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基幹システムのWeb化などをテーマに、“S/390e-businessソリューション・コンファレンス”が開催(前編)

2000年06月14日 00時00分更新

文● 若菜麻里

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日本アイ・ビー・エム(株)は6月14日、東京都内のホテルで、S/390の導入を検討している顧客やユーザーを対象とした“S/390e-businessソリューション・コンファレンス”を開催した。

コンファレンスでは、S/390を活用した“e-businessのためのIT環境”に関する基調講演や、セッションが行なわれた。そのほかにも、システム管理製品『Tivoli Manager for OS/390』、メッセージング・ミドルウェア『MQSeries』といった、16の関連製品の展示やデモもあった。

開会にあたり、システム製品事業部、S/390製品事業部事業部長の星野裕氏は、「'99年はe-business元年、そして2000年はe-business実現のための年である。それを支えるS/390関連のハードウェアとソフトウェアの特徴や、顧客へのメリットが一望できる一日にしたい」と挨拶した。

また、5月17日に発表し、今回のコンファレンスでも目玉のひとつとなった『Linux for S/390』についてふれ、「1月から試用版をWebで公開して、2100件以上のダウンロードがあった。1台のS/390上で、4万4000台ぶんのLinuxが仮想的に稼動するという、米国の事例も出ている。高い堅牢性を持つS/390が、Linuxサーバーに生まれ変わったともいえる製品」と話し、周囲から高い関心を集めていることをアピールした。

システム製品事業部、S/390製品事業部事業部長の星野裕氏
システム製品事業部、S/390製品事業部事業部長の星野裕氏



e-businessの実現に向けたソフト/ハードをトータルに提供

午前中の基調講演では、米IBMソフトウェアグループのバイスプレジデント・カスタマーセールス、スタン・クラスノウ(Stan Krasnow)氏と、米Meta Groupのバイスプレジデント/ディレクター、エンタープライズ・データセンター・ストラテジーのカール・グレイナー(Carl Greiner)氏が登壇した。

クラスノウ氏は、e-businessに向け、IBMが提供するハードウェアとソフトウェアや、そのソリューションについて紹介した。

「インターネットがe-businessのインフラになった今日、Web対応のアプリケーションに将来性がある」として、「アプリケーションのフレームワークや、オープンなサーバーというハードウェア、ソフトウェアの両面から、e-businessのインフラになるようなソリューションを提供していく」と語った。

アプリケーションフレームワークとは、ダイナミックな見方をすると、サプライヤーからSCM、ERP、CRM、Eコマース、そして顧客に至るe-businessのサイクルの中で、IBMの製品群をトータルに提供するというもの。

たとえば、『Siebel』や『Clarify』などの主要CRM製品と、バックエンドのデータベース製品『DB2』を『MQSeries』などを用いて連携する。Webをフロントエンドにしたデータウェアハウスを構築し、分析ツールにより顧客の購買や行動パターンを探るといった、仕組みを構築するための製品群を事例として紹介。

また、米国のデパートのWebサイト“Macys.com”の構築事例では、コンサルティングから、インターネットサイトのホスティング、RS/6000やS/390、Tivoliなどのシステムサポートまでを一手に担当している。食料品店“Safeway”では、携帯端末“PalmPilot”に商品リストをダウンロードし、お勧め商品の閲覧や発注などの一連の処理を可能とするシステムを紹介。

クラスノウ氏は、「こうしたe-busiinessへのオールラウンドなサポートは、アプリケーションフレームワークなしには不可能だ」としている。まとめとして、「e-businessの成功の鍵はスピード性だ。既存のアプリケーションをWebビジネスに活用し、拡張性や可用性、信頼性、セキュリティー、専門家による世界的なサポートとサービスを総合的に提供していく」と締めくくった。

米IBMソフトウェアグループのバイスプレジデント・カスタマーセールス、スタン・クラスノウ氏
米IBMソフトウェアグループのバイスプレジデント・カスタマーセールス、スタン・クラスノウ氏



既存のメインフレーム上にあるデータをWebに活用

一方、グレイナー氏は、コンサルタントの立場で、e-busiessを“真のビジネス”とするために必要なシステムの要件について語った。

グレイナー氏は、「企業の情報の70パーセントは、S/390のような従来からのメインフレーム上にある。インターネット上でe-busiessとして展開するには、1から新しいシステムを構築しなおす必要はない。既存のシステムを活用して、ビジネスとしてタイムリーに利用できるようにシステムを統合化することが重要だ」と指摘した。

また「既存の資産をe-businessに活用する“e-レガシー”では、24時間365日ダウンしない高可用性や、システムの容易な拡張性、適切なストレージなどが重要だ。e-businessで勝者となるためには、IT部門がe-businessにおける新たな要求を理解し、柔軟かつ速やかに課題に対応することも必要だ」と語った。

米Meta Groupのバイスプレジデント/ディレクター、エンタープライズ・データセンター・ストラテジーのカール・グレイナー氏
米Meta Groupのバイスプレジデント/ディレクター、エンタープライズ・データセンター・ストラテジーのカール・グレイナー氏

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