm OS 3.5 |
CPU | DragonBall EZ-20MHz |
メモリ | 8MB |
表示 | 160×160ドット/16階調バックライト付きグレースケール液晶 |
インターフェイス | シリアル、赤外線 |
本体サイズ | 79(W)×11.35(D)×115.5(H)mm |
重量 | 119g |
バッテリ | リチウムイオン充電池 |
バッテリ駆動時間 | 約14日 |