マイクロソフト(株)は6月20日、報道関係者向けにコンシューマー向け次世代OS『Microsoft
Windows Millennium Edition』(以下、Windows Me)の概要について説明する“第2回
プレステクニカルセミナー”を同社内で開催した。
『Windows Me』日本語版と英語版の発売には時間差あり
セミナーの冒頭、同社プラットフォーム製品マーケティンググループの御代茂樹氏が、米マイクロソフト社がWindows Meの開発を完了したと発表したことに触れ、「昨晩の段階で、ゴールドCDと呼ばれるパッケージ製作用のRTM版CD-ROMの1枚目ができあがった状態。すべてのOEM先に配送するにはあと2週間程度かかる。その後各メーカーが対応の準備を行なうため、開発完了から実際の製品発売までには8~10週間は必要となる」と説明した。プラットフォーム製品マーケティンググループの御代茂樹氏 |
また、Windows Meの日本語版については「Windows 98は世界同時リリースだったが、Windows
Meは同時出荷ではなく時間差がある」と、リリースが若干遅れることを示唆した。日本語版の正式な発売日と価格は「当分の間は発表しない」(御代氏)としている。
報道関係者向けに技術概要について説明
5月23日開催のセミナーに続いて2回目となる今回のセミナーでは、報道関係者からの問い合わせが多かったという“Windows Imaging Acquisition(WIA)”および“Universal Plug and Play(UPnP)”についての概要説明が行なわれた。Windows Imaging Acquisition(WIA)
WIAは、周辺機器から画像データを取得、保存するためのアーキテクチャー。OSに画像を取り込むための技術であり、画像の加工や補正は行なわない。TWAINインターフェースと併用が可能。デジタルカメラやスキャナーなどとPCを接続すると、“スキャナとカメラウィザード”が自動的に起動し、デジタルカメラ内の画像データをPC画面に表示できる。“スキャナとカメラウィザード”は“アクセサリ”メニューからも起動できる。
WIAアーキテクチャーは、Windowsの“エクスプローラ”にも統合されており、画像データをサムネイルで一覧表示できるほか、画像の拡大/縮小プレビューも可能。サブフォルダー内の画像もサムネイル表示できる。スライドショートして画像を閲覧することも可能。
取り込んだ画像がサムネイル表示される |
また“詳細表示”設定にすると、ファイル名やサイズ、作成日時のほか、画像を撮影したカメラのモデル名などをパラメーターとして表示できる。
コダックのデジタルカメラ『DC290 Zoom』を使ったデモ。エクスプローラを“詳細表示”に設定すると、カメラのモデル名がパラメーターに表示される |
(クリックで拡大表示します)
動画から静止画をキャプチャーできる“フレームキャプチャードライバー”を利用して、ストリーミングカメラやデジタルビデオカメラで撮影した動画から静止画を取り込むことが可能。対応するデバイスは、USB対応のストリーミングカメラおよびIEEE1394対応のデジタルビデオカメラとなっている。
Universal Plug and Play(UPnP)
UPnPは、PCを中心にTVやビデオ、電話機、家庭内制御システムなどを連携して利用するためのホームネットワーク用の仕様で、ピアツーピア接続をサポートする。ホームネットワークが発展すると複数のインフラにより複雑になるため、UPnPを利用して既存の異なるネットワークを統合して相互接続を可能にする。これにより、ユーザー側からはすべてがひとつのネットワークに接続されているように見える。
UPnPについては、'99年6月に設立された業界団体“Universal Plug and Play Forum”により、仕様作成や普及促進活動が行なわれている。
UPnP技術自体はWindows Meに採用されているが、対応するデバイスが現時点では存在しないため、UPnPによるホームネットワークシステムは構築できないのが現状。同社は、Windows MeをUPnPの受け皿環境のスタートとし、今後Windows Meやそれ以降にリリースされる次世代OSを通じて、他社と協力しながらPCを中心としたホームネットワークを実現していくとしている。