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【LinuxWorld Expo/Tokyo'99レポート Vol.2】アクアリウムコンピューター、超小型Linuxサーバー『blue grass』を発表

1999年09月29日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之/小林伸也

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(株)アクアリウムコンピューターは、開催中のLinuxWorld Expo/Tokyo'99において、Linuxを採用した超小型のインターネットサーバー『blue grass』を発表した。CPUにはナショナル・セミコンダクターのMediaGX-233MHzを採用。曲線を使った独特のデザインで、サーバーとしては世界最小サイズを実現しているという。価格は22万8000円で、本日から出荷を開始する。

アクアリウムコンピューターの熊倉次郎代表取締役社長
アクアリウムコンピューターの熊倉次郎代表取締役社長



blue grassの主なスペックは、CPUがMediaGX-233MHz、メモリー64MB(オプションで128MBに変更可能)、HDDは6.4GB、ネットワークインターフェースには10BASE-T/100BASE-TX自動切り替えのLANポートを1ポート備える。また、オプションで10BASE-Tポートを1ポート加えることも可能。電源は内蔵せず、付属のACアダプターを使用するのが特徴だ。

同社の熊倉次郎代表取締役社長によると、blue grassの開発コンセプトは、“ローコスト、ハイクオリティー、イージー・トゥ・ユーズ、イージーアドミニストレーション、グッドデザイン”で、これらを高いレベルで調和したのが今回の製品であるという。

『blue grass』 『blue grass』



blue grassのサイズは幅92×奥行き185×高さ218mmで、おなじくLinuxを採用した小型サーバーであるコバルトネットワークス社の『CobaltQube』の約半分のサイズ。インダストリアルデザイナーの岩瀬岳志氏の手になる流線型のフォルムで、blue grassの名のとおり、海をイメージさせるライトブルーのボディーカラーとなっている。

CPUにMediaGXを採用したのは、発熱の少なさを重視し、ファンレスのマザーボードを選択したためという。メモリーを128MBに拡張する際の追加料金は2万4000円、追加の10Base-Tインターフェースは1万2000円となっているが、これらは出荷時のみのオプションで、購入後の追加はできない。

OSはターボリナックス社の『TurboLinux 4.2』を採用、UNIXの知識のないユーザーでも扱えるように、管理はウェブブラウザー経由で外部から行なう。ウェブベースの管理ツールは(株)ホライズン・デジタル・エンタープライズの『HDE-WUI』を搭載する。

インターネットサーバーとしては、電子メールサーバー、ファイルサーバー(Windows/およびMacintosh)、ウェブサーバーの機能を持ち、『Oracle8 for Linux』も稼動する。『Oracle8i for Linux』についても対応予定となっている。また、サイボウズのオフィス用スケジュール管理ソフト『サイボウズ Office2』の60日間無料トライアル版が付属する。

(左から)アクアリウムコンピューターの熊倉次郎社長、オラクルの佐野力社長、ぷらっとホームの本田弘男社長、ディーアイエスシステム販売の藤原孫三郎社長
(左から)アクアリウムコンピューターの熊倉次郎社長、オラクルの佐野力社長、ぷらっとホームの本田弘男社長、ディーアイエスシステム販売の藤原孫三郎社長



サポートについては、標準価格の中に1年間の電子メール/ウェブによるソフトウェアに関するユーザーサポート、および1年間のハードウェアのオンサイトサポートが含まれる。ハードウェアのサポートは、(株)アルゴテクノス21が行ない、全国でサポートする。

販売については代理店経由のみで、ディーアイエスシステム販売(株)、ぷらっとホーム(株)、(株)まぐまぐを通しての販売となる。初期出荷は70台で、月間300台の販売を目指すという。

同社社長の熊倉次郎氏は、「部門サーバーなど中小規模のネットワークや、Linuxサーバーを使ってみたいコンシューマーがターゲット。Windows NTベースより安価にネットワークを構築できる。blue grassを、“ローエンドサーバー市場はLinuxで”と訴える先兵にしたい」と意気込んでいる。

また、“クライアントPCも販売してほしい”との要望が寄せられている点について、熊倉氏は、「私たちはあくまでサーバーを作りたかった」と語っている。

なお、blue grassという名前は、社名の“aquarium(水族館)”にちなむもので、名前に色を含む熱帯魚から選ばれたもの。今後は同様のコンセプトに従った製品の投入を予定しているが、その詳細および時期については現時点では明らかにできないという。ただし、メモリーやHDDの増加などの要望が寄せられており、サーバーとしての機能を強化したものになると見られる。

ちなみに、blue grassのプロトタイプにあたる『white neon』は、筐体にアクリル板を使用し、金属部分が露出するデザイン。9月1日からウェブサイト上で限定30台の予約販売を行なったところ、受付開始から1時間半で完売したという。

アクアリウムコンピューターは7月に登記を済ませたばかりの若い会社。ファブレス、オフィスレスという環境で、通常の企業でできないすばやい判断が可能という。

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