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サイバービジネス協議会、“インターネットキャッシュ”の実用実験を9月に開始

1998年07月23日 00時00分更新

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 電子商取引の推進団体であるサイバービジネス協議会は、インターネット上での決済を可能にした電子マネー“インターネットキャシュ”を9月21日に開始すると発表した。Windowsマシンに接続したカードリーダーでICカードを読み込んで、Web上の銀行から預金を引き出し、オンラインショップで買い物をすることができる。



 この電子マネーは、インターネット環境の整ったWindowsマシンでのみ稼動する。デスクトップ型PCの場合はカードリーダーをケーブルで接続、またノート型PCではPCカード対応のカードリーダーを接続してICカードを読み込む。

 銀行から引き出せる金額の上限額は、3万円。ニュース、気象、競馬などの情報やシェアウェアソフト、スクリーンセーバー、雑誌記事、電子書籍などのデジタルコンテンツが購買対象となる。今回の電子マネーは、インターネット上の決済に限定し、リアルモール(実際の店舗)での使用は対象外。この点が、現在渋谷で実験中の“VISAキャッシュ”や、'99年2月から新宿で実験が開始される“スーパーキャッシュ”とは異なっている。

 同サービスの第1ステップとして、9月21日から'99年2月28日までの約5ヵ月間4つの金融機関(東海銀行、大和銀行、岐阜信用金庫、全国信用金庫連合会)と16の加盟店の社員1000人に限定し実験を行なう。第2ステップは、'99年4月からの実施を予定。参加金融機関の口座を持ち、パソコン環境が整っている一般の希望者を中心に、1万人程度で実験を行なう。ここでは、第1ステップの結果を考慮し、参加金融機関や加盟店の拡大も検討するという。これらの実験を通して、一般ユーザーにとって電子マネーの実用化は可能かどうかを分析・検討し、最適な電子マネーの在り方を探る。
 
 インターネットキャッシュは、いったん発行された電子マネーを消費者が使用すると、発行した金融機関に回収されるが、その際、回収額と発行額の照合を金融機関が行なう。電子マネーの偽造などによる二重使用がないかをチェックすることでセキュリティーが守られている。また、銀行の仲介なしで、利用者の個人間での取り引きや譲渡(転々流通性)が可能になった。さらに、購買履歴は残らず匿名性も実現し、プライバシーの保護が約束されるという。未使用時の電子マネーは、発行金融機関の口座に戻すことができる換金性も有している。



 サイバービジネス協議会インターネットキャッシュ推進部会長、東田正信氏(写真右から二人目)は「今回の実験は、インターネットキャッシュの在り方を模索しようということで、郵政省の支援を仰いでいる。最近の電子マネーは、概念の普及という段階から実用化に向けた動きが活発化している。渋谷での実験中のVISAキャッシュ、新宿で実験予定のNTTスーパーキャッシュとの互換性、相互流通性をどう築くかは今後の課題となるだろう。どういうタイプの電子マネーが最も消費者に受け入れ易いものなのかを実験から導きたい」と抱負を語った。サイバービジネス協議会はNTT、電通、コンピューターメーカーなどを中心に現在110社で構成されている。設立は、'95年7月。(報道局 篠田友美)

http://www.icash.gr.jp/

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